欧 州 経 済

景  気  の  現  状

○ドイツ:一部に弱い動きがみられるものの拡大持続、フランス:拡大を持続、 イギリス:拡大テンポが鈍化傾向

《ポイント》

【ドイツ】
・98年4−6月期のドイツ実質GDP成長率は、前期比+0.1%(前期比年率+0.4%)と、9四半期連続のプラスとなったものの、前期+1.3%の大幅増の反動から景気拡大のテンポは一時的に鈍化(前年同期比+2.5%)。
・需要項目別にみると、個人消費の寄与度が−0.4%になったこともあり、内需の寄与度は3四半期連続プラスではあるものの、+0.1%に止まる。・外需は、輸入及び輸出の伸びが同じであったため、寄与度0.0%。

【フランス】
・98年4−6月期の実質GDP成長率は、8四半期連続プラスの前期比+0.7%(前期比年率+2.8%)と、景気拡大の持続を 示唆(前年同期比+3.0%)。
・需要項目別では、個人消費の6四半期連続の拡大(寄与度+0.6%)等から、内需が寄与度+0.9%と5 四半期連続のプラス。・外需は、輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったことから同−0.2%と2四半期連続でマイナス寄与。

【イギリス】
・98年4−6月期の実質GDP成長率(要素価格ベース)は、24四半期連続プラスの前期比+0.5%(前期比年率+2.0%)となり、景気拡大の持続を示唆(前年同期比+2.6%)。
・需要項目別では、個人消費の寄与度が+0.4%と、前期に比べ低下するなど、内需の寄与度が前期の+1.1%から+0.5%に低下。
・外需は輸出の伸びが輸入の伸びを上回ったため、同+0.1%と3四半期ぶりにプラス寄与。

(出所:独連邦統計庁、仏国立経済統計研究所、英中央統計局)



【概要:ドイツ経済】

全体
・ドイツ経済は生産関連指標を中心に、総じて堅調に推移。

需要面
・8月の国内資本財新規受注:前年同月比+5.5%(8か月連続で前年を上回る)。 ・8月の製造業新規受注:前年同月比+3.3%。
・7月の小売売上数量:前年同月比+1.6%(2か月ぶりに増加)。

生産面
・8月の鉱工業生産指数(除く建設):前年同月比+6.3%。

外需面
・7月の貿易黒字:輸出が前年同月比+7.6%、輸入が同+4.5%と輸出が輸入を上回る伸びを示したことから同+2.8%の128億マルク(2か月ぶりに前年を上回る)。
・8月の国外向け製造業新規受注:前年同月比+0.1%(30か月連続で前年を上回る)。

雇用面
・8月の失業率:10.9%(前月と変わらず。)

物価面
・8月の消費者物価:前年同月比+0.8%。
・8月の生産者物価:前年同月比−0.8%。