アンケート調査に基づく世帯通話支出の分析



             郵政研究所通信経済研究部               実積 寿也 
             郵政研究所客員研究官(広島修道大学経済科学部専任講師) 太田 耕史郎
             郵政研究所通信経済研究部               大石 明夫



[要約]
 米国ではAT&Tの内部補助や分割に対する高い感心を反映して、また関係者によるデータの公表が進んで行われたために、通話需要に関する実証研究が盛んに行われてきた。これに対して、わが国では同様の研究は数例が挙げられるに過ぎず、しかもこの内の大半は入手が相対的に容易な集計データに依拠したものであり、これらは社会的余剰を最大にする最適二部料金の算定や、新規プロジェクトの収支予測に活用することはできるが、データが目的や属性の異なる経済主体の行動を集計して作成されるので、状況(説明変数)の変化が個々の経済主体に及ぼす影響を正確に予測することができない。こうした目的に対しては、アンケート調査で得られたデータに基づいて分析を行う必要がある。本稿では、世帯所得(Inc)、各種通話料金(Pntts,Pprem,Pmob,Pnttl,Pncc)の他に、世帯の人口統計学的特性(ex.Family,Fem20,Relative)、代替・補完関係が予想されるサービスの加入または所有の有無(ex.Net,Mobile)等を説明変数として、近距離通話、NTTを利用した遠距離通話、NCCを利用した遠距離通話の各々の支出関数を推定した。

 近距離通話支出は最小二乗法により分析されたが、推定式の当てはまりはアンケート調査に基づくものとしてはそれ程悪くはなく(Adjusted R2 =0.226)、Inc、Family、Fem20、Self、Mobile、Pager項が通話支出に有意に正の影響を及ぼし、さらに、Inc項の係数、つまり支出に対する所得弾力性が低い(0.259)という結果が得られた。併せて、近距離通話需要の自己料金弾力性は1に近いことを示唆する結果も得られている。次いで、分析を精緻化するために、標本をRelativeとNetの有無を基準に、F検定の結果から2つのグループに分類し、各々の通話支出関数を推定したが、残念ながら標本分類の目的を実現したとは言い難い結果となった。長距離通話支出については、サンプル・セレクションモデルにより事業者選択と支出が同時に分析された。事業者の選択ではPprem項が有意ではなかったが、これは選択が料金格差自体より、それが存在するという情報の有無に拠る所が大きく、共に有意な変数であるNet項やMobile項がこうした情報の有無をある程度示す指標となっていると解釈される。支出についてはNTT利用世帯では、Inc、Fem20、Net、Mobile項が有意に正の影響を及ぼし、NCC利用世帯では、Self項が有意に正、Fem10、Relative、Net、Mobile項が有意に負の影響を及ぼすという結果が得られた。しかしながら、長距離通話の利用に際して、各世帯は事業者と支出の選択に関する意思決定が正反対(有意な説明変数に係る回帰係数の符号が逆)であり、サンプル・セレクションモデルで得られた結果全体の包括的な解釈は非常に難しいと言わざるを得ない。

 最後に、今回の分析は単年度データのみに依存したが、同種のアンケート調査が繰り返し実施されていけば、料金項の影響、そしてそれより近距離通話と長距離通話、NTT長距離通話とNCC長距離通話、さらには既存の電話と携帯電話やページャーの代替・補完関係が明確に把握されることになるかもしれない。こうした情報はそこから事業者の市場支配力を看取し、産業政策に反映させることが可能であり、それゆえ地道な調査と資料の蓄積が是非とも望まれる。

1 はじめに

 米国では80年ごろまでは利益の大きい長距離通話の需要に関して、また同市場で競争が進展し、市内への内部補助が困難となった後は加入と市内通話の需要に関して実証研究が盛んに行われ、その成果はL.Tayior[1994]で包括的にサーベイされている。これに対して、わが国ではデータの公表が遅れたためか、あるいは米国のAT&T分割に相当する改革の先送りが研究者の関心を逸らせたためか、通話需要の研究は星合・上田[1994]、樋口・島根[1996]、松浦・橘木[1991]、三友・[1995]、斯波・中妻[1993]等、数例が挙げられるに過ぎない。この内、大半は入手が相対的に容易な集計データに依拠したものであり、アンケート調査で得られた個別データを利用したものは松浦・橘木[1991]のクロスセクション分析に限られるが、そこでは市場が近距離、長距離等に細分されておらず、また我々が重要と考えるものの幾つかが説明変数から除外されている。集計データから推定される通話需要関数は社会的余剰を最大にする最適二部料金の算定(三友[1995])や、インフラ構築等、新規プロジェクトの収支予測(鬼木[1996]、第3章)に活用することができる。しかし、集計データは属性の異なる世帯間は勿論、通話需要では世帯と企業という全く別個の経済主体の行動までを集計して作成されるので、その平均的な値は如何なる経済主体も適度には近似せず、状況(説明変数)の変化が個々の経済主体に及ぼす影響を正確に予測できない恐れがある。そのため、そうした目的に対しては、Perl and W.Taylor[1991]がAT&Tの分割と普及率の関係についてそうしたように、分割をアンケート調査で得られた個別データに立脚させる必要がある。米国では(市内)通話需要と世帯属性に関して、Brandon(ed)[1981]の次のような調査結果がある。<これはWenders[1987]邦訳p.68で紹介されている。>

@利用度数は年収3万ドル以上の所得に限って高くなっている。総通話時分は1万5千ドルから2万ドルの層が高いが、一度当たり通話時分については有意な所得効果はない。
A市内通話は、世帯当り人数、性別、家族の年齢構成によって強く影響される。10代、特に女性の10代が市内通話に大きな影響を与えている。
 @の通話需要が所得の単純な増加関数でないことは、通話には料金に加えて機会費用が掛かることを考慮に入れれば自然であり(Dunn and Oh[1990])、Aは今や周知の現象である。本稿はアンケート調査に基づく通話需要関数からこうした命題を検証し、また同時に単身赴任やインターネット、自動車・携帯電話の普及といった社会現象の影響を明かにすることを目的とする。

 本稿の構成は次の通りである。まず、今回の分析に使用する世帯データの収集に用いたアンケート手法及びその収集結果の概要について第2節で説明する。読く第3節では本分析の基本的構成について概説し、第4節では、本分析で用いるモデルについて論じる。これらの準備を経た後、第5節では、近距離通話について、全標本、およびある基準で分類された標本グループ別に支出関数の推定を行う。第6節では長距離通話についての支出関数を事業者(NTT,NCC)別に推定されるが、ここではサンプル・セレクションモデル(Sample Selection Modelo;SSM)を適用するために、加入需要も同時に分析対象とする。最後の第7節で全体のまとめを行い、今後の分析について簡単に言及する。

2 今回実施したアンケートの概要及び結果

2ー1 アンケートの概要

 本稿では1997年1月に郵政省郵政研究所が実施した「電話サービスに関するアンケート」からのデータを用いる。このアンケートは関東1都6県(茨城、埼玉、栃木、千葉、東京、神奈川)の世帯(単身世帯を含む)の通話支出を各々の属性と関連付けて調査したものであり、市町村単位で住民基本台帳から多段無作為抽出法により標本を抽出し、また実施に際しては郵送回収調査法が採用された。配付数は6、000世帯、回収数(率)は1、517世帯(23、5%)であった。ただし、以下の分析では、この全サンプルから欠損値または異常値(例えば、基本料金が存在する電話サービスに対して支出額を0円としたサンプル)を除いた1、438サンプルを利用することにする。分析の目的によっては、これら1、438サンプルを細分するこちになる。

2ー2 アンケートの結果

 各電話サービスの支出額グラフ1、2、3の通りであり、そこでは1世帯当りの支払額を横軸、世帯数の割合を縦軸にとっている。また、住宅用電話のみを対象としており、支払額には基本料金が含まれている。

(1)全電話サービス支出額

 全電話サービス支出額とは、NTT,NCCの固定電話サービスと自動車・携帯電話、PHS、ページャーの移動体通信サービスの合計支出額である。サンプルは、1、438世帯で、平均支出額は14、448円、最高は120、000円である。支出額が5、000円超10、000円以下の世帯が最も多く、56、000円以下に約9割の世帯が含まれる(グラフ1)。

(2)対NTT支払額

 サンプルは1、412世帯で、平均支出額は8、338円、最高は120、000である。支出額が5、000円以下の世帯が最も多く、34、000円以下に約9割の世帯が含まれる。

(3)対NCC支払額

 サンプルは621世帯で、平均支出額は2、938円、最高は25、000円である。支出額が5、000円以下の世帯が最も多く、14、000円以下に約9割の世帯が含まれる。NCCについては基本料金がないため通話料のみの支出額となる。標準偏差を平均で除いた変動係数は対NTT支払額と比較して大きくなっている。

(4)対自動車・携帯電話支払額

 サンプルは499世帯で、平均支出額は10、994円、最高は60、000円である。支出額が5、000円超10、000円以下の世帯が最も多く、37、000円以下に約9割の世帯が含まれる。

(5)対PHS支払額

 サンプル頗173世帯で、平均支払額は5、431円、最高は30、000円である。支払額が5、000円以下の世帯が最も多く、56、000円以下に約9割の世帯が含まれる。

(6)対ページャー支払額

 サンプルは195世帯で、平均支払額は3、860円、最高は20、000円である。支払額が5、000円以下の世帯が最も多く、12、000円以下に約9割の世帯が含まれる。なお、ページャーは平成8年4月より従量制が導入されている。

3 分析の基本的構成

 アンケート結果より各世帯の事業者(NTT、NCC)別の通話支出データを利用することができる。ここで、NCCとは日本テレコム(株)、第二電電(株)、テレウェイ(株)の三事業者を指し<アンケートの調査区域である関東地方では地域系NCCの東京通信ネットワーク(株)(TTnet)も電話サービスを提供しているが、世帯への普及はあっても無視できる程度である。>これらは、NTTの市内網を足回り回線として通話サービスを提供している。ただし、近距離では料金がNTTのそれを上回り、またNCCを利用するためにはNTTとは別に契約を結ぶ必要があるため、自質的にNTTの独占が維持されている。本稿ではわが国のこうした市場構造を考慮して、以下のような分析手読を取ることにする。まず、NTTの独占力があるか否かを基準として、加入電話サービスの市場を近距離通話と長距離通話に二分する。具体的には、前者には区域内通話、隣接区域内通話、および20kmまでの区域外通話が含まれ、後者にはそれ以外の通話が含まれる。そして、次の仮定の下でNTTとNCCの両方に加入する世帯(NTT-NCC)の対NTT支払額を近距離通話支出、対NCC支払額を長距離通話支出と看做し、前者を基に当該世帯の近距離通話支出関数を導入する。

仮定1:
NTT-NCC世帯が最低料金回線自動選択(Least Cost Routing;LCR)機能を伴う電話機を利用する場合には事業者別支出と近距離・長距離別支出は正確に一致するが、そうでない場合には事業者の選択は通話が近距離か、長距離かという個人的な判断に依存するので、対応関係は多少は歪むかもしれない。<NCCの利用に関して通話距離が20kmに満たないものの割合は通話回数ベースで0.14%と僅かである>ここではこうした歪みはないものと仮定する。
仮定2:
加入電話から自動車・携帯電話への通話はすべてNTTの回線設備を介して実現されるので、NCCに加入し、かつLCR設備のある世帯でもNTTへの支出額に長距離通話分が含まれることがある。ただし、加入電話からの発信のうち対自動車・携帯電話の割合は3.7%(通話回線ベース)に過ぎないので、こうした歪みはないものとする。
 次いで、NTT-NCC世帯の近距離通話支出の構造(支出関数)はNTTにのみ加入する世帯にも共通であると仮定し、総通話料金支出から世帯の属性を斟酌して近距離通話支出を差し引いて長距離通話支出を求め、これを基に当該世帯の長距離支出関数を導入することにする(図1参照)

4 モデル

4ー1被説明変数

 通常の需要関数は利用量(トラヒック)を被説明変数とするが、本稿では支出額の分析を中心に置く。利用可能なraw data が支出額であり、また利用量を作成するためには支出額を単位料金で割る必要があるが、データが単年度に限定され、また料金に地域的な格差がないために、単位料金は事業者の距離段階別の収入、通信回数、通信時間からで算定せざるをえない(詳しくは、第4ー3節を参照)。それゆえ、この算定方法には本来は説明されるべきものが説明する側に含まれるという矛盾を含む。勿論、料金は支出関数の説明変数にも含められるが、我々はできるだけraw dataを利用するという観点から、敢えて支出関数を推定する。<ただしα=d(P・Q)/dP=Q+P・dQ/dP= Q(1−η)からη=1−α/Qとなるので、支出の価格弾力性αから通常の需要の価格弾力性ηを導き出すことは可能である(所得についても同様)。>また、前述の手続きにしたがって、通話料を対象とした分析については補論で触れる。

4ー2説明変数

 世帯の通話支出に影響を及ぼす変数として、まず世帯所得と通話料金が挙げられる。次に、Brandon(ed.)[1981]で市内通話需要に対する影響が分析された人口統計学的変数として、世帯構成員、そして通話量が相対的に多いと予想される10代女性(Fem10)、20代女性(Fem20)、同男性(Mal20)の有無を示すダミー変数を加える。わが国の「サラリーマン」に見出すことが容易な単身赴任者、あるいは一人暮らしの学生等の別居家族数の有無もダミー変数(Relative)とする。さらに、ここ数年でパソコン通信やインターネット加入が飛躍的に増大しているがこうしたサービスは端末から事業者の接続ポイントまでを電話回線に依存し、その利用には電話と同様に課金されるので、通話支出に直接的な影響を与えるのは勿論、利用者の交友範囲を広めることによる影響も予想される。そこで、ネットワーク加入の効果をそれに対応するダミー変数(Net)で捕捉する。同様に、ここ数年での普及が著しい移動体電話(自動車携帯電話、PHS)やページャーの利用が既存の電話機に与える影響を把握するたに、各々の所有の有無を示すダミー変数(Mobile、Pager)を加える。<近距離・長距離通話支出関数に自動車・携帯電話の有無を示すダミー変数を加えるが、これは、@自動車・携帯電話の購入と通話支出の決定が必ずしも同時ではない、A自動車・携帯電話の所有が通信サービスに対する世帯(構成員)の選好を示すものとして解釈できるかもしれない、ことを理由にし、その有意性が検証されることになる。ところで、自動車・携帯電話についての支出関数を推定する場合、その加入率が100%を大幅に下回るので、推定には後述SSMが利用されることになる。しかしながら、SSMの第一式は加入に関するものであり、これは近距離・長距離通話支出関数では他のすべての説明変数と独立(無関係)であると仮定されているので、モデル・ビルディングが困難となる。加入と支出の意思決定の構造が全く異なるものであれば、第2式の支出関数の推定は可能となるが、望ましい結論を得ることはできない。また、自動車・携帯電話の昨今の急速な普及を鑑みると(別添グラフ参照)、その加入や支出は料金、世帯属性よりも、時間の関数として成長曲線にあてはめて説明する方が適切であると思われる。このため、本稿では自動車・携帯電話の分析は行わない。>最後に、自営業か否かを示すダミー変数(Self)を加える。さらに、分析対象を20q以内の近距離通話(NTTS)と20q以遠のNTTを利用した遠距離通話(NTTL)、同じくNCCを利用した遠距離通話(NCC)に三分割し、各々の通話支出関数を推定する。それゆえ、通話料金には近距離、NTT長距離、NCC長距離、そして前述の移動体電話の各々の料金指数(Pntts,Pnttl,Pncc,Pnob)、またはPprem[=Pnttl-Pncc}が挿入される。我が国の幾つかの研究事例(例えば、樋口・島根[1996]、三友[1995])では、異なる距離帯の通話を一括して1つの通話需要関数を推定し、また距離を説明変数に含めて、その影響を所得や料金とは独立であると仮定しているが、Taylor[1980]では距離に応じて通話需要の価格弾力性や所得弾力性が変化することが示されている。

4ー3 料金指数
<本稿では、電気通信事業報告規則に基ずく平成7年度トラヒックデータおよび各事業者の料金表を用いて料金表を用いて料金指数を算定する。>

4ー3ー1 加入電話の通話料金指数

 加入電話からの発信は着信の形態により、@加入→加入、A加入→携帯、B加入→PHSに大別され、通話料金は距離、時間が同じでもこの形態毎に異なる。しかし、A、Bのトラヒック量は非常に小さいので、ここでは@のみを対象とする。近距離、長距離の各々の通話料金指数は、各MAを算出単位として次のように作成される。<厳密には料金は昼間・夜間・深夜、及び平日・休日で異なる。また現実には、1回3分のMA内通話は10円であるが、3回、各1分の通話では計30円課金される。>従って説明変数中の料金指数については各世帯の所属するMA毎に同一の値を取る。

(1)近距離通話料金指数

 NTTの平日昼間の距離段階別料金にそれが適用されるトラヒック量を加重したものを近距離通話料金(Pntts)とする。

(2)長距離通話料金指数(事業者別)

 長距離通話市場にはNTT,NCCという複数の事業者が存在するため、事業者毎の距離段階別料金にそれに対応する全事業者の距離別トラヒックの合計を加重したものを各々の長距離通話料金(Pnttl,Pncc)とする。ただし、加重が同一であるので、この両者の間には当然ながら高い相関関係が生じる。そこで、これらの長距離通話料金を説明変数として同時に導入する代わりに第5節の近距離通話支出関数の導入に際してはPnttlを、第6節の加入需要関数の推定に際しては、PnttlとPnccの両者の差額であるPpremを説明変数に加えることにする。

4ー3ー2 携帯電話の通話料金指数

 携帯電話からの発信も、C携帯→携帯、D携帯→加入、E携帯→PHSに大別できるがEはサービスの開始(96年9月)から間もないために対象から除外する。料金指標の作成方法は加入電話とほぼ同じであるが、ここではアナログ、800Mデジタル、1・5Gデジタルという契約種類の違いも考慮にいれる必要がある。Cでは通話料金は距離に依存しないので、各事業者の方式別料金にこれが適当されるトラヒック量を加重し、ついで事業者別トラヒック量で加重する。Dでは、通話料金は営業区域内、営業区域隣接県、その他で異なるので、各事業者の区域別、方式別料金にそれに対応するトラヒックを加重し、次いで事業者別トラヒック量で加重する。最後に、C、Dの料金指数を両者のトラヒックで加重したものを携帯電話の料金指数(Pmob)とする。

5 近距離通話支出

5ー1 全標本

 NTT-NCC世帯のNTT支払額を20q圏内の近距離通話支出と判断し、これを被説明変数に、関数を両対数線形に特定化して、最小二乗推定を行うことにする。<分散均一性の仮定を満たすため、Whiteの一致性のある分散の推定を行った。誤差項の分散が不均一である場合、推定量は不偏であるが、有効性がなく、またこれは有意性の検定を誤らせることにもなる。これについては、Maddala[1992],ch4で詳しく扱われている。>ただしiNTTSはNTTとNCCの双方に加入する世帯iがNTTに対して支出した金額を示す。

 推定結果は表1で示される。推定式の決定係数(Adjusted R2)は0・226であり、アンケート調査に基づく分析としてはそれ程悪いものではない。またInc項が5%の有意水準で、正となり、その係数、つまり支出に対する所得弾力性は0・259と低い。その他にはFamily項とFem20、Self、Mobile、Pagerの各ダミー項が有意に正であるという特徴が見られる。Fem10項が有意でないことも合わせて、この結果は第1節で触れた米国の世帯通話特性とわが国のそれの相違を示すものである。Pager項が正であるのはそれが呼び出し専用であるためであるが、Mobile項も正であることを考えると、これらは通話サービスに対する選好の指標を示すものとして解釈できるかもしれない。Self項については、自営業者の回答に業務用と私的な利用が混在した可能性が伺われる。Pntts項とPnttl項はいずれも有意ではないが、通話支出が通話料と通話料金の積であることから、これは需要の自己料金弾力性が1に近いことを示唆する(実際、補論で示される近距離通話需要の自己料金弾力性は0・845である。)<通話需要の多くが派生的だあるという見解を受け入れるならば(三友[1995],p.1)、この料金弾力性の高さは、近距離通話が本源的の移動または情報伝達需要を充足する他のサービスと代替的であることを意味するかもしれない。)

表1 近距離通話支出関数(全標本)の推定結果

説明変数
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NTT長距離料金(inPnttli)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Neti)
ネットワークダミー(Relativei)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  0.258590
  0.147529
  
  
  
  
  
  0.115053
  
  
  
  0.276296
  0.258170
  0.284840
  5.71183**
  2.38366**
  
  
  
  
  
  2.20939**
  
  
  
  3.36529**
  5.44290**
  3.95782**
自由度修正済み決定係数
  0.225784
          
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

5ー2 標本分類

 5ー1の分析をより精緻化するために、全標本である属性の基つずいて分類し、グループ毎に通話支出関数を推定することにする。グループの類似性はF検定により検証されるが<F検定についての詳しい解説はPindyck&Rubinfeld[1981]に見ることができる。>、複数の基準で標本分類する場合、あるグループに推定に必要な標本数が含まれないことがあり、またF検定により例えばグループAとB、BとCの間に有意な相違がない場合でも、CとAが有意に異なるという非推移的な関係が成立する可能性もある。全標本での推定で有意性のある変数を用いて標本分類を行う場合には、推定結果が却って悪化することも有り得る。そこで、ここではRelative項とNet項の2つを分類の基準とする。この場合、全標本は最大4(=22)通りに分類され得るが、ここではF検定の結果により標本を次の2グループに分類する。ただし、要素は前述の順であり、0は無、1は有を示す。

グループ1:{0,0}、{0,1}、{1,1}
グループ2:{1,0}
 グループ毎の推定結果は表2で示される。分類前と比較して、グループ1では推定式の当てはまりは若干向上しているが(Adjusted R2)=0、247)、グループ2では反対に低下している(Aadjusted R2)=0,208)。また、5ー1の結果と比較すると、Fem20項が両グループで、Family項がグループ1で、さらに、Inc、Self、Mobile項がグループ2で有意性を喪失し、他方でグループ1ではPmob項が、グループ2ではMal10が有意に負となった。残念ながら、標本分類は分析の精緻化を実現したとは言い難い結果である。

表2 近距離通話支出関数(グループ別)の推定結果

説明変数
グループ1
グループ2
回帰係数
t値
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NTT長距離料金(inPnttli)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  0.302441
  
  
  
 -4.80400
  
  
  
  0.125421
  0.281948
  0.288916
  0.249549
  6.34285**
  
  
  
 -2.11409**
  
  
  
  2.26842**
  3.19681**
  5.61562**
  3.39717**
  
  0.450106
  
  
  
  
 -0.503011
  
  
  
  
  0.557814
  
  2.51169**
  
  
  
  
 -2.62060**
  
  
  
  
  3.52297**
自由度修正済み決定係数
  0.247249
          
  0.208079
          
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

6 長距離通話支出

 前節での近距離通話支出に続いて、本節では長距離通話支出を分析する。近距離通話サービスについては、それが実質的にNTTの独占であり、またほぼすべての世帯がこのサービスを利用するので、最小二乗法が適用された。しかし、長距離にはNTTとNCCの複数の事業者が存在し、世帯はその中から1つの事業者を選択する。それゆえ、ある特定の事業者に対する通話支出を分析する場合、支出がゼロとなる世帯が発生するが、これらを標本から除外すると、最小二乗推定量は不偏性を失う。そこで、NTT、NCCの長距離通話支出については、SSMを適用することにする。

  SSMは次式のように定式化される。

 ここでは、yi1は加入需要関数、又は事業者選択関数、yi2が通話支出関数である。ただし、yi1については、片対数形に、yi2については、近距離通話支出についてのケースと同じく、両対数形に関数を特定している。また、xi1、xi2はベクトルで、

であり、xi2の成分にはNTT長距離ではPpremiに代わりにPnttsiとPnttliが、またNCC長距離では、同じくPnttsiとPncciが加えられる。そして、(2)式から対数尤度関数(lnL)を作成し、最尤推定量を求めることになる。<誤差項(ui1ui2)の分布など、SSMについての詳しい解説には和合・伴[1995]版に見ることができる。ただし、Maddala[1992]が指摘するトービット・モデルの限界、つまり、本モデルは観測地のゼロが負の値が観測できないためにそうなる場合にのみ妥当する、ということはSSMにも共通する。もしそれが何らかの意思決定の結果である場合は、「ゼロの観測を生ずるような決定をモデル化することが正しい方法」(Maddala[1992],邦訳p.251)となる。ゼロの通話支出は明らかに後者の事例であり、その意味ではモデルを改良する余地が残されているかもしれない>

 NTTとNCCに対する通話支出関数の推定結果はそれぞれ表3、表4で示される。β1は事業者の選択に関する諸変数の効果を示すので、基本的には両者は係数の符号を異にするのみである筈だが、SSMではβ2との同時推定になるため、有意となる説明変数の種類及びそれに係る回帰係数の絶対値が若干異なっている。まず、NCCの選択については5%の有意水準で、Relative、Net、Mobile項が正、Self項の有意性が棄却されるが、変わりにPmobが有意に正となっている。Pprem項はともに有意ではないが、Pprem>0であり、またNCCは加入料、基本料を微収しないので、世帯が合理的で、完全情報を有していれば、必ずNCCに加入することになる。それゆえ、これは選択が料金格差の存在自体又はその水準より、それが存在するという情報の有無に拠る所が大きく、Net項やMobile項がこうした情報の有無をある程度示す指標となっていると解釈できるかもしれない。

 次に支出であるが、NTTの利用ではInc、Relative、Net、Mobile項が5%の有意水準で、Fem20項が10%の有意水準で、それぞれ正である。これに対してNCCの利用では5%の有意水準で、Fem10、Relative、Net、Mobil項が負、Self項が正となる。近距離通話支出と違いFem20項がNCCで有意でないのは、そこでは20代女性の通話が近距離に集中することを理由にするかもしれない。しかしながら、長距離通話の利用に際して、各世帯は事業者と支出の選択に関する意思決定が正反対(有意な説明変数に係る回帰係数の符号が逆)であり、サンプル・セレクションモデルで得られた加入需要と支出需要の結果全体の包括的な解釈は非常に難しいと言わざるをえない。

表3 長距離通話支出関数(NTT)の推定結果

説明変数
加入
支出額
回帰係数
t値
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTTプレミアム(inPpremi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NTT長距離料金(inPnttli)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Relativei)
ネットワークダミー(Neti)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  
  
  
  
  
  8.63051
  
  
  
  
 -0.402615
 -0.306161
  
 -0.309522
  
  
  
  
  
  
  2.51786**
  
  
  
  
 -3.96421**
 -3.22977**
  
 -3.72742**
  
  0.435700
  
  
  
  
  
  
  
  0.295376
  
  0.959171
  0.456606
  
  0.510067
  
  3.09480**
  
  
  
  
  
  
  
  1.65936*
  
  4.73466**
  2.47664**
  
  3.16857**
  
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

表4 長距離通話支出関数(NCC)の推定結果

説明変数
加入
支出額
回帰係数
t値
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTTプレミアム(inPpremi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NCC長距離料金(inPncci)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Relativei)
ネットワークダミー(Neti)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  0.266956
  0.311028
 -0.195715
  0.213786
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  3.02715**
  3.62426**
 -2.07537**
  3.02995
  
  
  
  
  
  
  
 -0.678187
  
  
  
 -0.685602
 -0.908003
  0.709470
 -0.742718
  
  
  
  
  
  
  
 -1.70308*
  
  
  
 -2.03087**
 -2.77379**
  1.97066
 -2.83183**
  
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

7 おわりに

 本稿では世帯所得、各種通話料金の他に、世帯の人口統計学的特性、代替・補完関係が予想されるサービスの加入または所得の有無などを説明変数として近距離通話、NTTを利用した遠距離電話、NCCを利用した遠距離通話の各々の通話支出関数を推定した。近距離通話支出は最小二乗法により分析されたが、推定式の当てはまりはアンケート調査に基づくものとしてはそれほど悪くはなく、また所得、家族構成員、20代女性、自営業ダミー、移動通信ダミー、ぺージャーダミーが通話支出に有意に正の影響を及ぼすという結果は直感と違わないものである。長距離通話支出については、SSMにより事業者選択と支出が同時に分析された。その結果、全体的な推定結果は必ずしも解釈の容易なものではなかった。これはNTTとNCCの料金体系から判断して、世帯の消費行動が必ずしも経済的な要因だけでは説明できないことを示しているのかもしれない。

 最後に、今後の分析について触れておこう。今回の分析は単年度データのみに依存したが、同種のアンケート調査が繰り返し実施され、時系列データの利用が可能になり、またその過程で通話料金が変更すれば、今回の分析ではすべての推定式で有意性を欠いた料金項の影響がより明確に把握されることになるかもしれない。<ただし、この場合、NCCの通話料金がNTTのそれより安価となると距離帯が変化し、市場の分類が今回のものと変わることも十分に予想される。もしそうなれば、時系列データを有効に活用する手法を別途考案する必要がある。>(今回は料金一定であるので、各市場の料金指数は、各料金帯の料金の通話料による加重平均とされ、それゆえ各世帯の通話交流圏と課金の基礎となるMAとの対応関係に応じて地域毎に料金格差が作り出された。(時系列データが完備しても、本稿で分類した各市場には複数の料金帯が含まれるので、やはりるいるk何らかの料金指数を作成する必要がある。>ただし、たとえば、東京都の武蔵野市は特別区に隣接し、密接な関係にあるが、MA内通話よりも高額になるという現状を認識すれば、こうした料金の作成にも論拠がない訳ではない)。その場合、近距離通話と長距離通話、NTT長距離通話とNCC長距離通話、さらには既存の電話と携帯電話やページャーの代替・補完関係も明確にされる。こうした情報は各電機通信事業者の料金設定や販売促進にかかわる経営戦略に留まらず、料金弾力性から事業者の市場支配力を看取し、それを市場構造の在り方の検討に役立てることも可能である。それゆえ、地道な調査と資料の蓄積が是非とも望まれる。




補論 需要関数に関する推計結果

 支出額を単位料金で除することで通話量を算出して、需要関数の推定を行った結果を以下に示す。

補表1 近距離通話需要関数の推定結果

説明変数
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NTT長距離料金(inPnttli)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Neti)
ネットワークダミー(Relativei)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  0.366911
  0.221030
 -0.844735
  
  
  
  
  0.180798
  
  
  0.126206
  0.396256
  0.403868
  0.393127
  5.58072**
  2.37631**
 -2.47194**
  
  
  
  
  2.42149**
  
  
  1.64859*
  3.54145**
  5.45890**
  4.22340**
自由度修正済み決定係数
  0.209154
          
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

補表2 長距離通話需要関数(NTT)の推定結果

説明変数
加入
支出額
回帰係数
t値
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTTプレミアム(inPpremi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NTT長距離料金(inPnttli)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Relativei)
ネットワークダミー(Neti)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  
  
  
  
  
  8.57174
  
  
  
  
 -0.402415
 -0.306535
  
 -0.308679
  
  
  
  
  
  
  2.49748**
  
  
  
  
 -3.96416**
 -3.23430**
  
 -3.72234**
  
  0.437653
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  0.944601
  0.445286
  
  0.499285
  
  3.16563
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  4.71424
  2.44820
  
  3.15001
  
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

補表3 長距離通話需要関数(NCC)の推定結果

説明変数
加入
支出額
回帰係数
t値
回帰係数
t値
所得(inInci)
家族構成員数(inFamilyi)
NTTプレミアム(inPpremi)
NTT近距離料金(inPnttsi)
NCC長距離料金(inPncci)
自動車・携帯電話料金(inPmobi)
10代女性数(Fem10i)
10代男性数(Mal10i)
20代女性数(Fem20i)
20代男性数(Mal20i)
遠隔地ダミー(Relativei)
ネットワークダミー(Neti)
自営業ダミー(Selfi)
移動体通信ダミー(Mobilei)
ページャーダミー(Pageri)
  
  
  
  
  
 -5.80523
  
  
  
  
  0.302118
  0.342785
 -0.201401
  0.236925
  
  
  
  
  
  
 -1.90802
  
  
  
  
  3.40669**
  4.03830**
 -2.12547**
  3.36525**
  
  0.342467
  
  
  
 -1.58581
  
  
  
  
  
  
 -0.621035
  0.470564
 -0.487715
  
  1.88377**
  
  
  
 -1.95228*
  
  
  
  
  
  
 -2.73957**
  1.86421*
 -2.64523**
  
*ただし、有意水準5%で帰無仮説が棄却できたものを**、有意水準10%で棄却できたものを*で示した。

 ここで提示した需要関数と本論で示した支出関数の双方を併せて解釈可能であると仮定した場合、以下に示すような結論を導くことができよう。

補表4 環境変化による近距離通話への影響

要因
推定された結果
論理的帰結
所得の増加
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
家族構成員数の増加
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
20代女性数の増加
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
自営業を営む世帯の増加
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
自動車・携帯電話、PHSの普及
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
ページャーの普及
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。

補表5 環境変化による遠距離通話(NTT)への影響

要因
推定された結果
論理的帰結
所得の増加
支出の増加幅<通話量の増加幅
近距離・低料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
単身赴任世帯等の増加
支出の増加幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話が中心となって、
通話利用が増大する。
パソコンネットワーク普及の拡大
支出の増加幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話が中心となって、
通話利用が増大する。
自動車・携帯電話、PHSの普及
支出の増加幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話が中心となって、
通話利用が増大する。

補表6 環境変化による遠距離通話(NCC)への影響

要因
推定された結果
論理的帰結
パソコンネットワーク普及の拡大
支出の減少幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話が中心となって、
通話利用が減少する。
自営業を営む世帯の増加
支出の増加幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話を中心として、
通話利用が増大する。
自動車・携帯電話、PHSの普及
支出の減少幅>通話量の増加幅
遠距離・高料金の通話が中心となって、
通話利用が減少する。

参考文献