貯蓄動機・遺産動機の日米比較

　

　

チャールズ・ユウジ・ホリオカ

大阪大学社会経済研究所教授

郵政省郵政研究所特別研究官

　

藤崎秀樹

郵政省郵政研究所研究官

　

渡部和孝

前郵政省郵政研究所研究官

（現在、郵政省大臣官房人事部人材開発課（米国プリンストン大学留学中））

　

石橋尚平

郵政省郵政研究所研究官

　

　

1998年3月

　

　

　

要旨

本稿は、郵政省郵政研究所が1996年に実施した「貯蓄に関する日米比較調査」からの個票データを用いて貯蓄動機・遺産動機の日米比較を行ない、両国においてどの家計行動のモデルが該当するかを明らかにしようとしている。結果は必ずしも互いに整合的ではないが、大部分の結果は、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが両国において支配的であるものの、日本の場合のほうがこのモデルの適用度がはるかに高く、逆にアメリカの場合のほうが利他主義モデルの適用度がはるかに高いということを示唆する。また、王朝モデルは、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが適用度が高いものの、日本の場合でさえも、このモデルの適用度はそれほど高くないようである。

本稿は、チャールズ・ユウジ・ホリオカ、浜田浩児編著、『日米家計の貯蓄行動』（郵政研究所研究叢書）（日本評論社、1998年）に収録される予定である。

　

はじめに

日本の家計貯蓄率はアメリカのそれの２～３倍にも上り、日本人とアメリカ人の貯蓄行動がかなり異なるかのように見える。したがって、日本人とアメリカ人が同じ家計行動のモデルに従って行動しているか否かについて吟味することには大きな意義がある。本稿の狙いは、郵政省郵政研究所が 1996 年に実施した「貯蓄に関する日米比較調査」からの個票データを用いて、貯蓄動機・遺産動機の日米比較を行ない、そうすることによって同じ家計行動のモデルが両国において該当するか否かを明らかにすることである。

各家計行動のモデルの適用度について吟味している先行研究はいくつかある。たとえば、Bernheim, Shleifer, and Summers (1985)、Cox (1987)、Hurd (1987)、Altonji, Hayashi, and Kotlikoff (1989) などはアメリカについて、Ohtake (1991)、大竹・ホリオカ (1994)、Hayashi (1995) などは日本についてこのような検証を行なっている（日本に関する文献のサーベイについては、Horioka (1993) 参照）。しかし、これらの研究は特定の国を対象としており、人々の行動から人々の意識を推論しようとしている。本稿は二つの意味でユニークである。第一に、世界の二大経済大国であるアメリカおよび日本における各家計行動のモデルの適用度について同時に吟味しており、第二に、回答者の意識に関する直接的な情報を用いている。

本稿の構成は以下のとおりである。第１節では、各家計行動の理論モデルについて概観し、それぞれのモデルの貯蓄動機、遺産動機および遺産の分配方法に対するインプリケーションを示す。第２節では、本稿で用いたデータについて述べ、第３節では、貯蓄目的、第４節では、老後の生活の収入源、第５節では、遺産の重要性、遺産動機および遺産の分配方法の日米比較を行なう。最後に、「まとめ」では結論を述べる。

本稿の主な結論のみを先に述べると、日米の貯蓄動機・遺産動機から判断する限り、アメリカにおいても、日本においても、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが支配的であるものの、日本の場合のほうがこのモデルの適用度がはるかに高く、逆にアメリカの場合のほうが利他主義モデルの適用度がはるかに高い。また、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが王朝モデルの適用度が相対的に高いものの、日本の場合でさえも、このモデルの適用度はそれほど高くはない。

　

第１節：理論的考察

　

本節では、各家計行動の理論モデルについて概観し、これらのモデルが貯蓄動機、遺産動機および遺産の分配方法について異なったインプリケーションを持つことを示す（詳細については、ホリオカ (1996) 参照）。

家計行動をとらえようとする理論モデルは少なくとも三つある。

（１）ライフ・サイクル・モデル (life cycle model)。Modigliani and Brumberg (1954) などが提唱したライフ・サイクル・モデルには遺産動機が含まれているが、もっとも単純なライフ・サイクル・モデルは、人々が利己的であり、遺産動機がまったくないと仮定している。したがって、単純なライフ・サイクル・モデルが成り立っていれば、人々は遺産をまったく残さないか、死期の不確実性から生じる意図せざる遺産（つまり、予想以上に早く亡くなったときに残る遺産）のみを残すか、利己的な遺産動機 （たとえば、老後の面倒をみてもらった見返りとして遺産を残すBernheim, Shleifer, and Summers (1985) 流の「戦略的遺産動機」または老後の生活費に対する援助の見返りとして遺産を残す Kotlikoff and Spivak (1981) 流の「家族内の暗黙的年金契約」）から生じる遺産のみを残すはずであり、主に老後目的やそれ以外のライフ・サイクル目的のために貯蓄をしているはずである。また、遺産の分配方法についていえば、老後の面倒をみてくれた子供または老後の生活費に対する援助をしてくれた子供にすべての財産を残すはずである。

（２）利他主義モデル (altruism model)。Barro (1974) および Becker (1974, 1981) が提唱した利他主義モデルによれば、人々は自分の子供に対して（世代間の）利他主義（愛情）を抱いており、その世代間の利他主義から子供に遺産を残す。したがって、利他主義モデルが成り立っていれば、人々は遺産を残すはずであり、遺産を残すための貯蓄をしているはずである。また、遺産の分配方法についていえば、遺産を均等に分けるか、所得獲得能力の少ない子供、病弱な子供により多く残すはずである。

（３）王朝モデル (dynasty model)。王朝モデルによれば、人々は家または家業の存続を望んでおり、その目的を達成するために遺産を残す。したがって、王朝モデルが成り立っていれば、人々は遺産を残すはずであり、遺産を残すための貯蓄をしているはずである。また、遺産の分配方法についていえば、家または家業を継いでくれた子供にすべての財産を残すはずである。

したがって、それぞれの家計行動のモデルは、貯蓄動機、遺産動機および遺産の分配方法について異なったインプリケーションを持っており、アメリカ人および日本人の貯蓄動機、遺産動機および遺産の分配方法についてみることによって、それぞれの国においてどの家計行動のモデルが該当するかがわかる。

Barro (1974)、Becker (1974, 1981)、Weil (1989) などが指摘しているとおり、各家計行動のモデルは相反する政策的インプリケーションを持つ。たとえば、ライフ・サイクル・モデルまたは王朝モデルが成り立っていれば、減税政策は景気刺激策として有効なはずであるのに対し、利他主義モデルが成り立っていれば、減税政策はまったく無効なはずである。また、ライフ・サイクル・モデルおよび王朝モデルが成り立っていれば、賦課方式の公的年金は民間貯蓄を減少させるはずであるのに対し、利他主義モデルが成り立っていれば、賦課方式の公的年金は民間貯蓄にいっさい影響を及ぼさないはずである。したがって、経済学者のみならず、政策担当者もわれわれの分析に興味を持つべきである。

　

第２節：「貯蓄に関する日米比較調査」について

　

本節では、本稿で用いたデータについて述べる。本稿で用いたのは、郵政省郵政研究所が1996年に実施した「貯蓄に関する日米比較調査」（以下、「日米調査」と略す）からの個票データである。この調査はほぼ同時期にアメリカおよび日本で実施され、両国でまったく同じ調査票が用いられた。しかも、調査項目は多岐にわたり、人々の貯蓄、遺産などに関する行動および意識について調査している。したがって、いくつかの意味でたいへんユニークな調査である。両国とも、標本世帯数は約2,000世帯であり、調査対象は世帯主が20歳以上の世帯（単身世帯を含む）であった。

アメリカの調査は National Family Opinion という民間の調査会社に委託され、1996年２月９日と３月６日の間に実施された。調査地域は、アラスカとハワイを除く全米48州およびワシントンD.C.の都市であり、2200の標本世帯は、上述の調査会社の National Household Panel と題する既存のパネルにすでに参加している４万世帯のなかから全人口を代表するサンプルになるよう抽出された。調査方法は郵送法であり、催促は１回行なわれた。1508 サンプルが回収され、回収率は 68.5% であった。

日本の調査は社団法人日本リサーチ総合研究所に委託され、1996年１月31日から２月16日の間に実施された。調査地域は、全国の人口100万人以上の大都市３都市、人口50万人から60万人の中都市５都市、人口20万人以下の小都市４都市であり、1800 の標本世帯は、これらの都市から層化多段無作為抽出法によって抽出された。調査方法は訪問留置、訪問回収法であった。1243 サンプルが回収され、回収率は 69.1% であった。

　

第３節：貯蓄目的の日米比較

　

本節では、「日米調査」からの貯蓄目的に関するデータを紹介する。具体的には、アメリカおよび日本について、13の目的のための純貯蓄を推計し、各目的のための貯蓄が家計貯蓄の総額にどれだけ貢献しているかを示す（ホリオカ・横田・宮地・春日 (1996)、Horioka and Watanabe (1997) およびホリオカ・渡部 (1998) は日本について似たような分析を行なっている）。

　

　１．理論的考察

計算方法および推計結果を紹介するに先立ち、理論的考察を行なう。

各目的のための貯蓄を推計する際に注意しなければならいことは、どの時点をとっても、その時点においては、ある目的のために貯蓄をしている人もいれば、その同じ目的のために貯蓄を取り崩している人もいるということである。たとえば、老後目的についていえば、どの時点をとっても、その時点においては、若い（退職前の）人々は老後目的のために貯蓄をしているが、高齢（退職後）の人々は老後目的のために貯蓄を取り崩している。家計貯蓄の総額に貢献するのは、各目的のために貯蓄をしている人々のその目的のための貯蓄（以下、「粗貯蓄」と呼ぶ）からその目的のために貯蓄を取り崩している人々のその目的のための貯蓄の取り崩しを差し引いた後に残るいわゆる「純貯蓄」である。各目的のための純貯蓄は正、ゼロまたは負になる可能性があり、各目的のための純貯蓄の符号および規模はその目的のための粗貯蓄とその同じ目的のための貯蓄の取り崩しの相対的規模による。したがって、ある目的のための粗貯蓄がどれだけ大きくても、その目的のための純貯蓄が大きくなるとは限らない。

人口および生産性が一定であり、相対価格も一定である定常状態にある経済の場合は、各目的のための粗貯蓄はその同じ目的のための貯蓄の取り崩しによってちょうど相殺され、その目的のための粗貯蓄がどれだけ大きくても、その目的のための純貯蓄はちょうどゼロとなる。一方、（もしすべての貯蓄が金融資産の積み増しの形で行なわれると仮定すれば）人口または生産性が上昇（下降）している経済の場合は、各目的のための粗貯蓄がその同じ目的のための貯蓄の取り崩しを上回り（下回り）、その目的のための純貯蓄は正（負）となる。同様に、ある目的の相対価格が上昇（下降）していれば、その目的のための粗貯蓄がその同じ目的のための貯蓄の取り崩しを上回り（下回り）、その目的のための純貯蓄は正（負）となる。

ある目的のための粗貯蓄および貯蓄の取り崩しはいくつかの構成要因からなる。たとえば、ある目的のための粗貯蓄は、（１）その目的を将来実現する予定の人々のその目的のための金融資産の積み増しおよび（２）その目的を過去において実現した人々のその目的のための借入返済（元本返済分のみ）からなる。 同様に、ある目的のための貯蓄の取り崩しは、その目的を今期において実現した人々の（１）その目的のための金融資産の引き出しおよび（２）その目的のための新規借入からなる。また、住宅、耐久消費財、設備などのような減価する固定資産の購入自体が貯蓄であるため、このような資産の購入を伴う目的の場合は、購入時に起きるその目的のための金融資産の引き出しおよび新規借入の形の貯蓄の取り崩しは、その同じ目的のための固定資産の購入の形の粗貯蓄によってちょうど相殺される。しかし、過去においてその目的を実現した人々の固定資産に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩しがあり、定常状態にある経済の場合は、固定資産の購入を伴う目的の場合でも、他の目的の場合と同様、その目的のための粗貯蓄がその目的のための貯蓄の取り崩しによってちょうど相殺され、その目的のための純貯蓄がちょうどゼロとなる。

　

２．計算方法

つぎに、計算方法について述べる。幸い、「日米調査」では、以下の 13 の貯蓄目的のための粗貯蓄および貯蓄の取り崩しの各構成要因について直接聞いている、またはそれを推計するために必要な情報を得ている。

　

（１）「老後の生活に備えるため」（以下、「老後目的」と略す）

（２）「生活の足しに」（以下、「生活費目的」と略す）

（３）「病気、災害、その他の不時の出費に」（以下、「病気目的」と略す）

（４）「子供の教育費に」（以下、「教育目的」と略す）

（５）「子供の結婚資金に」（以下、「結婚目的」と略す）

（６）「マイホーム（含む土地）の取得（建替、買換を含む）」（以下、「住宅目的」と略す）

（７）「耐久消費財の購入資金のため」（以下、「耐久消費財目的」と略す）

（８）「レジャー資金に」（以下、「レジャー目的」と略す）

（９）「納税資金に」（以下、「納税目的」と略す）

（10）「独立自営のための資金に」（以下、「自営目的」と略す）

（11）「とくに目的はないが貯蓄をしていれば、安心だから」（以下、「安心目的」と略す）

（12）「遺産として残すため」（以下、「遺産目的」と略す）

（13）「その他」

　

　同調査では、各目的のための金融資産の積み増し・引き出し、借入返済、新規借入については直接聞いている。ただし、両国とも、老後目的、納税目的、自営目的、安心目的、遺産目的のための借入返済および新規借入については聞いておらず、日本の場合のみ、生活費目的のための金融資産の積み増し、老後目的、安心目的のための金融資産の引き出しについては聞いていない。59歳以下の回答者の場合は、生活費目的のための金融資産の引き出しは安心目的のためであると仮定し、60歳以上の回答者の場合は、生活費目的のための金融資産の引き出しは老後目的のためであると仮定した。また、回答者の年齢を問わず、生活費目的のための借入返済および新規借入は安心目的のためであると仮定した。

「日米調査」では、残念ながら、各目的のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしている回答者の割合、各目的のために借入返済の形の粗貯蓄をしている回答者の割合、各目的のために金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しをしている回答者の割合、各目的のために新規借入の形の貯蓄の取り崩しをしている回答者の割合を正確に推計することができない。なぜならば、これらの質問では、「該当しない」と「無回答」が区別できないからである。そのため、ある目的のための金融資産があるが、過去１年間の間にその目的のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしたか否かについて回答しなかった回答者は全員、その目的のためにその形の貯蓄をしたと仮定した。同様に、ある目的のための借入があるが、過去１年間の間にその目的のために借入返済の形の粗貯蓄をしたか否かについて回答しなかった回答者は全員、その目的のためにその形の粗貯蓄をしたと仮定した。

それに対し、ある目的のための金融資産があるが、過去１年間の間にその目的のために金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しをしたか否かについて回答しなかった回答者は全員、その目的のためにその形の貯蓄の取り崩しをしなかったと仮定した。同様に、ある目的のための借入があるが、過去１年間の間にその目的のために新規借入の形の貯蓄の取り崩しをしたか否かについて回答しなかった回答者は全員、その目的のためにその形の貯蓄の取り崩しをしなかったと仮定した。

なぜこのような仮定を置いたかというと、ある目的のための金融資産を持っている回答者は、その目的のために金融資産の積み増しを継続的に行なっている可能性が高く、金融資産の積み増しの有無について回答しなかった場合でもその可能性は高い。同様に、ある目的のための借入のある回答者は、その目的のための借入返済を継続的に行なっている可能性が高く、借入返済の有無について回答しなかった場合でもその可能性は高い。それに対し、ある目的を実現するための金融資産の引き出しまたは新規借入は多くの場合１回限りの行動であり、多額である場合が多く、記入漏れは比較的少ないと考えられる。

つぎに、異常値の処理について説明する。住宅目的などを実現する場合は、多額の金融資産の引き出しおよび新規借入をすることが普通であり、各目的のための金融資産の引き出しまたは新規借入の金額が大きくてもおかしくはないが、各目的のための金融資産の積み増しまたは借入返済は、その年の所得から行ない、多額になる可能性は低い。したがって、各目的のための金融資産の積み増しまたは借入返済の場合にのみ、平均額を計算する際に異常値と思われる値を除外した。

「日米調査」では、持ち家住宅に対する減価償却については、直接聞いていないが、持ち家住宅（建物のみ）の評価額（時価）については調査しており、償却率さえわかれば推計可能である。アメリカおよび日本の最新の住宅調査（アメリカの場合は 1993年の American Housing Survey、日本の場合は、1993年の「住宅統計調査」）によると、両国における持ち家住宅の平均築年数（メデイアン）はそれぞれ 27年および 17年であり、両国における持ち家住宅の耐用年数が平均築年数の２倍であると仮定すれば、それぞれ 54年および 34年であるということになる。また、減価償却が定率法に従い、耐用年数が過ぎるまでに時価評価額の90% が償却されると仮定すれば、これらの耐用年数に対応する償却率はそれぞれ 4.1744% および 6.5481% である。持ち家住宅に対する減価償却は、持ち家住宅（建物のみ）の評価額（時価）と償却率の積として算出した。残念ながら、「日米調査」では耐久消費財および自営業者の設備に対する減価償却を推計するために必要な情報は得られていないため、これらの財に対する減価償却は算出できなかった。したがって、これらの目的の場合は、固定資産の購入を伴うことを無視し、貯蓄の取り崩しが金融資産の引き出しおよび新規借入の形を取ると仮定した。

　

３．推計結果

推計結果は、表１から表６に示されている。表１は、各目的のための金融資産の積み増しの形の粗貯蓄、表２は、各目的のための借入返済の形の粗貯蓄、表３は、各目的のための金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩し、表４は、各目的のための新規借入の形の貯蓄の取り崩し、表５は、持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩し、表６は、各目的のための粗貯蓄、貯蓄の取り崩し、純貯蓄の総額に関する結果を示している。

まず、各目的のための粗貯蓄、貯蓄の取り崩し、純貯蓄の総額に関する結果を紹介したい。表６からわかるように、両国の粗貯蓄の内訳は驚くほど似ている。両国とも、１位は住宅目的、２位は老後目的、３位は安心目的であり、これらの目的の構成比はアメリカ（日本）ではそれぞれ 25.21% (28.95%)、21.36% (26.11%)、15.37% (14.18%) である。また、貯蓄の取り崩しに関する結果についてみると、両国とも、住宅目的が群を抜いて重要であり、その構成比はアメリカでは 41.14%、日本では 56.58% である。住宅目的以外の目的で構成比が１割を越える目的は、アメリカでは耐久消費材目的および教育目的のみであり、日本では安心目的および「その他」のみである。

各目的のための貯蓄の家計貯蓄の総額への貢献度の尺度である各目的のための純貯蓄に関する結果についてみると、両国とも、老後目的が群を抜いて重要であり、その構成比はアメリカでは 30.84%、日本では 62.23% である。つまり、老後目的の構成比は、日本では、アメリカの２倍以上である。アメリカでは、２位は安心目的であり、３位は住宅目的であり、それぞれの構成比は 20.74% および 14.60% である。日本では、２位は病気目的であり、３位は安心目的であり、それぞれの構成比は 22.26% および 18.92% である。しかし、病気目的も安心目的も予備的動機であり、これらの目的を合わせると、予備的動機の構成比はアメリカでは 27.93%、日本では 41.18% にも上る。したがって、予備的動機は両国において２位であり、老後目的のつぎに重要であるが、その構成比はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（図１参照）。ちなみに、日本では、住宅目的のための粗貯蓄がかなり大きいのにもかかわらず、その目的のための純貯蓄は負である。なぜならば、その目的のための貯蓄の取り崩しが、その目的のための粗貯蓄よりもさらに大きいからである。

生涯における収入と支出のタイミングのずれによるライフ・サイクル目的（たとえば、老後目的、住宅目的）と予備的動機（たとえば、病気目的、安心目的）はいずれもライフ・サイクル・モデルと整合的であるが、遺産目的と「その他」以外の目的すべてがライフ・サイクル・モデルと整合的であると見なせば、ライフ・サイクル・モデルと整合的な目的の構成比は、アメリカと日本でそれぞれ95.62% と 107.79% にも上る（日本では、「その他」の構成比が負であるため、ライフ・サイクル・モデルと整合的な目的の構成比が 100% を越える）。しかも、両国において圧倒的に重要な２目的（老後目的および予備的動機）はいずれもライフ・サイクル・モデルと整合的な目的である。これらの結果は、両国においてライフ・サイクル・モデルが支配的であるということを示唆する。また、ライフ・サイクル・モデルと整合的な目的の構成比がアメリカの場合よりも日本の場合のほうが若干高いといった結果および二大目的（老後目的および予備的動機）の構成比がアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高いといった結果は、ライフ・サイクル・モデルの適用度がアメリカの場合よりも日本の場合のほうが高いということを示唆する。

つぎに、主に利他主義モデル（または王朝モデル）と整合的である遺産目的の重要性についてみてみたい。遺産目的のための粗貯蓄の構成比は、アメリカ（日本）で 3.03% (0.72%) に過ぎず、同目的のための純貯蓄の構成比は、アメリカ（日本）で5.04% (1.50%) に過ぎない。また、同目的のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしている回答者の割合は、アメリカ（日本）で 10.77% (3.63%) に過ぎない。しかし、教育目的および結婚目的は必然的に世代間の移転を伴い、住宅や家業が子供に残されることが多いため、住宅目的および自営目的も世代間の移転を伴うことが多い。したがって、遺産目的をより広く定義し、これらの目的も含むべきかもしれない。しかし、そのようにしても、遺産目的の構成比はアメリカ（日本）で 24.96% (1.64%) に過ぎない。つまり、遺産目的は、日本の場合よりもアメリカの場合のほうが重要であるが、アメリカの場合でさえもそれほど重要ではないようである。これらの結果は、日本の場合よりもアメリカの場合のほうが利他主義モデル（または王朝モデル）の適用度が高いが、アメリカの場合でさえもこれらのモデルの適用度はそれほど高くはないということを示唆する。

最後に、粗貯蓄と貯蓄の取り崩しの内訳についてみると、表１および２からわかるように、両国とも、ほとんどの目的において、粗貯蓄は主に金融資産の積み増しの形を取り、借入返済が金融資産の積み増しを上回るのは住宅目的、耐久消費財目的および「その他」の場合のみである。同様に、表３および４からわかるように、ほとんどの目的において、貯蓄の取り崩しは主に金融資産の引き出しの形を取り、新規借入が金融資産の引き出しを上回るのは（両国とも）住宅目的、「その他」、（アメリカの場合のみ）教育目的および耐久消費財目的の場合のみである。住宅、耐久消費財、（アメリカの場合のみ）教育のためのローンがもっとも発達しているということを考えると、これらの結果は当然である。しかし、上述のとおり、住宅目的の場合は、金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しも新規借入の形の貯蓄の取り崩しも住宅購入の形の粗貯蓄によって完全に相殺され、持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩しが貯蓄の取り崩しの唯一の形態である。

　

第４節：老後の生活の収入源の日米比較

　

本節では、「日米調査」からの老後の生活の収入源の予定・現状に関するデータを紹介する（Horioka, Kasuga, Yamazaki and Watanabe (1996) およびホリオカ・春日・山崎・渡部 (1996) は、日本について似たようなデータを紹介している）。

ライフ・サイクル・モデルが該当すれば、貯蓄の取り崩しが収入源の一つであるはずなので、人々が老後の生活の収入源としてどの程度貯蓄の取り崩しに頼る予定である、または現在頼っているかについてみることによって、ライフ・サイクル・モデルがどの程度該当するかがわかる。

結果は表７に示されている。59歳以下の回答者の場合は、各収入源に頼る予定の回答者の割合が示されており、60歳以上の回答者の場合は、各収入源に現在頼っている回答者の割合が示されている。表７－１には、複数回答の場合の結果（つまり、一つの収入源として各収入源に頼る予定である、または現在頼っている回答者の割合）が示され、表７－２には、単数回答の場合の結果（つまり、主たる収入源として各収入源に頼る予定である、または現在頼っている回答者の割合）が示されている。

　

　１．複数回答の場合の結果

まず、表７－１に示されている59歳以下の回答者の複数回答の場合の結果についてみると、両国とも、公的年金・恩給が群を抜いて重要であるが、それ以外の収入源の順位は、国によって大きく異なる。アメリカでは、２位は貯蓄の取り崩し、３位は退職一時金・企業年金、４位は労働所得、５位は保険・個人年金であるのに対し、日本では、２位は保険・個人年金、３位は労働所得、４位は貯蓄の取り崩し、５位は退職一時金・企業年金である。われわれがもっとも関心を持っている貯蓄の取り崩しについてよりくわしく述べると、その順位は日本の場合よりもアメリカの場合のほうが高く（２位対４位）、貯蓄の取り崩しに頼る予定の59歳以下の回答者の割合もアメリカの場合のほうがはるかに高い（71.58% 対 39.63%）。しかし、日本における順位も割合も比較的高い。

保険・個人年金も貯蓄の取り崩しとしてとらえることができるが、この収入源に頼る予定の 59歳以下の回答者はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（53.21% 対 38.45%）。したがって、保険・個人年金を貯蓄の取り崩しに含むことによって日米格差が縮小はされるが、完全にはなくならない（71.58% 対 39.63% から 79.00% 対 69.26% に縮小される）。また、土地・家屋のような実物資産の換金、退職一時金・企業年金、公的年金・恩給も貯蓄の取り崩しとしてとらえることができるが、これらの収入源を順番に貯蓄の取り崩しに加えると、貯蓄の取り崩しに頼る予定の59歳以下の回答者の割合がアメリカ（日本）で 80.46% (70.99%)、86.73% (80.37%)、95.72% (95.93%) にまで増加する。したがって、（貯蓄の取り崩しをもっとも広くとらえた場合を除けば）貯蓄の取り崩しに頼る予定の59歳以下の回答者の割合は日本の場合よりもアメリカの場合のほうが高いが、両国とも非常に高い。この結果は、両国においてライフ・サイクル・モデルが該当するが、日本の場合よりもアメリカの場合のほうがその適用度が高いということを示唆する。

つぎに、60歳以上の回答者の複数回答の場合の結果についてみると、59歳以下の回答者の場合と同様、両国とも、公的年金・恩給が群を抜いて重要であるが、それ以外の収入源の順位は国および予定・現状の別によって大きく異なる。アメリカでは、２位は貯蓄の取り崩し、３位は退職一時金・企業年金、４位は利子・配当所得・不動産収入（家賃）、５位は労働所得であるのに対し、日本では、２位は労働所得、３位は利子・配当所得・不動産収入（家賃）、４位は貯蓄の取り崩し、５位は事業収益である。したがって、59歳以下の回答者の場合と同様、貯蓄の取り崩しの順位は日本の場合よりもアメリカの場合のほうが高く（２位対４位）、貯蓄の取り崩しに現在頼っている60歳以上の回答者の割合もアメリカの場合のほうがはるかに高い（48.05% 対 14.92%）。もし貯蓄の取り崩しをより広くとらえ、保険・個人年金、土地・家屋のような実物資産の換金、退職一時金・企業年金、公的年金・恩給を順番に加えると、貯蓄の取り崩しに現在頼っている60 歳以上の回答者の割合がアメリカ（日本）で 53.39% (21.82%)、56.26% (22.38%)、72.90% (27.35%)、93.63% (82.32%) にまで増加する。したがって、結論は59歳以下の回答者の場合と同じである。すなわち、貯蓄の取り崩しに現在頼っている 60歳以上の回答者の割合は日本の場合よりもアメリカの場合のほうがはるかに高いが、両国とも非常に高い。したがって、予定に関する結果も、現状に関する結果も、両国においてライフ・サイクル・モデルが該当するが、日本の場合よりもアメリカの場合のほうがその適用度が高いということを示唆する。

　

　２．単数回答の場合の結果

表７－２に示されている単数回答の場合の結果は複数回答の場合の結果とほぼ整合的である。貯蓄の取り崩しをどのように定義しても、主たる収入源として貯蓄の取り崩しに頼る予定の59歳以下の回答者の割合も、主たる収入源として貯蓄の取り崩しに現在頼っている 60歳以上の回答者の割合も、日本の場合よりもアメリカの場合のほうがはるかに高く、この結果は、ライフ・サイクル・モデルが日本の場合よりもアメリカの場合のほうが適用度がはるかに高いということを示唆する。たとえば、主たる収入源として狭義の貯蓄の取り崩しに頼る予定の 59歳以下の回答者の割合はアメリカでは 11.05% であるのに対し、日本では 3.76% に過ぎない。また、主たる収入源として狭義の貯蓄の取り崩しに現在頼っている 60歳以上の回答者の割合はアメリカでは 3.01% であるのに対し、日本では 1.39% に過ぎない。

　

３．子供等からの援助に関する結果

最後に、子供等からの援助に関する結果についてみてみる。利己的な遺産動機の場合は、遺産は老後の生活費に対する援助などの見返りであるため、利己的な遺産が多ければ、子供から援助を受けている高齢者の割合が高いはずである。したがって、子供等からの援助に対する依存度も、どの家計行動のモデルが該当するかを明らかにする際に役に立つ。表７―１からわかるように、一つの収入源として子供等からの援助に頼る予定の59歳以下の回答者の割合も、一つの収入源として子供等からの援助に現在頼っている 60歳以上の回答者の割合も、両国とも低いが、アメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高く、予定の場合よりも現状の場合のほうが日米格差がはるかに大きい。日米格差は、予定の場合は、4.32% 対 2.40% であるのに対し、現状の場合は、8.56% 対 0.82% である。しかも、これらのデータは経済的援助に関するものであるが、日本では子供と同居する高齢者の割合はアメリカの場合よりもはるかに高く（49.70% 対 10.05%--表14参照）、世話、介護、家事、現物などの形の援助は同居していたほうがはるかに受けやすい。したがって、世話、介護、家事、現物等の形の援助をも考慮したら、日米格差がさらに広がるはずである。アメリカの場合よりも日本の場合のほうが子供からの援助が重要であるといった結果は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが遺産が利己的な動機にもとづく傾向が強いということを示唆するが、このことを証明するためには、遺産動機に関する直接的な情報が必要であり、次節では、そのようなデータを紹介する。

　

第５節：遺産の重要性、遺産動機および遺産の分配方法の日米比較

　

本節では、「日米調査」からの遺産の重要性、遺産動機および遺産の分配方法に関するデータを紹介する。

　

　１．遺産の重要性の日米比較

表８には、両国における遺産の重要性に関するデータが示されているが、この表からわかるように、アメリカでは、回答者の 28.67% が過去において相続を受けたことがあるのに対し、日本では、この割合は 22.35% に過ぎない。同様に、アメリカでは、回答者の 28.40% が将来、相続を受ける予定があるのに対し、日本では、この割合は 22.10% に過ぎない。また、アメリカでは、回答者の 48.88% が過去において相続を受けた、または将来、相続を受ける予定があるのに対し、日本では、この割合は 40.18% に過ぎない。しかも、表９からわかるように、アメリカでは、回答者の 45.92% が遺産を残す努力をしたいと思っているのに対し、日本では、この割合は 25.72% に過ぎない。さらに、第３節でみたとおり、アメリカでは、回答者の 10.77% が遺産動機のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしているのに対し、日本では、この割合は 3.63% に過ぎない。したがって、過去において相続を受けた、または将来、相続を受ける予定のある回答者の割合も、遺産を残す努力をしたいと思っている回答者の割合も、遺産目的のために貯蓄をしている回答者の割合も、両国とも半分以下であるが、とくに日本で低い。これらの結果は、遺産動機が両国ともそれほど強くはないが、とくに日本の場合に弱いということを示唆する。

表８には、遺産額に関するデータも示されているが、この表からわかるように、相続を受けた回答者の遺産額（現在の評価額、以下同様）の平均値は、アメリカでは、7万4756ドル（平均家計可処分所得の 2.131 倍）であるのに対し、日本では、5411万円（同 9.630 倍）である。また、遺産額の全回答者平均は、アメリカでは、2万1431ドル（平均家計可処分所得の 0.611 倍）であるのに対し、日本では、1209 万円（同 2.152 倍）である。したがって、遺産額も、遺産額の所得に対する倍率も、アメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い。アメリカでは、過去において相続を受けたことのある回答者の割合が日本の場合よりもやや高いため、遺産額の全回答者平均およびその所得に対する倍率の日米格差は、該当者平均の場合ほど大きくはないが、それでもかなり大きい（日本の遺産額の該当者平均の所得に対する倍率はアメリカのそれの 4.520 倍であるのに対し、日本の遺産額の全回答者平均の所得に対する倍率はアメリカのそれの 3.524 倍である）。

したがって、遺産がアメリカにおいてより重要なのか、日本においてより重要なのかは、どの尺度を用いるかによって変わってくる。遺産を残す人の割合または遺産をもらう人の割合を基準とした場合は、遺産はアメリカの場合のほうが重要であるが、遺産額を基準とした場合は、日本の場合のほうがはるかに重要である。

　

２．遺産動機の日米比較

しかし、どの家計行動のモデルが該当するのかは、人々が遺産を残すか否か、あるいはどれだけ遺産を残すかよりも、人々がどういった動機にもとづいて遺産を残すかに依存する。幸い、「日米調査」は回答者の遺産動機についても調査している。一つの質問では、遺産についてどういった考え方を持っているかを聞いており、回答者は以下の四つの考え方から一つだけ選択することになっている。考え方１「子供が老後の面倒をみてくれるか否かにかかわらず、遺産を残すための努力をしたい」は利他的（または王朝的）な遺産動機であり、考え方２「子供が老後の面倒をみてくれるならば、遺産を残すための努力をしたい」は利己的な遺産動機 （たとえば、Bernheim, Shleifer, and Summers (1985) 流の「戦略的遺産動機」または Kotlikoff and Spivak (1981) 流の「家族内の暗黙的年金契約」）であり、考え方３「子供に遺産を残すための努力はとくにしないが、結果的に財産が余れば遺産として残す」は死期の不確実性から生じる意図せざる遺産のみを残すという考え方であり、考え方４「子供には遺産を残さない」は遺産を残す意思がまったくないということを示す。考え方１は利他主義モデル（または王朝モデル）と整合的であるのに対し、考え方２、３および４はライフ・サイクル・モデルと整合的である。したがって、これらの考え方のうち、どの考え方がもっとも支配的であるかをみることによって、両国においてどの家計行動のモデルがもっとも支配的であるかがわかる。

結果は表９に示されているが、この表からわかるように、アメリカ人の 42.60% が考え方１を持っているのに対し、この考え方を持っている日本人の割合は19.29% に過ぎない。考え方１は利他主義モデル（または王朝モデル）と整合的であるため、この結果は、これらのモデルと整合的な考え方を持っている人の割合がアメリカでは日本の２倍以上であるということを示唆する。一方、考え方２、３および４を持っている回答者の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（考え方２の場合は日米それぞれ 6.43% 対 3.32%、考え方３の場合は 70.10% 対 51.14%、考え方４の場合は 4.18% 対 2.94%、考え方２、３および４を合わせた場合は 80.71% 対 57.40% である）。考え方２、３および４はすべてライフ・サイクル・モデルと整合的であるため、これらの結果は、ライフ・サイクル・モデルと整合的な考え方を持っている人の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高いということを示唆する。しかし、両国においてライフ・サイクル・モデルと整合的な考え方を持っている回答者の割合が過半数を占めており、この結果は、両国においてライフ・サイクル・モデルが支配的であるということを示唆する。

　

３．遺産の分配方法に対する考え方の日米比較

「日米調査」は、回答者の遺産の分配に対する考え方についても調査しており、回答者は以下の六つの考え方から一つだけ選択することになっている。考え方１「均等に分ける」および考え方２「所得の低い子供に多く、もしくは全部残す」は利他主義モデルと整合的であるのに対し、考え方３「面倒をみてくれた子供に多く、もしくは全部残す」はライフ・サイクル・モデルと整合的であり、考え方４「事業を継いでくれた子供に多く、もしくは全部残す」および考え方５「自分の面倒をみてくれなかったとしても、長男・長女に多く、もしくは全部残す」は王朝モデルと整合的である（考え方６「その他」はどのモデルと整合的であるかは判別できない。）したがって、これらの考え方のうち、どの考え方がもっとも支配的であるかをみることによって、両国においてどの家計行動のモデルがもっとも支配的であるかに関する新たな証拠が得られる。

結果は表10に示されているが、この表からわかるように、アメリカでは、考え方１を持っている回答者の割合は 96.28% にも上り、考え方１または２を持っている回答者の割合は 96.83% にも上るのに対し、日本では、これらの割合はそれぞれ 48.74% と 51.10% に過ぎない。　考え方１および２は利他主義モデルと整合的であるため、これらの結果は、利他主義モデルと整合的な考え方を持っている人の割合はアメリカでは日本の２倍以上であるということを示唆する。一方、考え方３、４および５を持っている回答者の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（考え方３の場合は 32.38% 対 2.48%、考え方４の場合は 6.91% 対 0.00%、考え方５の場合は 7.59% 対 0.41% である）。考え方３はライフ・サイクル・モデルと整合的であるため、これらの結果は、ライフ・サイクル・モデルと整合的な考え方を持っている人の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（32.38% 対 2.48％）ということを示唆する。また、考え方４および５は王朝モデルと整合的であるため、これらの結果は、王朝モデルと整合的な考え方を持っている人の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い（14.50% 対 0.41%）ということを示唆する。しかし、王朝モデルと整合的な考え方を持っている回答者の割合は日本の場合でさえも 14.50% に過ぎず、王朝モデルはいずれの国においても支配的ではないようである。

　

４．王朝モデルの妥当性に関する新たな証拠

表11および表12には、王朝モデルの妥当性に関する新たな証拠が示されている。まず、表11には、残す予定の遺産の種類に関するデータが示されているが、この表からわかるように、アメリカでは、遺産を残す予定のある回答者のうち、32.67% が相続・贈与を受けた資産を残す予定であり、96.60% が自分で取得した資産を残す予定である。それに対し、日本では、前者の割合が 39.71% であり、後者の割合が 83.35% であり、相続・贈与を受けた資産を残す傾向がアメリカよりもかなり強く、自分で取得した資産を残す傾向がアメリカよりもかなり弱いということがわかる。また、両国とも、相続・贈与を受けた資産を残す予定のある回答者の割合よりも自分で取得した資産を残す予定のある回答者の割合のほうがはるかに高い。これらの結果は、（人々は親からもらった遺産を自分のものとしてではなく、家のものとして見なし、それをそのまま子供に残すと仮定する）王朝モデルの適用度は両国においてそれほど高くないものの、どちらかといえば、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが適用度が相対的に高いということを示唆し、この結論は表10から得た結論と完全に整合的である。

また、表12には、相続経験・予定別に遺産動機の分布が示されているが、この表からわかるように、両国とも、相続経験・予定のない回答者よりも、相続経験・予定のある回答者のほうが、利他的（または王朝的）な遺産動機（考え方１）または利己的な遺産動機（考え方２）を持つ確率が高く、意図せざる遺産のみを残す確率（考え方３）、遺産をまったく残さない確率（考え方４）が低い。つまり、両国とも、相続経験・予定の有無によって遺産動機を持つ確率が大きく異なり、この結果は、両国において王朝モデルがある程度該当することを示唆する。　しかし、両者の間の相関は必ずしも日本の場合のほうが強くはなく、この結果からは、王朝モデルの適用度がアメリカの場合よりも日本の場合のほうが高いとは結論付けられない。

　

５．遺産をもらう側の意識の日米比較

いままでは、遺産を残す側（親）の意識についてみてきたが、最後に遺産をもらう側（子供）の意識についてみてみたい。利他主義モデル（王朝モデル）が成り立っていれば、子供が親から遺産を受け取る見込みがあるか否かは、子供が親の老後の面倒をみるか否かの意思決定にいっさい影響を及ばさないはずであるのに対し、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが成り立っていれば、親から遺産を受け取る見込みのない子供よりも親から遺産を受け取る見込みのある子供（とくに親の老後の面倒をみることが遺産を受け取る条件となっている子供）のほうが親の老後の面倒をみる傾向が強いはずである。したがって、親の遺産動機の有無または種類が、子供が親の面倒をみるか否かの意思決定に影響を及ぼすか否かについてみることによって、子供がどの家計行動のモデルに従って行動しているかがわかる。

まず、回答者本人の遺産のもらい手としての意識についてみて、次いで、回答者の子供の遺産のもらい手としての意識についてみてみる。「日米調査」では、回答者が将来、相続を受け取る予定があるか否かについては聞いているが、回答者が親の面倒をみているか否かに関する直接的な情報はない。しかし、回答者が親と同居しているか否かはわかり、親と別居している人よりも、親と同居している人のほうが、親の面倒をみている確率が高いと思われるので、親との同居の有無を親の面倒をみているか否かの尺度として用いた。したがって、表13には、相続予定別に親との同居率が示されているが、この表からわかるように、両国とも、相続予定のない回答者の場合よりも相続予定のある回答者の場合のほうが親との同居率が高く、この結果は、両国において遺産のもらい手が利己的であり、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが該当するということを示唆する。ただし、相続予定のある回答者と相続予定のない回答者の間の親との同居率の差異は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるか大きく（日本の場合は 24.61% 対 18.79% であるのに対し、アメリカの場合は 7.02% 対 6.75% である）、この結果は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが、遺産のもらい手がより利己的であり、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルの適用度がより高いということを示唆する。

つぎに、回答者の子供の遺産のもらい手としての意識についてみてみたい。「日米調査」では、回答者が子供と同居しているか否か、（59歳以下の回答者の場合は）子供からの援助を老後の生活の収入源の一つとして予定しているか否か、（60歳以上の回答者の場合は）子供からの援助が現在の生活の収入源の一つであるか否かについて聞いているので、子供が親の面倒をみているか否かの尺度として、子供との同居の有無および子供からの援助の現状・予定を用いた。

まず、表14には、60歳以上の回答者の子供との同居率が遺産動機別に示されているが、この表からわかるように、日本では、子供との同居率が遺産動機によって大きく異なる。利己的な遺産動機を持っている回答者（考え方２）の場合の子供との同居率がもっとも高く (63.89%)、利他的（または王朝的）な遺産動機を持っている回答者（考え方１）の場合の子供との同居率がそのつぎに高い (63.46%)。意図せざる遺産のみを残す予定の回答者（考え方３）の場合の子供との同居率がそのつぎに高いが、何らかの遺産動機を持っている回答者の場合の子供との同居率よりもはるかに低く (49.45%)、遺産をまったく残さない予定の回答者（考え方４）の場合の子供との同居率はさらに低い (25.00%)。この結果は、日本では遺産のもらい手は利己的であり、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが支配的であるということを示唆する。それに対し、アメリカでは、遺産動機によって子供との同居率はそれほど異ならない。しかも、利己的な遺産動機を持っている回答者（考え方２）の場合の子供との同居率がもっとも低く (6.67%)、意図せざる遺産のみを残す予定の回答者（考え方３）の場合の子供との同居率がもっとも高く (12.02%)、利他的（または王朝的）な遺産動機を持っている回答者（考え方１）および遺産をまったく残さない予定の回答者（考え方４）の場合の子供との同居率がその中間にある（それぞれ 7.53% および 7.69%）。この結果は、アメリカでは、遺産のもらい手が利他的（または王朝的）であるということを示唆する。

最後に、表15には、遺産動機別に子供から援助をもらっている、またはもらう予定の回答者の割合（以下、「援助率」と略す）が示されているが、この表からわかるように、アメリカでは、援助率は遺産動機によって若干異なる。利己的な遺産動機を持っている回答者（考え方２）の場合の援助率がもっとも高く (5.88%)、次いで利他的（または王朝的）な遺産動機を持っている回答者（考え方１）(2.49%)、意図せざる遺産のみを残す予定の回答者（考え方３）(1.50%)、遺産をまったく残さない予定の回答者（考え方４）(0.00%) の順となっている。この結果は、アメリカでは遺産のもらい手はある程度利己的であり、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルがある程度該当するということを示唆する。日本では、援助率が遺産動機によってより大きく異なるが、その傾向は必ずしも利己主義の存在を裏付けるものではない。たとえば、遺産をまったく残さない予定の回答者（考え方４）の場合の援助率が群を抜いて高い (17.95%)。しかし、それ以外の結果はある程度利己主義の存在を裏付ける。たとえば、利己的な遺産動機を持っている回答者（考え方２）の場合の援助率はそのつぎに高く (8.33%)、利他的（または王朝的）な遺産動機を持っている回答者（考え方１）および意図せざる遺産のみを残す予定の回答者（考え方３）の場合の援助率（それぞれ 3.33% および 5.20%）を大きく上回っている。

　

６．結論

以上の分析結果は完全に整合的ではないが、要約すると、両国において大部分の人々が遺産に対して利己的な考え方を持っており、遺産をまったく残さない予定であるか、死期の不確実性から生じる意図せざる遺産のみを残す予定であるか、老後の面倒をみてくれた場合にのみ遺産を残す予定である。したがって、両国において利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが支配的であるようである。しかし、日本の場合よりもアメリカの場合のほうが利他主義モデルの適用度がはるかに高く、遺産を残す側も、遺産をもらう側もはるかに利他的である。つまり、遺産を残す側は何の見返りがなくても遺産を残すし、遺産をもらう側は遺産がもらえなくても親の面倒をみる。逆に、アメリカの場合よりも日本の場合のほうがライフ・サイクル・モデルおよび王朝モデルの適用度がはるかに高いが、王朝モデルの適用度は日本の場合でさえもそれほど高くはない。

　

まとめ

本稿では、郵政省郵政研究所が最近実施した日米調査からの貯蓄動機および遺産動機に関するさまざまなデータを検討し、アメリカおよび日本においてどの家計行動のモデルが該当するかを明らかにしようとした。結果は必ずしも互いに整合的ではないが、大部分の結果は、利己主義を前提とするライフ・サイクル・モデルが両国において支配的であるものの、日本の場合のほうがこのモデルの適用度がはるかに高く、逆にアメリカの場合のほうが利他主義モデルの適用度がはるかに高いということを示唆する。また、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが王朝モデルの適用度が高いものの、日本の場合でさえもそれほど高くないようである。

まず、ライフ・サイクル・モデルが両国において支配的であるといった結論を支持する結果として、以下のものが得られた。

（１）     両国において純貯蓄の大半がライフ・サイクル・モデルと整合的な目的（とくに老後目的と予備的動機）のためである。

（２）     両国においてかなりの割合の人が老後の生活の収入源の一つとして貯蓄の取り崩しに頼る予定である、または現在頼っている。

（３）     両国において過去に相続を受けた、または将来相続を受ける予定のある人の割合も、遺産を残す努力をしたいと思っている人の割合も、遺産目的のために貯蓄をしている人の割合も、半分以下である。

（４）     両国において大半の人々が遺産をまったく残さない予定であるか、死期の不確実性から生じる意図せざる遺産のみを残す予定であるか、老後の面倒をみてくれた場合にのみ遺産を残す予定である。

（５）   両国において相続予定のない人の場合よりも相続予定のある人の場合のほうが親との同居率が高い。

また、日本の場合のほうがライフ・サイクル・モデルの適用度がはるかに高く、逆にアメリカの場合のほうが利他主義モデルの適用度がはるかに高いといった結論を支持する結果として以下のものが得られた。

（１）     ライフ・サイクル・モデルと整合的な目的（とくに老後目的と予備的動機）のための純貯蓄の構成比はアメリカの場合よりも日本の場合のほうが高い。

（２）     過去に相続を受けた、または将来相続を受ける予定のある人の割合も、遺産を残す努力をしたいと思っている人の割合も、遺産目的のために貯蓄をしている人の割合も、日本の場合よりもアメリカの場合のほうが高い。

（３）     利他的遺産動機を持っている人の割合はアメリカでは日本の２倍以上であり、逆に利己的遺産動機を持っている人、意図せざる遺産のみを残す予定の人、遺産をまったく残さない予定の人の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い。

（４）     遺産の分配方法についてみると、利他的な分配方法を予定している人の割合はアメリカでは日本の約２倍であり、逆に利己的な分配方法を予定している人の割合はアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高い。

（５）     相続予定の有無と親との同居率との間の関係は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに強い。

（６）     日本では遺産動機を持っている人のほうが子供との同居率がはるかに高いが、アメリカでは両者の間に明確な関係がみられない。

ただし、老後の生活の収入源として貯蓄の取り崩しに頼る予定である、または現在頼っている人の割合が日本の場合よりもアメリカの場合のほうがはるかに高いといった結果、遺産の金額がアメリカの場合よりも日本の場合のほうがはるかに高いといった結果、日本の場合よりもアメリカの場合のほうが遺産動機と子供からの援助の現状・予定との間の関係が利己主義の存在をより強く裏付けるといった結果は、逆の結論（つまり、アメリカの場合のほうがライフ・サイクル・モデルの適用度が高く、日本の場合のほうが利他主義モデルの適用度が高いといった結論）を示唆する。

さらに、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが王朝モデルの適用度が高いものの、日本の場合でさえもそれほど高くはないといった結論を支持する結果として、以下のものが得られた。

（１）     事業を継いでくれた子供に遺産を多く、もしくは全部残す予定の人および自分の面倒をみてくれなかったとしても、長男・長女に遺産を多く、もしくは全部残す予定の人の割合は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが相対的に高いが、日本の場合でさえもそれほど高くはない。

（２）     相続・贈与を受けた資産を残す予定のある人の割合は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが若干高いが、日本の場合でさえもそれほど高くはない。

（３）     両国において相続経験も相続予定もない人よりも相続経験または相続予定のある人のほうが遺産を残す努力をしたいと思う確率が高い（ただし、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが両者の間の関係がより強いとは必ずしもいえない）。

幸い、われわれの分析結果は両国において先行研究の結果とほぼ整合的である。Ohtake (1991)、大竹・ホリオカ (1994)、Hayashi (1995) などは、日本では、ライフ・サイクル・モデルが該当し、利他主義モデルが該当しないといった結果を得ているが、この結果はわれわれの結果と完全に整合的である。また、Bernheim, Shleifer, and Summers (1985)、Cox (1987)、Hurd (1987)、Altonji, Hayashi, and Kotlikoff (1992) などは、アメリカでも、ライフ・サイクル・モデルが該当し、利他主義モデルが該当しないといった結果を得ているが、この結果もわれわれの結果とおおむね整合的である。アメリカでは、ライフ・サイクル・モデルが支配的であるとはいえ、利他主義モデルに従う人もかなりいるといったわれわれの結論と先行研究が得た結論との間に微妙なずれがあるかのように見えるが、先行研究は、アメリカ人全員が利他的であるといった帰無仮説を棄却しているに過ぎず、矛盾は必ずしもない。

最後に、政策的インプリケーションについて述べると、両国においてライフ・サイクル・モデルが支配的であるといった結論は、両国において減税政策が景気刺激策として有効であるということを意味し、利他主義モデルが日本の場合よりもアメリカの場合のほうが適用度が高いといった結論は、アメリカの場合よりも日本の場合のほうが減税政策が有効であるということを意味する。

　

　

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Weil, Philippe (1989), "Overlapping Families of Infinitely-Lived Agents," Journal of Public Economies, vol. 38, no. 2 (March), pp. 183-198.

　

謝辞

　

　本稿の執筆に際し、大竹文雄大阪大学助教授、小川一夫大阪大学教授、北村伸行慶應義塾大学客員助教授兼日本銀行金融研究所研究員、デイビッド・キャンベル・エセックス大学助教授（郵政研究所海外客員研究官）、黒田昌裕慶應義塾大学教授、羽森茂之神戸大学助教授、林文夫東京大学教授、樋口美雄慶應義塾大学教授、深尾光洋慶應義塾大学教授、牧厚志慶應義塾大学教授、郵政研究所第二経営経済研究部の浜田浩児部長、蟹江健一前主任研究官（現郵政省放送行政局地上放送課長補佐）、牧寛久主任研究官、赤羽明子研究官、古家潤子研究官、全米経済研究所のジャパン・プロジェクトの会合（ボストン）、第９回郵政研究所研究発表会、「資産、遺産および世代間移転に関する国際会議」（エセックス大学）および理論・計量経済学会（現日本経済学会）1997年度大会（早稲田大学）の参加者、ハワイ大学および慶應義塾大学のセミナー参加者よりたいへん有益なコメントを頂いた。なお、ホリオカは文部省より科学研究費補助金（重点領域研究＜ミクロ統計データ＞、課題番号09206209）を受けた。ここで記して感謝の意を表したい。

　

 

表１：各目的のための金融資産の積み増しの形の粗貯蓄

 

 

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

目的

各目的のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしている家計の割合（％）

各目的のために金融資産の積み増しの形の粗貯蓄をしている家計のその目的のためのその形の粗貯蓄の平均額（ドルまたは万円単位）

（２）の平均家計可処分所得に占める割合（％）

各目的のための金融資産の積み増しの形の粗貯蓄の全家計平均（ドルまたは万円）

（４）の平均家計可処分所得に占める割合（％）

（４）の構成比（％）

アメリカ

1老後

48.57

5797

16.52

2815

8.02

30.85

2生活費

33.58

2411

6.87

810

2.31

8.87

3病気

42.57

1611

4.59

686

1.95

7.52

4教育

21.10

2137

6.09

451

1.28

4.94

5結婚

6.78

3450

9.83

234

0.67

2.56

6住宅

19.08

3289

9.37

627

1.79

6.88

7耐久消費財

24.60

1667

4.75

410

1.17

4.49

8レジャー

34.81

1703

4.85

593

1.69

6.50

9納税

30.87

2443

6.96

754

2.15

8.27

10自営

3.95

5220

14.88

206

0.59

2.26

11安心

37.70

2930

8.35

1105

3.15

12.10

12遺産

10.77

3708

10.57

399

1.14

4.38

13その他

1.54

2260

6.44

35

0.10

0.38

合計

315.92

　

　

9125

26.01

100.00

日本

1老後

45.21

84.87

15.10

38.37

6.83

36.86

2生活費

　

　

　

　

　

　

3病気

37.21

41.19

7.33

15.33

2.73

14.73

4教育

23.95

35.74

6.36

8.56

1.52

8.22

5結婚

11.36

39.46

7.02

4.48

0.80

4.31

6住宅

10.76

80.26

14.28

8.63

1.54

8.30

7耐久消費財

6.14

28.76

5.12

1.77

0.31

1.70

8レジャー

9.84

27.17

4.84

2.67

0.48

2.57

9納税

5.69

23.67

4.21

1.35

0.24

1.29

10自営

0.96

12.00

2.14

0.12

0.02

0.11

11安心

39.62

50.61

9.01

20.05

3.57

19.26

12遺産

3.63

29.38

5.23

1.07

0.19

1.02

13その他

3.19

53.00

9.43

1.69

0.30

1.62

合計

197.56

　

　

104.08

18.52

100.00

　備考：計算方法については、本文参照。

　ﾃﾞｰﾀの出所：郵政省郵政研究所、「貯蓄に関する日米比較調査」（１９９６年）。

表２：各目的のための借入返済の形の粗貯蓄

 

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

目的

各目的のために借入返済の形の粗貯蓄をしている家計の割合（％）

各目的のために借入返済の形の粗貯蓄をしている家計のその目的のためのその形の粗貯蓄の平均額（ドルまたは万円）

(2) の平均家計可処分所得に占める割合（％）

各目的のための借入返済の形の粗貯蓄の全家計平均（ドルまたは万円）

(4)の平均家計可処分所得に占める割合（％）

(4)の構成比（％）

アメリカ

1住宅

39.54

6821

19.44

2697

7.69

66.44

2教育

2.37

3128

8.92

74

0.21

1.83

3耐久消費財

21.64

3044

8.67

659

1.88

16.22

4結婚

0.52

800

2.28

4

0.01

0.10

5レジャー

5.47

1394

3.97

76

0.22

1.88

6病気

8.09

1569

4.47

127

0.36

3.13

7生活費

5.16

2181

6.22

113

0.32

2.77

8その他

11.11

2786

7.94

310

0.88

7.63

合計

93.90

　

　

4059

11.57

100.00

日本

1住宅

24.08

140.84

25.06

33.91

6.04

79.08

2教育

2.50

41.12

7.32

1.03

0.18

2.40

3耐久消費財

6.90

41.12

7.32

2.84

0.51

6.62

4結婚

0.81

67.00

11.92

0.54

0.10

1.27

5レジャー

0.61

23.60

4.20

0.14

0.03

0.33

6病気

0.30

50.00

8.90

0.15

0.03

0.35

7生活費

2.12

37.33

6.64

0.79

0.14

1.84

8その他

5.17

67.29

11.98

3.48

0.62

8.11

合計

42.49

　

　

42.89

7.63

100.00

　備考：計算方法については、本文参照。

　ﾃﾞｰﾀの出所：表１と同じ。

表３：各目的のための金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩し

　　

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(7)

目的

各目的のために金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しをしている家計の割合（％）

各目的のために金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しをしている家計のその目的のためのその形の貯蓄の取り崩しの平均額（ドルまたは万円）

（２）の平均家計可処分所得に占める割合（％）

各目的のための金融資産の引き出しの形の貯蓄の取り崩しの全家計平均（ドルまたは万円）

（４）の平均家計可処分所得に占める割合（％）

（４）の構成比

（４）の構成比（住宅目的を除く）（％）

アメリカ

1老後

6.33

5368

15.30

340

0.97

23.14

23.80

2A生活費（５９歳以下）

4.24

2004

5.71

85

2.42

5.78

5.95

2B生活費（６０歳以上）

1.41

2565

7.31

36

1.03

2.47

2.54

3病気

7.27

1894

5.40

138

3.92

9.38

9.65

4教育

1.36

6734

19.19

91

2.60

6.22

6.40

5結婚

0.18

6000

17.10

11

0.31

0.73

0.75

6住宅

1.83

2236

6.37

41

1.17

2.79

　

7耐久消費財

3.35

3897

11.11

131

3.72

8.90

9.15

8レジャー

7.42

1717

4.89

127

3.63

8.69

8.93

9納税

8.33

2974

8.48

248

7.06

16.89

17.37

10自営

0.18

600

1.71

1

0.03

0.08

0.08

11安心

4.11

5136

14.64

211

6.02

14.40

14.81

12遺産

0.09

1000

2.85

1

0.03

0.06

0.06

13その他

0.17

4200

11.97

7

0.02

0.49

0.50

合計

46.27

　

　

1468

4.18

100.00

100.00

日本

1老後

　

　

　

　

　

　

　

2A生活費（５９歳以下）

10.02

96.86

17.24

9.71

1.73

18.60

34.32

2B生活費（６０歳以上）

3.13

106.90

19.02

3.34

0.59

6.40

11.81

3病気

2.73

108.35

19.28

2.95

0.53

5.66

10.44

4教育

3.47

116.73

20.77

4.05

0.72

7.76

14.30

5結婚

0.42

167.50

29.81

0.71

0.13

1.36

2.51

6住宅

2.13

1121.50

199.58

23.89

4.25

45.78

　

7耐久消費財

1.51

134.29

23.90

2.03

0.36

3.88

7.16

8レジャー

3.74

37.49

6.67

1.40

0.25

2.69

4.96

9納税

1.72

70.25

12.50

1.21

0.21

2.31

4.27

10自営

0.11

300.00

53.39

0.32

0.06

0.62

1.14

11安心

0.00

　

　

0.00

0.00

0.00

0.00

12遺産

0.55

40.40

7.19

0.22

0.04

0.43

0.78

13その他

1.06

221.00

39.33

2.35

0.42

4.50

8.31

合計

30.58

　

　

52.17

9.28

100.00

100.00

　備考：計算方法については、本文参照。

　ﾃﾞｰﾀの出所：表１と同じ。

表４：各目的のための新規借入の形の貯蓄の取り崩し

　

　

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(7)

　

目的

各目的のために新規借入の形の貯蓄の取り崩しをしている家計の割合(%)

各目的のために新規借入の形の貯蓄の取り崩しをしている家計のその目的のためのその形の貯蓄の取り崩しの平均額（ドルまたは万円）

(2)の平均家計可処分所得に占める割合(%)

各目的のための新規借入の形の貯蓄の取り崩しの全家計平均（ドルまたは万円）

(4)の平均家計可処分所得に占める割合(%)

(4)の構成比(%)

(4)の構成比（住宅目的を除く）(%)

アメリカ

1

住宅

3.60

50442

143.76

1816

5.18

52.00

　

2

教育

0.59

75071

213.95

445

1.27

12.74

26.55

3

耐久消費財

8.00

7575

21.59

606

1.73

17.35

36.14

4

結婚

0.00

　

　

0

0.00

0.00

0.00

5

レジャー

1.82

2167

6.17

40

0.11

1.13

2.36

6

病気

2.67

3989

11.37

106

0.30

3.05

6.35

7

生活費

1.60

5631

16.05

90

0.26

2.58

5.38

8

その他

3.09

12601

35.91

390

1.11

11.15

23.23

　

合計

21.38

　

　

3493

9.96

100.00

100.00

日本

1

住宅

2.17

4117.50

732.74

89.46

15.92

88.97

　

2

教育

0.50

120.40

21.43

0.60

0.11

0.60

5.43

3

耐久消費財

2.10

81.52

14.51

1.71

0.30

1.70

15.45

4

結婚

0.10

200.00

35.59

0.20

0.04

0.20

1.83

5

レジャー

0.20

20.00

3.56

0.04

0.01

0.04

0.36

6

病気

0.00

　

　

0.00

0.00

0.00

0.00

7

生活費

1.01

48.00

8.54

0.48

0.09

0.48

4.37

8

その他

1.49

539.73

96.05

8.04

1.43

8.00

72.56

　

合計

7.58

　

　

100.54

17.89

100.00

100.00

備考：計算方法については、本文参照。

データの出所：表１と同じ。

表５：持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩し

　

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

目的

持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩しをしている家計の割合(%)

持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩しをしている家計のその目的のためのその形の貯蓄の取り崩しの平均額（ドルまたは万円）

(2)の平均家計可処分所得に占める割合(%)

持ち家住宅に対する減価償却の形の貯蓄の取り崩しの全家計平均（ドルまたは万円）

(4)の平均家計可処分所得に占める割合(%)

アメリカ

住宅

67.90

3195

9.11

2169

6.18

合計

67.90

　

　

2169

6.18

日本

住宅

62.74

81.78

14.55

51.31

9.13

合計

62.74

　

　

51.31

9.13

備考：計算方法については、本文参照。

データの出所：表１と同じ。

表６：各目的のための粗貯蓄、貯蓄の取り崩し、純貯蓄

　

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(7)

(8)

(9)

目的

各目的のための粗貯蓄の全家計平均（ドルまたは万円）

(1) の平均家計可処分所得に占める割合(%)

(1) の構成比(%)

各目的のための貯蓄取り崩しの全家計平均（ドルまたは万円）

(4) の平均家計可処分所得に占める割合(%)

(4) の構成比(%)

各目的のための純貯蓄の全家計平均（ドルまたは万円）

(7) の平均家計可処分所得に占める割合(%)

(7) の構成比(%)

アメリカ

1.老後

2815

8.02

21.36

376

1.07

7.13

2440

6.95

30.84

2.病気

813

2.32

6.16

244

0.70

4.63

569

1.62

7.19

3.教育

525

1.50

3.98

536

1.53

10.17

-11

-0.03

-0.14

4.結婚

238

0.68

1.81

11

0.03

0.20

227

0.65

2.87

5.住宅

3324

9.47

25.21

2169

6.18

41.14

1155

3.29

14.60

6.耐久消費財

1069

3.05

8.11

737

2.10

13.97

332

0.95

4.20

7.レジャー

669

1.91

5.07

167

0.48

3.17

502

1.43

6.35

8.納税

754

2.15

5.72

248

0.71

4.70

506

1.44

6.40

9.自営

206

0.59

1.56

1

0.00

0.02

205

0.58

2.59

10.安心

2027

5.78

15.37

386

1.10

7.33

1640

4.68

20.74

11.遺産

399

1.14

3.03

1

0.00

0.02

398

1.14

5.04

12.その他

344

0.98

2.61

397

1.13

7.52

-52

-0.15

-0.66

合計

13184

37.57

100.00

5273

15.03

100.00

7911

22.55

100.00

日本

1.老後

38.37

6.83

26.11

3.34

0.59

3.68

35.03

6.23

62.23

2.病気

15.48

2.75

10.53

2.95

0.53

3.26

12.53

2.23

22.26

3.教育

9.59

1.71

6.52

4.65

0.83

5.13

4.94

0.88

8.77

4.結婚

5.03

0.89

3.42

0.91

0.16

1.01

4.11

0.73

7.31

5.住宅

42.55

7.57

28.95

51.31

9.13

56.58

-8.76

-1.56

-15.57

6.耐久消費財

4.61

0.82

3.13

3.74

0.67

4.12

0.87

0.15

1.54

7.レジャー

2.82

0.50

1.92

1.44

0.26

1.59

1.37

0.24

2.44

8.納税

1.35

0.24

0.92

1.21

0.21

1.33

0.14

0.02

0.25

9.自営

0.12

0.02

0.08

0.32

0.06

0.35

-0.21

-0.04

-0.37

10.安心

20.84

3.71

14.18

10.19

1.81

11.24

10.65

1.90

18.92

11.遺産

1.07

0.19

0.72

0.22

0.04

0.24

0.84

0.15

1.50

12.その他

5.17

0.92

3.52

10.39

1.85

11.46

-5.23

-0.93

-9.29

合計

146.97

26.15

100.00

90.68

16.14

100.00

56.28

10.02

100.00

備考：各目的のための粗貯蓄は、その目的のための金融資産の積み増しおよびその目的のための借入返済からなり、各目的のための貯蓄の取り崩しは、その目的のための金融資産の引き出し、その目的のための新規借入および（住宅目的の場合は）持ち家住宅に対する減価償却からなる。ただし、住宅目的のための金融資産の引き出しおよび新規借入は、その目的のための貯蓄の取り崩しには含まなかった。また、各目的のための純貯蓄は、その目的のための粗貯蓄からその目的のための貯蓄の取り崩しを差し引くことによって算出した。全年齢の家計の生活費目的のための金融資産の積み増しおよび借入返済は安心目的のための粗貯蓄に含み、５９歳以下の家計の生活費目的のための金融資産の引き出しおよび全年齢の家計の生活費目的のための新規借入は安心目的のための貯蓄の取り崩しに含み、６０歳以上の家計の生活費目的のための金融資産の引き出しは老後目的のための貯蓄の取り崩しに含んだ。

データの出所：表１、表２、表３、表４、表５。

表７－１：老後の生活の収入源の日米比較（複数回答）

老後の生活の収入源

　

　

一つの収入源として各収入源に頼る予定の５９歳以下の回答者の割合(%)

現在、一つの収入源として各収入源に頼っている６０歳以上の回答者の割合(%)

アメリカ

日本

アメリカ

日本

1. 公的年金・恩給

82.86

(1)

75.31

(1)

85.63

(1)

75.69

(1)

2. 貯蓄の取り崩し

71.58

(2)

39.63

(4)

48.05

(2)

14.92

(4)

3. 土地・家屋のような実物資産の換金

26.85

(6)

4.69

(8)

11.09

(7)

2.49

(9)

4. 保険・個人年金

38.45

(5)

53.21

(2)

14.99

(6)

9.12

(6)

5. 退職一時金・企業年金

55.28

(3)

37.41

(5)

44.35

(3)

8.01

(8)

6. 労働所得

44.31

(4)

41.60

(3)

26.69

(5)

36.19

(2)

7. 事業収益

10.03

(8)

5.56

(7)

4.31

(9)

11.88

(5)

8. 利子・配当所得・不動産収入（家賃）

23.51

(7)

7.65

(6)

32.24

(4)

16.57

(3)

9. 子供等からの援助

2.40

(10)

4.32

(9)

0.82

(10)

8.56

(7)

10. 国や市区町村からの援助

7.52

(9)

2.22

(10)

4.72

(8)

1.66

(10)

11. その他

1.67

　

0.25

　

0.21

　

0.83

　

2または4（再掲）

79.00

　

69.26

　

53.39

　

21.82

　

2、3または4（再掲）

80.46

　

70.99

　

56.26

　

22.38

　

2、3、4または5（再掲）

86.73

　

80.37

　

72.90

　

27.35

　

1、2、3、4または5（再掲）

95.72

　

95.93

　

93.63

　

82.32

　

合計

364.47

　

271.85

　

273.10

　

185.91

　

回答者数

957

　

810

　

487

　

362

　

備考：老後の生活の収入源の予定に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、老後の生活の収入源の予定または現状に関する質問に対し、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。カッコ内の値は順位を示す（「その他」を除く）。四捨五入のため、合計が合わない場合がある。

データの出所：表１と同じ。

表７－２：老後の生活の収入源の日米比較（単数回答）

老後の生活の収入源

　

主たる収入源として各収入源に頼る予定の５９歳以下の回答者の割合(%)

現在、主たる収入源として各収入源に頼っている６０歳以上の回答者の割合(%)

アメリカ

日本

アメリカ

日本

1. 公的年金・恩給

25.79

(2)

51.50

(1)

50.00

(1)

53.76

(1)

2. 貯蓄の取り崩し

11.05

(4)

3.76

(6)

3.01

(6)

1.39

(6)

3. 土地・家屋のような実物資産の換金

2.92

(7)

0.38

(8)

0.82

(9)

0.28

(10)

4. 保険・個人年金

8.77

(5)

9.65

(3)

3.83

(5)

0.84

(9)

5. 退職一時金・企業年金

30.88

(1)

8.90

(4)

19.67

(2)

2.23

(5)

6. 労働所得

12.96

(3)

18.42

(2)

13.11

(3)

26.46

(2)

7. 事業収益

1.65

(8)

4.14

(5)

1.09

(8)

8.64

(3)

8. 利子・配当所得・不動産収入（家賃）

4.19

(6)

2.76

(7)

7.38

(4)

4.18

(4)

9. 子供等からの援助

0.00

(10)

0.00

(10)

0.00

(10)

1.11

(7.5)

10. 国や市区町村からの援助

0.76

(9)

0.25

(9)

1.09

(7)

1.11

(7.5)

11. その他

1.02

　

0.25

　

0.00

　

0.00

　

2または4（再掲）

19.82

　

13.41

　

6.83

　

2.23

　

2、3または4（再掲）

22.74

　

13.78

　

7.65

　

2.51

　

2、3、4または5（再掲）

53.62

　

22.68

　

27.32

　

4.74

　

1、2、3、4または5（再掲）

79.42

　

74.19

　

77.32

　

58.50

　

合計

100.00

　

100.00

　

100.00

　

100.00

　

回答者数

787

　

798

　

366

　

359

　

備考：老後の生活の収入源の予定に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、老後の生活の収入源の予定または現状に関する質問に対し、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。カッコ内の値は順位を示す（「その他」を除く）。四捨五入のため、合計が合わない場合がある。

データの出所：表１と同じ。

表８：遺産の重要性の日米比較

　

アメリカ

日本

1. 過去において相続を受けたことのある回答者の割合(%)

28.67 　

22.35 　

2. 過去に受け取った相続資産の現在の評価額の該当者平均（ドルまたは円）

$74,756　

￥54,114,240　

3. ２の平均家計可処分所得に対する倍率

2.131 　

9.630 　

4. 過去に受け取った相続資産の現在の評価額の全回答者平均（ドルまたは円）

$21,431　

￥12,094,555　

5. ４の平均家計可処分所得に対する倍率

0.611 　

2.152 　

6. 平均家計可処分所得の全回答者平均（ドルまたは円）

$35,088　

￥5,619,294　

7. 将来、相続を受ける予定のある回答者の割合(%)

28.40 　

22.10 　

8. 過去において相続を受けた、または将来、相続を受ける予定のある回答者の割合(%)

48.88 　

40.18 　

回答者数

1479 　

1217 　

備考：１行目、７行目及び８行目の割合を計算する際、相続経験・相続予定のいずれかについて回答しなかった回答者はサンプルから排除した。

データの出所：表１と同じ。

表９：遺産動機の日米比較

遺産に対する考え方

　

各考え方を持っている回答者の割合(%)

アメリカ

日本

1. 子供が老後の面倒をみてくれるか否かにかかわらず、遺産を残すための努力をしたい

42.60 　

19.29 　

2. 子供が老後の面倒をみてくれるならば、遺産を残すための努力をしたい

3.32 　

6.43 　

1+2. 遺産を残すための努力をしたい（再掲）

45.92 　

25.72 　

3. 子供に遺産を残すための努力はとくにしないが、結果的に財産が余れば遺産として残す

51.14 　

70.10 　

4. 子供には遺産を残さない

2.94 　

4.18 　

合計

100.00 　

100.00 　

回答者数

1054 　

933 　

備考：子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。

データの出所：表１と同じ。

表10：遺産の分配に対する考え方の日米比較

遺産の分配に対する考え方

　

各考え方を持っている回答者の割合(%)

アメリカ

日本

1. 均等に分ける

96.28 　

48.74 　

2. 所得の低い子供に多く、もしくは全部残す

0.55 　

2.36 　

3. 面倒をみてくれた子供に多く、もしくは全部残す

2.48 　

32.38 　

4. 事業を継いでくれた子供に多く、もしくは全部残す

0.00 　

6.91 　

5. 自分の面倒をみてくれなかったとしても、長男・長女に多く、もしくは全部残す

0.41 　

7.59 　

6. その他

0.28 　

2.02 　

合計

100.00 　

100.00 　

回答者数

725 　

593 　

備考：子供のいない回答者、子供が１人しかいない回答者、子供の有無・数について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「子供には遺産は残さない」または「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者、遺産の分配に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。

データの出所：表１と同じ。

表11：遺産の内訳の日米比較

資産の種類

相続・贈与を受けたものを残す予定のある回答者の割合(%)

自分で取得したものを残す予定のある回答者の割合(%)

相続・贈与を受けたものまたは自分で取得したものを残す予定のある回答者の割合(%)

アメリカ

住宅・土地

17.28 　

78.12 　

83.82 　

金融資産

21.58 　

80.52 　

84.42 　

その他の資産

15.68 　

54.65 　

57.84 　

合計

32.67 　

96.60 　

100.00 　

回答者数

　　

　　

1001 　

日本

住宅・土地

37.35 　

51.86 　

79.87 　

金融資産

5.96 　

54.78 　

57.26 　

その他の資産

3.37 　

15.52 　

17.89 　

合計

39.71 　

83.35 　

100.00 　

回答者数

　　

　

889 　

備考：子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「子供には遺産は残さない」または「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者、遺産の内訳に関する質問に対し、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。

データの出所：表１と同じ。

表12：相続経験・相続予定別にみた遺産動機の日米比較

遺産に対する考え方

　

　

各考え方を持っている回答者の割合(%)

アメリカ

日本

相続経験または

相続経験も相続

相続経験または

相続経験も相続

1. 子供が老後の面倒をみてくれるか否かにかかわらず、遺産を残すための努力をしたい

49.43 　

35.18 　

25.72 　

14.14 　

2. 子供が老後の面倒をみてくれるならば、遺産を残すための努力をしたい

3.60 　

3.16 　

6.73 　

6.37 　

3. 子供に遺産を残すための努力はとくにしないが、結果的に財産が余れば遺産として残す

45.45 　

57.11 　

66.35 　

72.71 　

4. 子供には遺産を残さない

1.52 　

4.55 　

1.20 　

6.77 　

合計

100.00 　

100.00 　

100.00 　

100.00 　

回答者数

528 　

506 　

416 　

502 　

備考：子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。また、相続経験・相続予定の有無について回答しなかった回答者に関する結果は示していない。四捨五入のため、合計が合わない場合がある。

データの出所：表１と同じ。

　表13：相続予定別にみた親との同居率の日米比較

相続予定の有無

　

親との同居率(%)

アメリカ

日本

相続予定のある回答者

7.02

(228)　

24.61

(191)　

相続予定のない回答者

6.75

(326)　

18.79

(346)　

全回答者（相続予定の有無について回答しなかった回答者を除く）

6.86

(554)　

20.86

(537)　

全回答者

6.80

(559)　

20.82

(538)　

備考：これらの値は、４９歳以下の回答者のうち、１人以上の親と同居している回答者の割合を示す。親との同居の有無について回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。また、相続予定について回答しなかった回答者に関する結果は示していない。カッコ内の値は回答者数を示す。

データの出所：表１と同じ。

表14：遺産動機別にみた子供との同居率の日米比較

遺産に対する考え方

　

子供との同居率(%)

アメリカ

日本

1. 子供が老後の面倒をみてくれるか否かにかかわらず、遺産を残すための努力をしたい

7.53

(146)

63.46 　

(52)　

2. 子供が老後の面倒をみてくれるならば、遺産を残すための努力をしたい

6.67

(15)

63.89 　

(36)　

3. 子供に遺産を残すための努力はとくにしないが、結果的に財産が余れば遺産として残す

12.02

(208)

49.45 　

(182)　

4. 子供には遺産を残さない

7.69

(13)

25.00 　

(16)　

全回答者（遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者を除く）

9.95

(382)

52.45 　

(286)　

全回答者

10.05

(398)

49.70 　

(334)　

備考：これらの割合は、６０歳以上の回答者のうち、１人以上の子供と同居している回答者の割合を示す。子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、子供との同居の有無について回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。また、遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者に関する結果は示していない。カッコ内の値は回答者数を示す。

データの出所：表１と同じ。

表15：遺産動機別にみた子供からの援助の現状・予定の日米比較

遺産に対する考え方

　

子供から援助をもらっている、またはもらう予定の回答者の割合(%)

アメリカ

日本

1. 子供が老後の面倒をみてくれるか否かにかかわらず、遺産を残すための努力をしたい

2.49

(442)　

3.33

(180)　

2. 子供が老後の面倒をみてくれるならば、遺産を残すための努力をしたい

5.88　

(34)　

8.33

(60)　

3. 子供に遺産を残すための努力はとくにしないが、結果的に財産が余れば遺産として残す

1.50　

(532)　

5.20

(654)　

4. 子供には遺産を残さない

0.00

(29)　

17.95 　

(39)　

全回答者（子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者を除く）

2.03

(1037)　

5.57 　

(933)　

全回答者

1.87

(1444)　

5.63

(1172)　

備考：５９歳以下の回答者は、子供からの援助を老後の生活の収入源の一つとして予定しているか否かについて聞かれ、６０歳以上の回答者は、子供からの援助が現在の生活の収入源の一つであるか否かについて聞かれた。老後の生活の収入源の予定に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、老後の生活の収入源の予定または現状に関する質問に対し、回答しなかった回答者は、これらの割合を算出する際にサンプルから排除した。また、子供のいない回答者、子供の有無について回答しなかった回答者、遺産動機に関する質問に対し、「わからない、考えたことがない」と回答した回答者、回答しなかった回答者に関する結果は示していない。カッコ内の値は回答者数を示す。

データの出所：表１と同じ。