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リテール決済ビジネスの現状と展望

 

KPMGジャパン フィンテック推進支援室 副室長
有限責任 あずさ監査法人 金融事業部 金融アドバイザリー部 シニアマネジャー

保木 健次

要旨



情報通信技術(IT)の進展に伴ってリテール決済ビジネスを巡る環境が劇的に変化している。一つは、リテール決済サービスの利用者である顧客側における変化であり、もう一つはリテール決済サービスを提供する側に起きている構造的な転換である。それらに加えて、ITの進展の中で生まれた仮想通貨は、リテール決済ビジネスの基盤そのものを全く違う次元に移行させようとしている。
こうした環境の変化に対して、リテール決済ビジネスに関わる金融規制も大きく変貌している。2016年及び2017年の2年連続での銀行法をはじめとする金融関連法制の改正により、仮想通貨交換業者や電子決済等代行業者が新たに金融規制の対象範囲に含まれるとともに、銀行が金融関連IT企業を子会社化できるよう出資規制が緩和されたりオープン・イノベーションを促進するオープンAPIの導入に係る制度整備が図られたりするなど、従来の銀行業の枠を超えたビジネスモデルの構築が可能となった。さらに、2017年11月に立ち上げられた金融審議会金融制度スタディ・グループでは、機能別・横断的な法体系への移行や「金銭」の概念の整理を含む金融規制の抜本的な改革に向けた議論が進められている。
これまでリテール決済ビジネスの中心に位置していた銀行は、こうした環境の変化と自身の競争力を踏まえてビジネスモデルを再定義するとともに、自らのビジネスモデルにおけるリテール決済ビジネスの位置づけについて再考する必要に迫られている。
本稿では、リテール決済ビジネスを巡る環境変化について解説するとともに、ITの進展を踏まえた2016年成立の銀行法や資金決済法の改正、2017年成立の銀行法の改正及び現在進められている金融制度スタディ・グループにおける議論等を踏まえながら、銀行をはじめとする金融機関がとるべき対応について考察する。
なお、本文中の意見に関する部分については、筆者の私見であることをあらかじめお断りしておく。



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