最近における物流業の業際化の動向


                               第一経営経済研究部 宮尾 好明

  1. 本稿では、主にトラック運送事業について、最近の経営環境の変化への対応状況、提供サービスの動向、今後の事業展開における注目点について、アンケート調査をもとに分析した結果を紹介する。

  2. 荷主ニーズは多様化しており、「ジャスト・イン・タイム」の要望は各段階で強くなっている。

  3. いわゆる3Kといわれる現業系の職場については、労働力不足が深刻な状況になってきており、今後、女性や高年齢者、外国人労働者の活用が進むと考えられる。

  4. 情報化は、受発注管理、在庫管理などの物流管理面で、顧客との間においてオンライン・システム構築が進む。

  5. 今後、業際化が進展してゆくのに伴い最も注目される機能は、情報オンライン化による物流管理情報機能であり、具体的な業務展開としては、倉庫業の実施が考えられる。

  6. 物流業の業際化は、企業におけるロジスティクス概念の浸透により、今後も推進されていくと考えられるが、物流の各段階において収集される情報のデータベース化と、その有効活用が今後の課題となろう。