米 国 経 済


景気の現状


〇実質GDP成長率・・・4−6月期は前期比年率+1.4%
実質GDP成長率
96年97年98年
1Q
98年
2Q
実質GDP6,994.8
3.4
7,269.8
3.9
7,464.7
5.5
7,491.0
1.4
個人消費4,762.4
3.2
4,913.5
3.4
5,055.1
6.1
5,126.5
5.8
設備投資776.6
9.3
859.4
10.7
931.9
22.2
957.5
11.4
住宅投資275.9
7.4
282.8
2.5
298.5
15.6
307.9
13.2
在庫投資30.063.291.444.7
純輸出-111.3-136.1-198.5-252.9
輸出860.0
8.5
7.0
12.8
991.9
-2.8
971.3
-8.0
輸入971.3
9.2
1,106.1
13.9
1,190.4
15.7
1,224.2
11.9
政府支出1,268.3
1.1
1,285.1
1.3
1,283.0
-1.9
1,294.8
3.7
GDP価格指数1.91.90.90.8



《ポイント》
・米国の4−6月期の実質GDP(暫定値、季節調整値)は、前期比年率+1.4%と、95年4−6月期以来の低成長となった。一方、GDP価格指数は同+0.8%と低い伸びとなり物価の安定を示唆した。・4−6月期の伸びを需要項目別にみると、在庫投資が3四半期ぶりにマイナス寄与となったものの、最大の需要項目である個人消費が、前期比年率+5.8%と高い伸びを記録した。また、設備投資が前期比年率+11.4%と2四半期連続で二桁の伸びとなったほか、住宅投資も住宅抵当金利の低下等を反映して前期比年率+13.2%と2四半期連続で二桁の伸びとなり、政府支出も2四半期ぶりにプラス寄与となった。一方、純輸出は、輸出が2四半期連続でマイナスを記録したほか、輸入が内需好調を背景に増加基調を維持したため6四半期連続でマイナス寄与となった。  (出所:商務省 7月31日発表)


【解 説】
米国経済は拡大している。但し、4−6月期の実質GDP(暫定値、季節調整値)は、前期急増の反動等もあって前期比年率+1.4%と95年4−6月期(同+0.4%)以来3年ぶりの低成長となった。 NAPM(全米購買部協会)のアンケート調査に基づく7月の景気総合指数によると、製造業は49.1と2か月連続で景気拡大・縮小の分岐点である50を下回ったものの、非製造業では57.5と引き続き景気拡大の持続が示唆された。 需要面では、6月の小売売上高は、季節調整済み前月比+0.1%と伸び率は鈍化したものの8か月連続で増加し、四半期ベースでみても、4−6月期は季節調整済み前期比+1.9%と1−3月期(同+2.0%)に続き堅調な伸びとなった。6月の住宅着工件数は季節調整済み前月比+5.6%と4か月ぶりに増加し、戸数でみると、年率換算161.5万戸となった。設備投資の先行指標とされる6月の非軍需資本財受注(航空機を除く)は、季節調整済み前月比+2.7%と2か月連続で増加した。一方生産面では、6月の鉱工業生産指数は季節調整済み前月比−0.6%とGM社のストの影響を受けて4か月ぶりに減少した。 5月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季節調整値)の赤字幅は、前月比+10.3%の157.5億ドルと4か月連続で増加し、現行統計開始(92年1月)以来の最大額を更新した。地域別貿易収支(通関ベース、原計数)では、対日貿易赤字が49.5億ドルとなり、貿易赤字全体に占める比率は28.1%と、8か月連続で国別赤字トップとなった。 雇用面では、7月の非農業部門雇用者数は、前月比+6.6万人とGM社のストの影響(−14.1万人)を受けて一時的に伸びは鈍化した。一方、失業率(季節調整値)は前月比横ばいの4.5%と依然低水準が続いている。 この間、物価面では、6月の生産者物価は季節調整済み前月比−0.1%、消費者物価は同+0.1%とそれぞれ落着いた動きを示した。  
(8月10日記)