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家計の株式投資行動の推移

 

県立広島大学 経営情報学部 准教授

塚原 一郎

要旨



日本では2014年からNISAが導入されるなど、株式投資の税制優遇が近年行われている。金融リテラシーの重要性も認識され、子供から大人まで全世代に向けた金融経済教育が行われるなど、株式投資に対する理解を深めようとする取組も活発に行われている。
本稿では、上述の取組のなか、家計の株式投資行動がここ10年で変化してきているかを、公表データを用いて、特に金融資産保有額別、年間収入別に分析した。
分析の結果、実際の家計の株式投資行動は、ここ10年でそれほど変化はなく、依然として資産全体に占める割合は低い。相対的には所得や資産が多い家計ほど株式投資は活発である。年間収入別では、下位層は余裕資金自体が少ない状況が続き、上位層は非消費支出の増加により可処分所得が減少傾向にあり、貯蓄や投資に回すことができる資金もそれほど増えていない。全体的に株式投資が行いにくい環境にあるが、金融リテラシー向上の取り組みを実際の株式投資行動にどのようにつなげるかが、今後の課題である。