郵政研究所月報
2002.4
「ゑれきてる」考証
財団法人電気通信振興会技術顧問・郵政研究所客員研究官 若井 登
郵政研究所附属資料館資料官 井上 恵子
[要約]
摩擦によって静電気を起こす起電機は、西欧では一種の娯楽として17世紀から18世紀にかけて流行した。それが日本に伝えられたのは18世紀半ば頃である。パチパチと火花を出す不思議な箱を見た平賀源内は、彼独自の起電機「えれきてる」を作り出して一躍有名になった。二百数十年前の姿をほぼ完全な形で止めているその「えれきてる」が当郵政研究所附属資料館(逓信総合博物館)に所蔵されている。その「えれきてる」は国の重要文化財であるため、公開展示にはある程度の制約を受ける。そこで当館では平成12年度に、原機と同じ外観・構造を有し、その上起電機として静電気を発生する、いわゆる「機能レプリカ」を製作した。
本報告では、「えれきてる」が作られた18世紀後半の時代的背景と、静電気の歴史、「えれきてる」が渡来した経緯等について述べ、さらに「機能レプリカ」の設計と製作の経過と、その公開実演について報告する。 |
「エレキテル」機能レプリカ |
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全文 「ゑれきてる」考証 [1/2]・[2/2] |