輸送業務における情報通信システムに関するヒアリング調査(第1報)


                                 技術開発研究室 森田 英夫
                                         石井康三郎

 輸送・物流業界における厳しい作業環境、労働条件のもとでの運転手不足の実態及び無線機器等の連絡手段の整備状況を把握し、運輸・物流業界での情報通信システムに対するニーズ動向を特定することを目的として、一般区域及び路線を運行する大手の一般運送会社4社、企業内物流等を主として行っている物流会社4社並びに高速道路や区域の運送を限定輸送下で行っている会社11社へのヒアリング調査を平成3年7月から9月にかけて実施した。

 「輸送業務(トラック)用情報通信システムに関する研究会」では、アンケート調査に基づく業務分析、ヒアリング調査での実状把握及び有識者による研究会を開催し、輸送・物流業界の情報通信システムの将来動向の分析を行っているが、本報告は、ヒアリング調査によって得られた輸送業界における運転手を取巻く環境の整備、通信手段の配備及び位置の把握に対する要望等について示したものである。更に、ヒアリング調査結果の分析から得られる情報通信上の課題として、(1)トラックへの情報通信サービスの広域化、効率化、利用の拡大、(2)より安価な移動体通信サービスの提供、(3)運行管理面を含めた情報化、コンピュータ化、等の必要性を挙げているが、今後の研究会での詳細な分析、検討が期待される。