「郵便処理の完全自動化にむけて」
−21世紀の郵便処理システムの構想の提案−


                               技術開発研究室長 和田 正晴

1 21世紀、郵便事業は高度に近代化されており人間社会にもよりソフトに対応されるべきものと
 考えられる。

  また、年率6%の勢いで増加している郵便物量にも十分に対応することが求められる。

2 本稿では、電気通信技術を活用することにより、郵便物の宛名の認識作業と区分作業とを時間的
 にも地理的にも分離することを可能とし、機械による宛名認識率及び区分率の向上(完全な自動化
 )を狙った郵便処理システムの構想を示す。

3 本構想のポイントは、電気通信の活用、郵便物識別に識別符号の活用、郵便物処理単位の統一に
 ある。

  なお、大口利用者については、コード化された宛名情報の提供を想定している。

4 システムは、機能的に機械化のための前処理部(全国約5千の集配局に設置)、宛名認識等を行
 う情報処理部(全国で14か所に設置)、郵便物の区分作業を行う区分部(全国約200か所に設
 置)及びこれらを有機的に結合する通信ネットワークから構成される。

5 提案のシステムは、道順組立まで自動化することによる作業の軽減、総合的な処理時間の短縮に
 止まらず、深夜・早朝勤務の軽減、労働環境の改善、後方事務処理の軽減、郵便物追跡等の新たな
 サービスの供与、さらには、郵便SISの重要な情報源としての効果が期待できる。

6 また、現在のシステムから本構想のシステムへ、単独の郵便局の区分機の機能向上を図りながら、
 複数の郵便局の連携を順次強め、段階的かつスムーズに移行することも可能である。