郵政研究所月報
1998. 1
情報通信基盤整備のマクロ経済分析
通信経済研究部 主任研究官 宮田 拓司
研究官 高谷 徹
〔要旨〕
本稿では、情報通信ストックが我が国のマクロ経済に与える影響を定量的に分析できるマクロ計量モデルの概要について述べ、その構築の過程において得られた情報通信ストックのGDP弾力性、過去におけるGDP経済成長への寄与度について述べている。
また、構築されたマクロ計量モデルを用いて、今後、公的固定資本形成のうち、産業基盤的社会資本整備に当てられる資金の一部を電気通信業の資本の整備に振り替えた場合の経済効果について2005年までのシミュレーションを行っている。
本マクロ計量モデルは、情報通信を経済インフラとして位置づけ、公的資本ストックのうち道路や港湾等の産業基盤的社会資本と対比しながら、経済に与える影響を分析できるように構築したところに特徴がある。具体的には、労働、情報通信資本ストック、産業基盤的社会資本、公的及び民間産業資本ストックを説明変数とするコブダグラス型生産関数を推計し、マクロ計量モデルに組み込んでいる。
いずれの分析においても、情報通信ストックが我が国経済の発展に大きく貢献することが明らかになった。 |
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