〇実質GDP成長率・・・4−6月期は前期比年率+1.4%
《ポイント》 ・米国の4−6月期の実質GDP(暫定値、季節調整値)は、前期比年率+1.4%と、95年4−6月期以来の低成長となった。一方、GDP価格指数は同+0.8%と低い伸びとなり物価の安定を示唆した。・4−6月期の伸びを需要項目別にみると、在庫投資が3四半期ぶりにマイナス寄与となったものの、最大の需要項目である個人消費が、前期比年率+5.8%と高い伸びを記録した。また、設備投資が前期比年率+11.4%と2四半期連続で二桁の伸びとなったほか、住宅投資も住宅抵当金利の低下等を反映して前期比年率+13.2%と2四半期連続で二桁の伸びとなり、政府支出も2四半期ぶりにプラス寄与となった。一方、純輸出は、輸出が2四半期連続でマイナスを記録したほか、輸入が内需好調を背景に増加基調を維持したため6四半期連続でマイナス寄与となった。 (出所:商務省 7月31日発表) 【解 説】 米国経済は拡大している。但し、4−6月期の実質GDP(暫定値、季節調整値)は、前期急増の反動等もあって前期比年率+1.4%と95年4−6月期(同+0.4%)以来3年ぶりの低成長となった。 NAPM(全米購買部協会)のアンケート調査に基づく7月の景気総合指数によると、製造業は49.1と2か月連続で景気拡大・縮小の分岐点である50を下回ったものの、非製造業では57.5と引き続き景気拡大の持続が示唆された。 需要面では、6月の小売売上高は、季節調整済み前月比+0.1%と伸び率は鈍化したものの8か月連続で増加し、四半期ベースでみても、4−6月期は季節調整済み前期比+1.9%と1−3月期(同+2.0%)に続き堅調な伸びとなった。6月の住宅着工件数は季節調整済み前月比+5.6%と4か月ぶりに増加し、戸数でみると、年率換算161.5万戸となった。設備投資の先行指標とされる6月の非軍需資本財受注(航空機を除く)は、季節調整済み前月比+2.7%と2か月連続で増加した。一方生産面では、6月の鉱工業生産指数は季節調整済み前月比−0.6%とGM社のストの影響を受けて4か月ぶりに減少した。 5月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季節調整値)の赤字幅は、前月比+10.3%の157.5億ドルと4か月連続で増加し、現行統計開始(92年1月)以来の最大額を更新した。地域別貿易収支(通関ベース、原計数)では、対日貿易赤字が49.5億ドルとなり、貿易赤字全体に占める比率は28.1%と、8か月連続で国別赤字トップとなった。 雇用面では、7月の非農業部門雇用者数は、前月比+6.6万人とGM社のストの影響(−14.1万人)を受けて一時的に伸びは鈍化した。一方、失業率(季節調整値)は前月比横ばいの4.5%と依然低水準が続いている。 この間、物価面では、6月の生産者物価は季節調整済み前月比−0.1%、消費者物価は同+0.1%とそれぞれ落着いた動きを示した。 (8月10日記)
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