「第5回高度郵便工学会議」参加と米国郵便情報機械化の調査(サーベイ報告)


                             技術開発研究センター 吉室  誠
                                        若原  徹

1 近年、情報通信メディアの進展や物流の活性化などの社会環境の大きな変化の中で、郵便物数も
 着実な伸びを示しており、一方で労働力不足は一層深刻化してきている。このため、21世紀へ向
 けての郵便処理システムの更なる高度化・自動化は緊急の技術課題となっている。技術開発研究セ
 ンターでは、文字認識技術の高度化、道順組立の自動化、郵便輸送・搬送システムの将来形態の研
 究などを推進しているところであるが、諸外国での技術開発状況に関する情報を収集し、今後の研
 究体制および研究戦略を構築していくことが必要である。

2 このたび、米国ワシントンで開催された米国郵便公社(USPS)主催の「第5回高度郵便工学
 会議」に参加し、マテリアル・ハンドリング、あて名認識システムなど郵便処埋の高度化・自動化
 に関わる最先端技術の研究発表を聴講した。主要セッションでの発表内容の概要および研究動向を
 記し、当技術開発研究センターでの研究調査との関わりについて述べる。

3 米国における郵便情報機械化の研究開発および導入状況を調査する目的から、USPS工学研究
 開発センター、ウェスタン・ナッソウ一般郵便処理施設、西サクラメント郵便集中局、UPSホノ
 ルル事業所を視察した。

4 米国には情報処理技術に関する先端的な研究機関が幾つもある。今回は、文字認識、コンピュー
 タビジョンの研究に焦点を絞り、AT&Tベル研究所、コロンビア大学、ニューヨーク大学を訪問
 し、研究視察および研究討論を行った。

5 当技術開発研究センターの今後の在り方を考える上で、今回の「第5回高度郵便工学会議」での
 発表内容、USPSでの取り組みは大いに参考となった。研究体制、研究テーマおよび研究交流に
 ついて将来方向を考察する。