1994年9月:No.1994―16

『我が国戦前の貯蓄金融機関―専業貯蓄銀行の発展と消滅に焦点をあてて―』

                             第二経営経済研究部研究官 竹澤 康子
 現在、我が国に存在する非営利・個人対象の貯蓄金融機関は、唯一郵便貯金である。しかし、第二次大戦前には欧米諸国においてみられるような専業の貯蓄銀行が実在し、郵便貯金とともに個人金融分野を担っていた。

 本稿では、この「貯蓄銀行」に焦点をあて、どのようにして設立され、発展し、消滅したかを考察した。それによって、欧米の諸制度を規範として発展した近代日本が、貯蓄銀行制度については何故望ましい形での展開を成し得なかったかを探った。

 さらに、郵便貯金と貯蓄銀行について、小口性、地域性、信頼性、資金運用などについて特性比較することにより、両者が貯蓄金融機関としての要件をどの程度満たしていたのかについて検証した。

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