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金融・経済コラム

プレミアムフライデー運動は消費を喚起できるか

政府と経団連等の経済団体は、2017年2月から月末の金曜日を早めに仕事を切り上げ、国民にショッピングや旅行等を楽しんでもらい、消費を喚起しようというプレミアムフライデー運動を実施すると発表した。

米国の年末商戦におけるブラックフライデー(黒字の金曜日)にヒントを得た施策だという。この日には百貨店や飲食店関係団体とも連携し、普段より少し良いモノやサービスを提供するそうだ。定時退社の促進など働き方改革にも繋げ、消費喚起との一石二鳥を目論む腹積もりだろう。


経済再生とデフレ脱却を大上段に振りかざし、国民の期待を一身にあつめて安倍政権が誕生して4年、未だに目標は達成できていない。日本銀行と連携した異次元の金融緩和、機動的財政出動、大胆な規制緩和と構造改革などの成長戦略といったアベノミクスの三本の矢は、金融緩和と財政出動だけが突出したまま、政策効果を十分に発揮できずその限界を露呈して政府債務残高の増大という付けを残しただけで終わりそうな気配だ。

原油安等の外的要因はあったものの2%のインフレターゲット達成には遠く及ばず、当初こそアベノミクスの期待感から円安株高を実現できたものの、米国の利上げが思ったほど進まないところから資金はドルに向かわず円高に回帰し、世界経済の先行き不透明感が重くのし掛かって株も一進一退の状況を脱しきれない。

政府は景気てこ入れを図ろうと4.5 兆円の国費を投入し28 兆円規模の経済対策に取り掛かったが、公共工事中心の施策に新鮮味は感じられず、その必要性や経済波及効果に疑問が提示される有り様だ。


安倍政権の経済政策は、アベノミクス、地方創生、女性活躍社会構築、一億総活躍社会実現、働き方改革とスローガンを次々と掲げたものの、どれ一つとしてどのような成果を上げたのかが明確に示されていないのではないか。

施策を練り、予算を付けるところまでははっきりしているのだが、それがいつ実行され、どのような効果をもたらしたのか、経済や国民生活がどれだけ向上したのかがよくわからない。

PDCA のPlan はわかるが、Do、Checkが不明確で、政策効果の検証が行われないまま、次のActionが行われて新たなスローガンや対策が出てくるといった具合だ。だから、政策の重複や二番煎じが回避できず新鮮味に欠けるという批判を封じ込められないのではないか。


今回のプレミアムフライデー運動も官主導の消費喚起策だ。民間が本業にメリットがあると実感するような内容になっていなければ、お座なりのお付き合いに終わるリスクは拭いきれない。本当に仕事が効率化されて早期退社に繋がり時間ができたと働く人達に感じてもらえない限り、ショッピングや旅行に多くの関心は向かないだろう。

本来このような取り組みは業績向上と社員の福利厚生等の観点から民間が自主的に行うべきものだと思う。いつも官が旗を振らなければならない状況には何かしら違和感を禁じ得ない。



(2016年10月24日 掲載)

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