郵政研究所月報

2001.9

調査研究論文

移動体通信の普及動向


通信経済研究部研究官  中村 彰宏
研究官  吉田  誠

[要約]

  昨年に引き続き、本年1月に実施したアンケート調査をもとに、移動体通信の状況を調査した。

  1.  関東の世帯における移動体通信の普及率は、携帯電話が66.3%、PHSが14.6%、ペー ジャーが1.1%であった。関東全体の世帯においては携帯電話の伸び幅はマイナスに転じ、上昇がとまった。PHSは微増、ページャーは減少となった。また個人普及率は、携帯電話が41.8%、PHSが6.2%、ページャーが0.5%であった。いずれも携帯電話が前回に比べて増加、PHSがほぼ横這いではあるが微増、ページャーは減少となった。

  2.  男女・年齢別の普及率は、携帯電話が男女とも20代が最も多く、それぞれ84.6%、74.4%であった。ただし伸び幅で見ると、男性が10代で+16.5ポイント、女性が40代で+12.6ポイントで、最も大きくなっており、前回と異なった状況になった。PHSも前回と違って、男性は10代、女性は20代でもっとも普及率が高くなっていたが、今回は男性が 30代7.8%(+4.9)、女性も30代11.9(+4.4)であった。ページャーは前回同様非常に低い水準の普及率になった。もっともページャー普及率が高いのは、男女とも60代であり,それぞれ男性が2.6%(+0.6)、女性が1.4%(1.4)と他の年代で全て減少傾向にあるものの60代だけ上昇傾向が見られた。

  3.  加入プラン(料金プラン)については、携帯電話についてはローコールプランが48%と一番多く、標準プランは30%であった。PHSは、標準プランが32%と最も多かったものの、前回と同様に比率は大幅に減少した。

  4.  自営業を除いた世帯における世帯平均支出額は、携帯電話が11,628円,PHSが4,928円であった。



全文 移動体通信の普及動向