『情報メディアの利用意識にみる関東地方の特性』


                             情報システム研究室長 佐藤 正典

1 平成4年2月に関東地方で行った情報メディアの利用に関する調査の山から、情報の不足感やメ
 ディアに関する意識調査部分を取り上げ、情報分野とメディアの関述や不足情報分野の地域的特徴
 を検討した。

2 地元情報の不足感が情報格差感の背景要因として考えられるが、地元情報の入手に適したメディ
 アとしては、新聞次いでチラシを挙げる割合が大きく、テレビを挙げる割合が小さいことが関東地
 方の特徴となっている。

3 不足する地元情報の分野とその入手に通したメディアとの関連からは、情報を地域関連情報と個
 人嗜好型情報に分けた場合、新聞やCATVは地域型、書籍は個人型、テレビ・チラシは中間型と
 なっている。

4 地域別に不足する情報の分野を見ると、大まかな傾向としては東京とその近郊では地域の情報の、
 東京から離れた地域では個人的な情報の不足感が大きくなっている。また、都市規模別では、東京
 から離れた中核都市では娯楽分野の、東京と近郊の都市部では地域行政分野の不足感が強くなって
 いる。

5 地域別の情報入手手段としてのメディア選好の傾向は、県庁所在地域では新聞、東京都内と近郊
 地域ではCATV、東京から離れた地域では書籍やチラシが比較的多くなっている。しかし、全般
 に郡部ではチラシ以外のメディアを挙げる割合が総じて小さく、適当な情報入手手段が見当たらな
 いという現実が見える。