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家計のリスク資産保有行動の地域差
―金融リテラシーの高さはリスク資産保有を促進するか―

 

椛蝌a総研 金融調査部 研究員

森  駿介

要旨



家計のリスク資産保有行動には地域差が見られる。株式等を少しでも保有する世帯の割合は三大都市圏や富山、広島、香川などで比較的高い一方、北海道・東北・九州地方などの都道府県では低い傾向にある。本稿ではこのような地域差をもたらす要因分析を都道府県単位で行った。分析の結果からは、教育水準や就業構造、富裕層比率、年齢などの違いが家計のリスク資産保有の地域差を生み出していることが統計的に示された。一方で、「金融リテラシー調査」の正誤問題の正答率で測定された「金融リテラシー」と家計のリスク資産保有行動との間には有意な関係が見られなかった。金融リテラシーには、リスク資産の保有との関係を見る上での「逆の因果性」の問題や測定方法の問題などが存在する。金融リテラシーとリスク資産保有行動の関係についての理解を深めるためには、金融リテラシーの測定方法の改善などが必要かもしれない。