(日本評論社・1996.1.発行)
著:OECD 訳:安村 幸夫(郵務局要員企画室長) 監訳:郵政研究所本書は、1980年代半ば、日、米、英で電気通信自由化政策が導入されて以後約10年間のプロセスを振り返り、自由化政策の効果が、大幅な料金値下げ、サービス品質の向上、ユーザによる事業者選択の幅の拡大といった具体的な形で電気通信ユーザの利益となって還元されており、ユニバーサル・サービスの進展や新たな雇用の創造にも良い影響を与えていることを各種のデータ等を使用して論証している。欧米の電気通信政策に比べ、日本の政策は遅れをとっているとの印象を持つ方がわが国では多いように思われるが、本書は欧米以上に日本の自由化政策が国内マーケットおよびユーザに大きな利益をもたらしている点を指摘しており、サプライ・サイドではなく、「ユーザ・サイド」から日米欧の自由化政策の「実績」を公平かつ客観的に比較分析した文献として格別の価値を有するものである。