1996年10月:No.1996―9
『利子課税制度の政策的転換と家計の反応』
客員研究官(大阪大学助手) 滋野由紀子
本論文では利子課税対策の転換の課程とそれに対する家計の反応を分析する。
第一に政策決定過程で用いられた公表資料を分析することで、総合課税の原則から20%一律分離課税が導入されたが、実際は累進的で水平的、垂直的公平に反することを明らかにする。
第二に利子課税について増税されなかった65歳以上の家計と増税された家計の貯蓄行動を比較することで、税制改革が家計の行動に影響したことを明らかにする。