1994年4月:No.1994―02

『2つの遺産動機と世帯主の生命保険需要』

                            特別研究官(長崎大学教授) 松浦 克己
 遺産動機は人々の就業や貯蓄行動のみならず、一国の富の配分にも影響する。世帯主の死亡保険契約はその遺産動機の具体化と考えることができる。本研究では漠然とした遺産動機1と居住用等不動産をおくる遺産動機2を考え、それと世帯主の死亡保険契約をBivariate Probitモデルで推計し、遺産動機とその強さがどのように形成されているかを実証する。用いられたデータは90年の日経金融行動調査である。それによれば遺産動機1と死亡保険契約は独立して決定されているが、遺産動機2と死亡保険契約は同時に決定されていることが示される。遺産動機として何を対象とするかが重要であることが示唆される。

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