米 国 経 済


景気の現状

〇雇用者数の伸び・・・9月の非農業部門雇用者数は、前月比+6.9万人の増加

(注)シャドーは景気後退期を示す。

《ポイント》
・9月の非農業部門雇用者数は、前月差+6.9万人と8月の同+30.9万人から大幅に伸び幅が縮小した。うち製造業雇用者数は、GMストの影響を除くと6か月連続の減少となる。四半期ベースでみても、7−9月平均同+16.5万人と、4−6月期の+27.9万人から大きく後退した。
・失業率は4.6%と、引き続き低水準で推移しつつも、やや上昇する傾向にある。・インフレ関連指標とされる時間当り平均賃金は、前年同月比+4.0%と高い伸びを示しながらも、4月の4.4%をピークに伸び率は鈍化する傾向にある。

(出所:労働省 10月2日発表)


【概 要】

全体
・米国経済は拡大。一部に弱い動き(アジア経済の影響による製造業の鈍化、世界的な金融市場の動揺などを背景とした先行き不透明感)。
・4−6月期の実質GDP(確定値):前期比年率+1.8%(1−3月期の+5.5%に比べ減速)。
・9月のNAPM(全米購買部協会)景気総合指数(製造業) :49.4(4か月連続で50以下)。

需要面
・8月の小売売上高:季節調整済み前月比+0.2%。
・8月の住宅着工件数:季節調整済み前月比−5.5%(戸数では年率換算161.3万戸と高水準を維持)。
・8月の非軍需資本財受注(除く航空機):季節調整済み前月比+2.4%(2か月ぶりの増加)。

生産面
・8月の鉱工業生産指数:季節調整済み前月比+1.7%(GMスト終結を受け、3か月ぶりに上昇)。

外需面
・7月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季節調整値)の赤字幅:前月比+2.1%の139.2億ドル。
・対日貿易赤字:51.7億ドル(貿易赤字全体に占める比率は21.1%と国別で中国に次いで2位)。

物価面
・8月の生産者物価:前年同月比−0.8%(コア+0.9%)。
・8月の消費者物価:前年同月比+1.6%(コア+2.4%)。金融政策(9月29日のFOMC(連邦公開市場委員会)で決定)
・政策金利:FF(フェデラル・ファンズ)金利誘導目標、5.5%から5.25%へ、0.25%引下げ。公定歩合は5.0%で変更なし。



家 計 部 門

〇小売売上高(8月)…季節調整済み前月比+0.2%と全体では増加したが、内訳はまちまち

(注)シャドーは景気後退期を示す。
《ポイント》
・内訳をみると、耐久財は前月比0.0%と横ばいになった。GMスト終結で増加が予想されていた自動車が値引きの影響等から前月比−0.2%と落ち込んだことが響いた。
食品、アパレルなどの非耐久財は同+0.3%と底堅く推移した。 ・9月の消費者信頼感指数は126.0と、株式市場の動揺を背景とした先行き不透明感などから3か月連続の低下となった。
(出所:商務省 9月15日発表、コンファレンスボード 9月29日発表)



海 外 部 門

〇貿易・サービス収支(7月)…国際収支ベース・季調値の赤字は、139.23億ドルと増加

《ポイント》
・赤字額は、前月比+2.1%と再び増加に転じた。貿易収支についてみると、輸出入とも減少傾向が続いている。
・内訳をみると、サービス収支の黒字が前月比+1.9%と増加、貿易収支の赤字も同+2.0%と増加した。
・対日貿易赤字は前年同月比+1.0%の増加にとどまり、赤字全体に占める割合も21.1%と国別で中国に次いで2位となった(6月まで9か月連続で1位)。
(出所:商務省 9月21日発表)