地球温暖化と経済成長


                                第三経営経済研究部 宮沢 勝一
  1. 地球温暖化問題は、生活水準の向上を目的としたエネルギーの大量消費を背景に、将来のエネルギー需給と絡む深刻な問題となってきている。

  2. 地球温暖化の解決には、その主たる原因である二酸化炭素の排出量を減少させるために、エネルギー消費量を抑制しなければならない。

  3. そのための具体策として、今までのエネルギーの大量消費を見直し、省エネルギー政策を推進する一方で、新エネルギーや二酸化炭素の固定化等の技術開発が不可欠となるものの、こうした地球温暖化対策は、先進国と発展途上国との経済的な利害問題が生じやすい。

  4. 発展途上国は、人口の急増・貧困等の問題を抱え、経済的にこれから発展しようとしている段階である。こうしたなかで、世界的なエネルギー消費量の抑制は、発展途上国の経済成長を阻害するとの反発も多い。

  5. 地球温暖化対策を推進するためには、資源配分の効率性と国家間の資源分配の公平性を考慮し、国際的分業の視点にたった具体策を検討していかなければならない。