1994年5月:No.1994―04

『Tie-in-Sales仮説は生命保険市場で成立するか?―生命保険貯蓄の要因分析―』

                            特別研究官(長崎大学教授) 松浦 克己
 生命保険市場で大宗を占めるのは純粋の死亡保険・生存保険ではなく、生死混合保険である。その理由として保険者と被保険者の情報の非対称性からくる逆選択を回避するための Tie-in-Sales 仮説があげられる。この仮説は死亡保険契約と生命保険貯蓄、保険料支出が同時に決定されることを含意している。本研究では90年の日経金融行動調査を用いることで、この3つの変数が内生か外生かをSimultaneous Tobitモデルで検証する。推計によれば Tie-in-Sales 仮説は支持されず、生死混合保険が消費者にとり合理的な選択である可能性が示唆される。

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