1995年7月:No.1995―4
情報通信システム研究室研究官 渡辺 仁哲 研究官 藤井 啓造本年度の研究テーマは「システム投資の目的と効果」であるが、現在の経営環境の変化を考える時、上記テーマをストレートに取り上げても環境要因の影響が大きく、結果を判断することは困難である。逆に結果から考えた時、企業経営にとって最も大切なものは何か、今元気な企業は他とどこが違うのか、元気な企業経営行動からその要因となるものを分析すると共に、情報がそのためにどう生かされているか、何にこれから投資すればよいのか考えてみることも重要である。
仮説:情報パワー、ニッチパワー、ヒューマンパワーともに高水準を維持できる企業は生命力のある、たくましい企業である。 |
生命力あふれた企業の行動指針 ・誘導・誘発型トップが存在している。 ・組織が環境変化動向に対して敏感である。 ・環境変化の内容を組織が理解し、行動に迅速に転化している。 ・組織成員のそれぞれが独自の、存在感のある思考力・行動力をもっている。 ・経営資源の中では、技術・ノウハウ・文化・価値共有などの“見えざる資源”が明確に存在している。 ・組織内部に潤沢な経営資源は必ずしもなくてもよい。 ・既存の社会通念や価値観などに重きをおかない。 ・経営戦略を構築する時の制約条件が比較的少ない。 ・ニッチ市場の探索を恒常的に行い、ある程度の成功を収めている。 |