No.92 1996年5月

情報通信産業がマクロ経済に及ぼす影響に関する分析

                           通信経済研究部主任研究官 佐々木祐二

 21世紀を直前に控えた現在、我が国の経済・社会は構造変革が求められている。昨年11月の経済審議会の答申にもあるとおり、新しい経済社会を支える基盤として情報通信の高度化の推進を図ることは重要であり、現在我が国が抱えている諸課題の解決にも大きな貢献ができるものと期待されている。
 情報通信基盤(情報通信資本ストック)はこれまで日本経済の発展に大きな寄与をもたらしてきており、情報通信基盤整備は我が国の中長期的な経済発展を確保する上で極めて重要な役割を担っているものと考えられる。また、多様なアプリケーションの開発を通じて医療、福祉、就労、教育等生活全般にわたる質の向上が諮られ、情報通信分野における国際貢献の推進により世界経済の成長の維持、世界市民の生活の向上に資することが期待される。