「第3回手書き文字認識技術フロンティア国際ワークショツプ」の報告概要

−「構造情報を付加したLATによる手書き数字認識」及び米国の関連先端技術の現状−
                             技術開発研究センター 若原  徹

1 手書き文字図形の機械認識はパターン認識及び人工知能研究者の永年の夢であり、30年以上に
 亙るたゆみない挑戦の歴史がある。ここ数年来、社会の高度情報化が叫ばれる中で文字認識技術へ
 の関心の高まりが著しい。とりわけ、郵便あて名の自動読取は、実用的及び学術的観点からも、手
 書き文字認識技術の中心的な研究対象となっている。当技術開発研究センターにおいても、21世
 紀へ向けて郵便処理システムの情報機械化を一層推進するための研究調査の中で、手書き文字認識
 技術の高度化をその最重要課題として取り組んでいるところである。

2 このたび、米国バッファローで開催されたCEDAR(米国郵便公社・文書解析及び認識研究セ
 ンター)主催の「第3回手書き文字認識技術フロンティア国際ワークショップ」に参加し論文「構
 造情報を付加したLATによる手書き数字認識」の発表を行うとともに、最先端技術の研究発表を
 聴講した。各セッションでの発表概要及び研究動向について述べる。次いで、文字変形予測という
 新概念を導入した報告者の発表論文について概要を説明する。

3 米国における文字認識先端技術を調査する目的から、今回のワークショップの主催者であり米国
 における文字認識研究のセンター的役割を担っているCEDAR、及び濃淡画像処理技術を駆使し
 て文字認識の技術革新を目指すニューヨーク州立大学ストーニィブルック校のテオ・パブリディス
 教授を訪問した。研究内容及び研究環境の視察、技術討論の内容について報告する。

4 当技術開発研究センターにおける文字認識研究を考える上で、今回のワークショップでの論文発
 表及び聴講、並びに先端的研究機関の訪問は極めて有益であり参考となった。当センターにおける
 研究テーマ、研究環境について提言を行う。