「米国における自動車電話・携帯電話の動向」


                           情報システム研究室研究官 藤井 正人

1 米国における自動車電話は、1921年に始まった。

  その後、1946年にMTSという都市内の自動車電話サ一ビスが開始され、1964年にはI
 MTSというシステムに更改された。

2 現行のシステムであるセルラ一方式自動車電話は、1947年に開発された。

  1970年に自動車電話のために800MHz帯の50MHzを割り当てることに決定され、1
 981年に全米を306のMSAと428のRSAの市場に分け、各市場において、電話事業者と
 電話事業者以外の会社の2つの事業者に免許を与えることとされた。

  1983年にシカゴにおいて米国最初のセルラー方式自動車電話のサーヒスが開始された。

3 現在までのところ、ほとんどすべてのMSAで2つの自動車電話事業者がサービスを提供し、R
 SAにおいても少なくとも1つの自動車電話事業者がサービスを提供している。

  1991年末現在、全米の契約者数は750万件である。

  自動車電話の加入は、自動車電話事業者の他に、リセーフー、エージェント、ディーラーが扱っ
 ている。

  電話機器については、加入者が自由に購入できる。

  電話機器の価格の低下と携帯型の電話機器の小型・軽量化が、普及に弾みをつけている。

4 自動車電話業界の最近の動向として、事業者の吸収・合併と事業者間の提携がある。

  また、自動車電話の不正使用が問題になっている。

5 今後の動向として、自動車電話のキャパシティーを拡大するため、デジタル方式自動車電話の導
 入が予定されている。

  このアクセス方式について、TDMA方式、CDMA方式等が提案されている。

  また、現行の自動車電話システムのセル半径を小さくしたマイクロセル・システムや小型携帯電
 話サービスであるPCSの実験も行われている。