米 国 経 済


景気の現状

〇雇用者数の伸び・・・12月の非農業部門雇用者数は、前月比+37.8万人の増加

(注)シャドーは景気後退期を示す。

《ポイント》
・12月の非農業部門雇用者数は、前月比+37.8万人と11月の同+25.1万人から大幅に伸び幅が拡大した。ただこれは主として暖冬の影響から建設業が大幅に増加した(同+10.4万人)ことやサービス業の継続的な増加(同+29.0万人)などによるもので、製造業は−1.3万人と3か月連続(GMストの影響を除くと9か月連続)の減少となり、アジア経済混乱などの影響を窺わせた。

・失業率は4.3%と前月の4.4%から低下した。

・インフレ関連指標とされる時間当り平均賃金は、前年同月比+3.8%と高い伸びを示した。

(出所:労働省 1月8日発表)


【概 要】

全体
  • 米国経済は拡大。一部に弱い動き(アジア経済等の影響による製造業の鈍化など)。
  • 7−9月期の実質GDP(確報値):前期比年率+3.7%と堅調な伸び(4−6月期の+1.8%から回復)。
  • 12月のNAPM(全米購買部協会)景況指数(製造業):45.3(7か月連続で50以下)。

内需面

  • 11月の小売売上高:季節調整済み前月比+0.6%(全般に亘って増加)。
  • 11月の住宅着工件数:季節調整済み前月比−2.7%(戸数でみると年率換算164.9万戸と高水準)。
  • 11月の非軍需資本財受注(除く航空機):季節調整済み前月比+2.7%(2か月ぶりの増加)。

外需面

  • 10月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季節調整値)の赤字幅:前月比−1.2%の141.9億ドル(2か月連続の減少、しかし依然過去最高水準)。
  • 対日貿易赤字:59.7億ドル(貿易赤字全体に占める比率は25.9%と国別で最大)。

生産面

  • 11月の鉱工業生産指数:季節調整済み前月比−0.3%(ガス・電力などの公益事業の減少が影響)。

物価面

  • 11月の生産者物価:前年同月比−0.7%(コア+1.3%)。
  • 11月の消費者物価:前年同月比+1.5%(コア+2.3%)。

金融政策(12月22日のFOMC(連邦公開市場委員会)で決定)

  • 政策金利(FF(フェデラル・ファンズ)金利誘導目標・公定歩合) … 据置き



家 計 部 門

〇小売売上高(11月)…全般に亘って増加し、季節調整済み前月比+0.6%

(注)シャドーは景気後退期を示す。

《ポイント》
・内訳をみると、自動車が前月比+1.3%とGMスト終結以来の堅調な推移を続けた他、好調を続ける住宅投資を背景に建築資材(同+1.9%)や家具(同+0.8%)また暖冬にも拘らず服飾(+0.8%)が増加するなど、幅広い分野に亘って活発な消費活動を示唆する内容となった。

・12月の消費者信頼感指数は126.1と2か月ぶりに低下した。

(出所:商務省 12月11日発表) コンファレンスボード 12月29日発表)







企 業 部 門

〇鉱工業生産指数(11月)…公益事業の落ち込み等から、季節調整済み前月比−0.3%と低下
(注)シャドーは景気後退期を示す。

《ポイント》
・業種別にみると、全体の約86%を占める製造業が僅かながらも減少した他、天候要因から電気・ガスなどの公益事業が減少したことが影響した。

・鉱工業設備稼働率は、前月比−0.6%ポイント低下し80.6%となった。

・生産・出荷等の先行指標とされる製造業新規受注は、前月比+0.6%と2か月ぶりの増加となった。
(出所:FRB 12月16日発表) 商務省 1月 7日発表)




海 外 部 門

〇貿易・サービス収支(10月)…国際収支ベース・季調値の赤字は、141.9億ドルと2か月連続の減少

《ポイント》
・赤字額は、前月比−1.2%と2か月連続で減少した。これは資本財や穀物を中心に輸出が好調だったことの影響によるものとみられる。

・内訳をみると、サービス収支の黒字が前月比0.0%と横ばい、貿易収支の赤字は同−0.8%と微減した。

・対日貿易赤字は前年同月比+3.3%と増加し、赤字全体に占める割合は25.9%と国別で最大となった。

(出所:商務省 12月18日発表)