〇雇用者数の伸び・・・8月の非農業部門雇用者数は、前月比+36.5万人の増加
(出所:労働省 9月4日発表)
【解 説】 米国経済は拡大しているものの、株価下落やGMストの影響などにより一部には弱い動きもみられる。 98年4−6月期の実質GDP(改定値、季節調整値)は前期比年率+1.6%と、1−3月期(同+5.5%)に比べ減速した。ただし、これには前期が好調だった反動やGMストの影響が考えられる。 また、NAPM(全米購買部協会)のアンケート調査に基づく8月の景気総合指数によると、製造業は49.4と3か月連続で景気拡大・縮小の分岐点である50を下回った。 需要面をみると、7月の小売売上高はGMストの影響などによる自動車販売の落ち込みなどから季節調整済み前月比−0.4%と9か月ぶりに減少した。7月の住宅着工件数は季節調整済み前月比+5.7%と高い伸びを示し、戸数でみても年率換算171.8万戸と11年ぶりの高い水準を記録した。設備投資の先行指標とされる7月の非軍需資本財受注(除く航空機)は、季節調整済み前月比−1.8%と3か月ぶりに減少に転じた。一方生産面をみると、7月の鉱工業生産指数は、GMストの影響などから季節調整済み前月比−0.6%と2か月連続で低下した。設備稼働率も低下傾向にある。 6月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季節調整値)の赤字幅は、前月比−8.9%の141.5億ドルと5か月ぶりに減少した。地域別貿易収支(通関ベース、原計数)では、対日貿易赤字が52.5億ドルとなり、貿易赤字全体に占める比率は25.9%と9か月連続で国別赤字トップとなった。 この間、物価面では、7月の生産者物価が季節調整済み前月比+0.2%と落着いた動きを示し、消費者物価も同+0.2%と安定的に推移している。 なお、8月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)では政策金利の変更が見送られた。 (9月11日記)
| |
〇小売売上高(7月)…自動車の落ち込みから季節調整済み前月比−0.4%と9か月ぶりの減少 (出所:商務省 8月13日発表 、コンファレンスボード 8月25日発表)
| |
〇鉱工業生産指数(7月)…GMストの影響などから季節調整済み前月比−0.6%と2か月連続の低下 (出所:FRB 8月14日発表)
| |
〇貿易・サービス収支(6月)…国際収支ベース・季調値の赤字は、141.5億ドルと減少
(出所:商務省 8月18日発表)
| |
|