メーリングサービス業の動向


                               第一経営経済研究部 北島 光泰

  1. メーリングサービス会社の業務内容は、(1)宛名作成、区分けなど「メーリング・発送代行業務68.4%」、(2)DMの企画・印刷など「付随業務17.5%」、(3)イベント企画など「その他業務14.1%」を行っており、「メーリング・発送代行業務」が主力業務。「メーリング・発送代行業務」の市場規模は、試算では706億円程度と推計された。

  2. メーリングサービス会社の標準的な1ヶ月当たりの取扱(発送)部数は、総数で2億1,000万通、1社平均で340万通。メーリングサービス会社は、事業所(企業・団体)から差し出される通常郵便物のおよそ2割を扱うと推計される。

  3. 回答事業所(郵便大口ユーザー)全体では41.6%が外部委託を行っている。特に、卸小売業では67%が委託を行っている。企業イメージ作りやセールスプロモーションなど重要な企画業務、及び顧客データ等の秘密保持の対策に関わる部分で自社処理が高く、「封入・封かん」、「区分け」といった労働集約的部分で外部委託をする構図となっている。

  4. メーリングサービス会社の経営状況は概ね順調であるが、労働集約的作業が中心で、かつピーク波動が大きいため、人手不足の影響は深刻。
    今後1〜2年の受注見通しについては、まず、メーリングサービス会社の見方としては、増えるとするものが76%と高く、このような観点から、「業務の拡大」、「業務内容の多角化」を予定。一方、郵便大口ユーザーにおいても、発送量の伸び予想とともに委託量及び範囲について拡大意向を示している。

  5. メーリングサービス会社の役割は、郵便物の増加及び企業の経営の効率化の推進により、その重要性は増しているといえる。しかし、経営基盤が比較的小さく、顧客との力関係も弱い等、メーリングサービス会社の経営基盤は必ずしも堅固ではないため、業界の社会的地位の確立が急務である。