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介護保険制度の見直しの方向性―世代会計の試算結果を踏まえて

 

鞄本総合研究所 調査部 主任研究員

飛田 英子

要旨



介護保険制度に係る生涯の利用額(受益)と保険料(負担)を試算し、負担に対する受益の倍率を世代別に比較すると、現在の高齢者世代の2倍超から生年1980年度で1を下回った後も低下を続け、生年2010年度では0.7倍との結果が得られた。これは、同制度には大きな世代間格差が存在することに加えて、介護財政が将来世代への負担転嫁で成立していることを示唆する。
制度が持続可能であるためには、給付費の大胆な削減を通じて負担能力の範囲内に保険料を抑えると同時に、世代間格差を是正し、負担の主な担い手である現役世代の信頼を確保する必要がある。そのためには、@給付は原則65歳以上、保険料負担は40歳以上といった年齢要素を廃止し、エイジレスな仕組みに再構築するとともに、A要介護認定やサービス内容の妥当性を再検討し、給付を真に必要なものに限定する視点が不可欠である。加えて、B我々国民も自助の精神を高め、国への依存体質から脱皮していくことが求められよう。



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