No.96 1996年9月

大型郵便物の局内処理の機械化に関する研究

−処理効率の高いコンパクトな新フラット区分機の開発−

                                         技術開発研究センター主任研究官   中村 嘉明

 大型郵便物は、普通通常郵便物の約21%と大量にありながら機械化が進んでいない現状にある。また、現在、差立区分用として配備しているフラット区分機(3局3台)は、処理効率の面から改善の必要性がある。
 大型郵便物の局内処理の実態及びフラット区分機の稼働状況・問題点について調査した結果、区分能力が低いほか、ジャムトラブルの多数発生等により、供給対象郵便物が大口差出の印刷活字郵便物に限定されているなどの問題点があり、処理効率の高い機械処理システムの策定が必要である。
 また、大型郵便物のサイズ・形状・郵便番号記載等の調査・分析を行ったところ、郵便物のサイズ・形状等の大きなバラツキがあるため、これらに対応できる機械処理システムにすることが必要である。
 諸外国の郵便事業における機械化の現状・動向を見ると、先進国では、処理効率の高いフラット区分機の導入に積極的に取り組んでいる。
 これらの調査・分析の結果と最新の機械技術を基に、機械化の方向付け及び最も処理効率の高い機械コンセプトを策定した。
 今後の課題としては、実現化に向けて、この機械コンセプトに基づき、新フラット区分機の機械構成をなす供給部・搬送部・区分集積部それぞれの実験装置を調整のうえ、機能確認・評価分析が必要である。