83 1995年9月

『米国における電気通信政策に関する文献サーベイ』

                           通信経済研究部主任研究官 柳澤 和子
  1.  米国におけるAT&Tの分割という大きな産業構造の変化を引き起こした出来事から既に10年が経過した。当時の反響は大きく、国外でも政策担当者をはじめ、経済学者等の間にも波紋を呼んだ。
  2.  我が国では、特に電気通信事業の経営形態見直しという時期を迎えた昨今、やはりこの10年前の政策転換が及ぼした社会的、経済的影響を無視できない。
  3.  本稿は、これを踏まえて、米国の研究者の間でどのような議論、あるいは評価がなされたかに焦点を当て実施した文献サーベイの結果を簡単に紹介するものである。
  4.  文献を紹介するに当たっては、(1)AT&Tの分割に至るまでの経緯、(2)その後の電気通信産業の市場変化、の2つの観点からとした。