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家族介護に対する支援策の今日的課題 ―現金給付の再検討―

 

日本社会事業大学 社会福祉学部 教授

菊池 いづみ

要旨



介護保険への現金給付導入の是非をめぐっては、創設時に争点となったものの必ずしも国民的な合意が得られたものとはいえず、今日に至っている。本稿では、単にこの議論を繰り返すのではなく、家族のあり方をはじめとする介護保険を取り巻く状況が当時とはだいぶ異なってきているなかで、制度そのものも変容を遂げていることから、家族介護に対する支援策の今日的な課題を「現金給付」に焦点をあてて再検討することを目的とした。
2017年の介護保険法の見直しにあたっては、「地域包括ケアシステム」構築の深化・推進や制度の持続可能性の確保が引き続き重要課題とされ、分野横断的で包括的な支援体制による「地域共生社会」の実現を目指すことになった。新しい福祉サービス提供のあり方の基本理念が示されるなかで、家族介護に対する支援策としての現金給付は、ひとつの選択肢として、導入の意義を見出すことができる。