情報通信システム研究室 担当主任研究官 井手 修
[要約]
従来、中小企業の情報化や、情報化による地域産業の活性化が言われ、そのため各方面でその支援策として種々の施策が行われてきた。その一方、中小企業自体にも、一部先進的企業を除いては、情報化に対する意志はあっても、資金力やノウハウの不足以前に、資金繰りや日々の業務に忙殺されており、情報化に対処できないのが現実であるし、先進的企業が単独でインターネットにホームページを開設して情報発信を行っても、知名度がない中小企業にとっては、ヒットされない可能性があり、またヒットされても、信用力が不明な中小企業だと無視される可能性がある。 インターネットは、中小企業のニーズを解決する手段とはなり得ないのであろうか? そこで、本稿では、中小企業のニーズと、それを解決してくれるシーズ側との、互いの要求を結びつける仲介業務を行うエージェントサービスを提案する。本稿では、このエージェント・サービス機構を、サーキュレータと命名する。このサーキュレータは、 @ニーズ側、Aシーズ側、B有機的にネットワーク化された専門家をネットワークとして持ち、 @エージェント機能、A知的資源、Bコーディネート機能によって構成される。また、エージェント・サービスの特徴は、 @中小企業の信用を醸成し、Aルーズな結合を有効に使い、Bコーディネートとアシストを基本とするものである。 この基本構成をもとに、サーキュレーターのエージェント機能のプロトタイプ・システムを提示する。 |
1. ニーズ・サーキュレーター
1.1. 中小企業向けエージェント・サービス構想
企業にとっては、生産や販売などの主業務の他、直接売上げや利潤に結び付かない、非定型業務や、間接業務がある。大企業の場合、これら業務は、それらに対応した専門の部署や人員があり、主業務に影響することなく、対処可能である。
しかし、中小企業にとっては、人員がなく、非定型業務も主業務と兼務して対応せざるをえなくなり、そのため、本業以外のことに、時間と労力が削がれる結果となる。
そこで中小企業のニーズをより効率よく処理するため、ネットワークを活用した機構が考えられる。
1.1.1 エージェント・サービス構想
エージェント・サービスが構築するネットワークを、図表1に示す。ここでは、エージェント・サービスの概要を説明し、詳細は、「1.2.2
サーキュレーターの機能」以降で述べる。 本稿では、このエージェント・サービス機構を、ニーズを企業間で循環させる仕組みの意味で、ニーズ・サーキュレータと命名する。(1)
ネットワークサーキュレーターを取り巻くネットワークは、以下のフレームからなる。
(1) ネットワーク
サーキュレーターを取り巻くネットワークは、以下のフレームからなる。
ア . ニーズ側
サーキュレーター参加している、ニーズを公開したい中小企業である。サーキュレーターに参加する中小企業についても、特定業種に限ったり、地域に限ることにより、サーキュレーターの性格が明確になる。
イ . シーズ側
中小企業のニーズを解決してくれる一方の側である。シーズ側も、立場を変えれば、ニーズ側であるが、ここでは、サーキュレーターに参加している中小企業のニーズを解決する外部の組織という立場で、シーズ側と呼ぶ。
このシーズ側は、外部の大企業であったり、官公庁であったり、個人であったりする。また、外部に限らず、当然、エージェント・サービスに参加している中小企業も有り得る。
ウ. 有機的にネットワークされた専門家
インターネットの特徴は、あらゆる人、組織と緩い関係を、ネットワーク上で実現できることである。
従って、エージェント・サービスで各分野の専門家を抱える必要はなく、この緩い関係を活用すればよい。
図表1 サーキュレーターのネットワーク
(2) サーキュレーターの構造
サーキュレーターは、以下の3つの柱からなる。
@ エージェント機能
A 知的資源
B コーディネート機能
ア . エージェント機能
エージェント機能とは、中小企業のニーズと、外部のシーズを合致させて、中小企業のニーズを解決する機能である。この場合の中小企業のニーズには、単なる販売に限らず、多様なニーズがある。これらニーズをサーバに登録することにより、外部からの検索を容易にし、ニーズ側とシーズ側の仲介業務を行う。
イ . 知的資源
エージェント機能が、時系列に情報を処理するフロー的側面とすれば、知的資源は、処理を行うためのデータや、処理の過程で得られたノウハウや情報などを蓄積した資源である。
エージェント機能は、以下の知的資源を持つ。
(ア) ニーズ・データベース
中小企業が求めるニーズを格納している資源である。
(イ) 企業情報
エージェント・サービスに加入している中小企業の会社照会、財務情報などの、外部から照会された場合、最低限必要な客観的データである。これは、ホームページという形で公開されることにより、外部から自由に閲覧できる。
(ウ) 問題別データベース
中小企業が持つノウハウや、業務を遂行する場合派生する色々な相談や、その解決方法を蓄積したデータベースである。
ウ. コーディネート機能
機構を円滑に機動させるためには、施設や設備等のハード面や、プログラムやデータベース等のソフト面の他、人的資源が重要となる。本業以外の知識には疎い中小企業を支援する面で、コーディネータ的存在が必要である。コーディネータは以下の事を行う。
中小企業の要件を掘り起こし、具現化し、実現度を見極める。要件が、不特定多数に対するニーズや、広範囲に公募するニーズであれば、ニーズ・データベースに登録する。
中小企業が相談、助言を必要とする場合や、事業遂行上の各種手配、手続きを行う場合、「有機的にネットワーク化された専門家」を仲介する。
1.1.2 サーキュレーターの機能
サーキュレーターは、上で述べたようなネットワークと構造を持っているが、その機能の流れを以下に説明する。サーキュレーターは、中小企業のニーズを解決する事を目的としている。中小企業のニーズを抽出し、そのニーズを解決するまでの流れを、図表2に示す。
図表2 ニーズとシーズの仲介
(1) ニーズの登録(フェーズ1)
中小企業のニーズをサーキュレーターが提供するニーズ・データベースに登録する。ここで重要な事は、以下の事である。
中小企業が自らのニーズを的確に表現できない場合、サーキュレーターが支援する必要が出てくる。その意味で、サーキュレーターに所属するコーディネータが重要な意味を持つ。
中小企業自ら登録する場合もあれば、中小企業がインターネット環境を持たない場合、サーキュレーターがニーズの登録を代行する必要が出てくる。
中小企業の自主的なニーズ登録を待つだけでは、ニーズ・データベースの内容は活性化しない。中小企業に直接働きかけ、ニーズを掘り起こすことも、コーディネータの重要な仕事である。
登録されるニーズの内容は、基本的には、中小企業の自主性に任せるべきであろう。しかし、サーキュレーターそのものの信用は、データベースに登録されるニーズの内容の信憑性に裏打ちされなければならない。
そのためにも、サーキュレーターは、ニーズの信憑性を審査する必要がある。
(2) ニーズの検索(フェーズ2)
ニーズ・データベースに登録されたニーズは、外部の企業、官公庁、団体等のシーズ側から検索される。ただし、この場合でも、ただ検索されるのを待つだけでは、膨大なWWWサーバの中から、自サーバへはなかなかアクセスされないであろう。そのためにも、マスメディアを使った宣伝広告、著名ディレクトリ・サーバへの登録や、著名ホームページへの広告掲載、各種企業や、業界団体への働きかけが必要となる。
また、ニーズ・データベースの中からニーズを抽出する検索アプリケーションの提供も必要となろう。
シーズ側が、自分の目的にあったニーズをヒットした場合、シーズ側としては、そのニーズを登録した中小企業の信用性と、ニーズの内容の信憑性が重要となる。シーズ側としては、中小企業の業務内容や、財務状況は、サーキュレーターのホームページで入手できるが、ホームページの内容には第三者の評価がないため、調査機関や金融機関に照合する事になる。この場合、シーズ側が独自に行う場合もあるが、サーキュレーターとしても、シーズ側からの問合わせに対して、サーキュレーターと有機的にネットワークされた専門家を紹介するなどの支援が必要となろう。
また逆に、シーズ側から、ニーズ側へ商談の申込があっても、シーズ側企業が未知の場合が有り得る。その場合、シーズ側企業の信用調査を中小企業独自で行う場合でも、信用調査のノウハウが不足していたり、相談相手が分からない場合がある。それらの問題を補完するため、サーキュレーターで、有機的にネットワークされた専門家を紹介するなどの支援が必要となる。
(3) 契約(フェーズ3)
契約は、あくまでもニーズ側とシーズ側の当事者間の問題である。但し、契約の内容によっては、当事者間では解決できない場合がある。
例えば、ニーズ側とシーズ側で、ニュー・ビジネスを起こそうとした場合、出資比率、資産配分、知的所有権、利益配分等の問題がある。これらの問題を当時者間で調整しようとすると、中小企業に不利な契約になる可能性がある。そこでサーキュレーターとしては、中立な第三者を調停者とするため、サーキュレーターと有機的にネットワークされた専門家を招聘する等の支援が必要である。
(4) サーキュレーターの立場
以上に述べたように、サーキュレーターはあくまでも、仲介や支援を行うべきであり、直接当事者とはなるべきではない。
もし当事者となった場合、全ての業務を直接行う事になって、大規模な組織となると同時に、ニーズ側とシーズ側の利害関係に巻き込まれる可能性があるためである。
1.1.3 有機的にネットワークされた専門家
「1.1.2サーキュレーターの機能」で見たように、サーキュレーターでは、直接中小企業のニーズを解決するのではなく、中小企業に対し、そのニーズを解決するための場を提供し、ニーズ解決の活動を支援する。ただし、中小企業のニーズを解決するためには、専門的な知識やノウハウが必要となる。その場合、サーキュレーター自らそのノウハウを持つには、限界がある。そこで、専門的な知識やノウハウを持った専門家を、エージェント機構にどう取り込むかが重要となる。
(1) 中小企業の業務支援
中小企業にとっては、日常の活動に対しては、自己解決するものである。しかし、新規業務や、非定型業務の場合、新たに知識やノウハウを習得する必要が出てくる。中小企業がサーキュレーターを介して商談を受けたとしても、それを契約まで持ち込むまでには、実現度合や採算性の目星を着けたり、各種手続きの手順、書類の書き方など、それらの知識やノウハウはあらゆる分野に及ぶ。図表3に業務支援を行う分野を整理する。
(2) 有機的にネットワークされた専門家
大企業の場合、図表3で示した業務は、内部にその様な専門部署を持ち、自己解決している場合が多い。しかし、中小企業の場合は、上記のような非定型的な業務に即した組織や人員配置を行う事は不可能である。そのため、中小企業のこれら業務を支援するための、各種公共団体や専門家が存在する。
サーキュレーターとしては、専門分野の専門家を内部保留する必要はなく、ネットワークとして連携を持てばよい。中小企業からの要望により必要となった時点で、このネットワークを利用して中小企業に紹介する。このネットワークの一つの手段として、インターネットは有効である。現在、大学は勿論の事、省庁や、各自治体、公的・民間の学術研究所・技術研究所、商工会議所等、インターネットに参加しており、これらの組織と連携する事により、中小企業の業務支援が可能となる。
2. 中小企業向けサーキュレーターのプロトタイプシステム
1章で考えたサーキュレーターの機能を実現するためにはどんなシステムを構築したら良いだろうか。今回は中小製造業にを対象としたサーキュレーターの機能構成について検討し、プロトタイプを作成する。中小製造業でのサーキュレーターに要求される機能は多岐にわたるため、ケーススタディーとして受発注に焦点をあてた検討を行い、プロトタイプを作成する。
図表3 業務支援の分野
法律・条例 | 商法、民法、労働基準 法知的所有権、工業所有権 PL法、消費者問題、環境問題 JIS/ISO, 各種規格 等々 |
経営一般 | 経営戦略、事業分野開拓業務改善、 BPR労務福祉財務、商務、税務 等々 |
国際化 | 進出先外国の事情、法制度 海外進出時の各種手続き 提携先企業の各種調査 労働事情、国民性、生産性 等々 |
業種対応 | 政治・経済情勢 業界動向、市場動向 取引慣行、関連団体の事情 等々 |
技術対応 | CALS CAD/CAM FA/OA,情報化、ネットワーク化 研究開発等々 |
その他 | 異業種交流 行政手続き、登録手続き 資金調達 人材育成、教育訓練 |
2.1. サーキュレーターを考えるに当たっての基本的考え方
(1) インターネットにおけるサーキュレーターでは、利用者であるニーズ側、シーズ側と、問題を解決を助けるコーディネーターがそんざいするが、ニーズ側、コーディネーターとシーズ側との間では面識がない事が想定されるため、コーディネーションを含めた取引においては、取引情報以外に、それに関係する企業やコーディネーターの信用情報(相手の適切性を判断できる情報)、付帯情報(例えば取引における相手企業の所在地など取引に付帯する条件)が必要となる。このため、取引においては取引条件以外に信用情報と付帯情報を付加する。
* サーキュレーターの中に、ニーズ、シーズ側が相手を判断できるようにするため自己の情報(シーズ、ニーズ情報、信用情報、取引の付帯情報)を登録、更新する機能を提供する。
* サーキュレーターの中に、コーディネーターの適切性を判断できるように自己の情報(同上)の登録、更新する機能を提供する。
(2) 上記登録、更新機能を使用する場合においては本人である事の確認のため、認証局の証明書を添付すると共に、デジタル署名で本人が入力・更新したことを証明できる手段を講じ、責任の明確化を行う。
(3) インターネット環境下の未知の相手とは受発注業務において即時に「物、技術等」を注文するのではなく、自分のニーズ、シーズにあった企業を検索し、条件にあった企業を検出した後は、面談、書類等の手段により最終目的の受発注行為に至ると考える。コーディネーターについても同じ事が言える。具体的な取引はこの確認が終わり、双方のニーズ、シーズが適合した場合に行われる。
(4) ニーズ側はシーズ側の登録した情報を検索しニーズを解決する方法(検索型)と、ニーズを登録しておきシーズ側からの応対を待ちニーズにマッチした最適なシーズを選択する(登録型)2つの機能が必要と考えられる。シーズ側においてもこの関係は同じである。このため
* ニーズ、シーズ側に検索機能を提供する。
* ニーズ、シーズの登録機能を提供する。
(5) 製造業における受発注に関連するものは主として生産の資源になるものつまり以下のものと考える。
* 素材
* 部品
* 製品
* 技術
(6) その他生産資源としては、金、人、ノウハウ・特許などが考えられる。これらは受発注と別の分野に属したり、中小企業にまれにしか該当しないと考えられるので今回の検討の対象外とする。
ニーズとシーズが合致した商品((5)であげた、素材、部品、製品、技術)が発見された時取引(受発注)が発生すると考える。
従って、ニーズ側とシーズ側は要求するか提供するかが異なるのみで商品は共通と考え、検索、登録は基本的には同じ構成の画面で処理が行えると考える。ニーズ側、シーズ側の条件をマッチングさせるため、素材、部品、製品、技術に細分類を設け登録、更新、検索時には細分類を選択する。この細分類を使えば、ニーズ側にあったシーズをAuto-By-TelのようにE-mailで自動配送する等の機能を付加する事ができると共に、将来はインテリジェント・サーキュレーター(例えば条件にあった最も安価な素材を自動で探してくるなど)などサーキュレーターに付加価値をつける事ができる。
* ニーズ、シーズ、検索条件に細分類を与える
(7) コーディネーター、ネットワーク化された専門家は、中小製造業者のニーズ、シーズを解決を助けるために、サーキュレーターに登録する。中小企業者は自己の問題を解決するため、自分の条件にあったコーディネーター、専門家を選択し、メール等で問題を投げかける。
* ニーズ、シーズ、コーディネーター、専門家側からの検索機能、メール機能を提供する。コーディネーター、専門家はメールへの回答という形で問題解決を助ける。
(8) インターネットの利用は他のオンラインシステムと同じく自己完結型つまりサーキュレーターのホームページにアクセスすれば即使える条件が必要である。また、サーキュレーターの機能の拡張時にも容易に拡張機能が使えるようにする必要がある。
* オンラインマニアルの機能をメニューに付加する
上記の考え方に従って、サーキュレーターを検討する。
図表4 ニーズ側、シーズ側情報登録、更新情報(1/2)
項目 | 記載例 | 備考 |
登録 | ニーズ | シーズ側は シーズを登録 |
会社名 | ○○○○○ 株式会社 | |
住 所 | 〒 105東京都 港区○○−○○−○○ | |
代表者 | ○○ ○○ | |
電話 | 03-1234-5678 | |
FAX | 03-1234-5679 | |
○○@○○.co.jp | ||
創業年 | 1900 | |
資本金 | 1000 | |
業 種 | 一般機械機具 | |
必要/提供品 (S) |
部品(表2に部品の細分類あり。表2の細分類を選択) | シーズ側必要、 シーズ側提供 |
年 商 | 1000 | |
取引銀行 | ○○ ○○ 銀行 | |
敷地面積 | 700m2 | |
工業敷地 | 600m2 | |
所属団体 | (社)計測自動制御学会 | |
従業員 | 25人 | |
得意先名 | シリコニット高熱工業(株)/関東冶金工業(株)/京浜工事(株)/富士電機製造(株) 他250社 |
|
事業形態 | 多品種少量 | |
外注比率 | 10〜30% | |
得意分野 | 大電流用切替スイッチ(60A〜2000A)、大電流用乾式変圧器(5000A、50Vクラス)、電気炉用温度、制御、監視装置、搬送装置、制御、監視配電盤 | |
技術 (S) |
板金/溶接/プリント基盤/組立/配線(表2に細分類あり。細分類より選択) | |
取扱素材 | 炭素鋼/銅/アルミニウム/銀/真鍮/プラスチック/その他化学製品/木・紙 (表2に細分類あり) |
|
規格精度 | 組立 JIS規格を余裕をもってクリアーするスイッチ、乾式変圧器の設計製作,配線 電気炉に関する温度、搬送などの制御・監視盤の設計 及び製作,溶接 銅バーのロー付加工による大形コイルの製作 | |
主な設備 | シャーリング(1)[アマダ]3.2×2700/ベンダー(1)[アマダ]80ton/コーナーシャー(1)[アマダ]CS2201/ニブ リングマシン(1)[プルマックス]2.2kw/セーパー(1)[日伸]2.2kwストローク700 | |
研究開発 | 有 り | |
開発分野 | 大電流用スイッチ 半導体を用いた制御装置設計・試作、 各種計算機のソフトウエア設計 |
|
ニーズ、シーズPR | 当社は電気炉とその周辺の搬送装置などの自動制御を行う配電盤を 設計・製作している会社です。常に新技術の研究と生産技術の向上につとめて おり、毎年、数件づつの特許や実用新案を取得しています。下記の様な自社開 発の制御ユニットを配電盤に組み込んでおります。 (1)変圧器用タップ切替 スイッチ(英、米、佛、独、伊、加、日の特許取得) (2)サイリスタ式電力 調節器(USA特許取得、日本出願中) (3)5000A/50VクラスのH 種乾式変圧器(二次コイルC種絶縁) (4)交流実効値変換器・断線警報器・半導体など電子部品応用の各種制御装置。 |
ニーズ、シーズの訴えたい事を書く |
条 件 (S) |
共同研究 希望する 共同受注 希望する 情報交換・研修 希望する |
|
更新年月 | ○○年○○月 ○○年○○月 | |
有効期限 | ○○年○○月 |
2.2. エージェント機能で必要な情報
(1) ニーズ側、シーズ側情報登録、更新情報
ここでは、ニーズ、シーズの突き合わせを行うため必要な情報を示す。図表4に、ニーズ、シーズ、信用情報、付帯情報の登録、更新機能の対象となる項目を示す。これらは地域、産業、サーキュレーターの目的によって異なるが、一般的と思われる項目を記載している。
通常企業の信用情報とし、第三者による企業の評価点、過去3年に売上高推移、業界でのランクを付加するが、今回は中小企業を対象としていて、この評価のみだと取引に至らない事が想定されるため、項目から落とした。
(2) コーディネーター、ネットワーク化された専門家登録機能
ニーズ側、シーズ側がコーディネータや専門家に支援を依頼する場合、そのコーディネータの評価する以下のような情報がである
* 専門家のスキル
* ニーズ側から見ての信用情報
* 付帯情報登録、更新時に必要となる項目(地域、産業、サーキュレーターの目的によってかわりうる)を図表5に示す。
図表5 専門家登録情報
【氏名】○○ ○○ 【性別】男 【年齢】45才 【住所】〒105 東京都 港区 【電話】03-5401- 【FAX】03-5401- 【E−mail】●● @ .xx.jp *【専 門 部 門】工業 *【外国語能力 】○○語 日常会話レベル *【海外業務経験】米国 販売チャネル開拓 *【業務地域】九州 *【主とする業務内容】コンサルティング *【種類】経営活性化指導、事業転換指導 *【指導部門 】経営部門 *【指導テーマ 】開発指導 *【業 種】製造業 【実 績】○○社経営改善 【報 酬】○○ 【自 己P R 】フリーフォーマット |
(3) ニーズ、シーズ検索画面
ニーズ側が自分の条件にあったシーズ企業を探し出すのに使用したり、また逆の利用に使用される。先にも述べた通り条件にあった企業を探し出し、それからニーズ側、シーズ側が交渉すると考える。検索は、メニュー方式での検索、キーワードでの検索の2つの自分にあった検索を実施すると考えた。製造業でのニーズ側は以下の切り口からシーズを探すと考えた。図表6に示した項目のうち業種から設備までがシーズ索検のメインのアクセス方法と考えられるが、補助的な情報で利用する事を考え、項目に上げている。
各選択項目は、セレクト式になっており、(例えば業種を選択すると鉄鋼業、非鉄金属など表示される)選択形式で操作ができ、必要な項目のみ選択し、項目間のAND,OR条件による論理演算ができるものとする。各項目には図表7,8,9に示した細分類が必要である。検索により、該当候補企業が表示されると、会社名をクリックするとニーズ、シーズ企業の内容が表示される。
図表6 ニーズ、シーズ検索項目
*【選択 】ニーズ *【業種 】金属製品 *【必要・提供品】部品 *【技術 】研磨 *【素材 】特殊鋼 *【設備 】工作機械 【所在地 】港区 【会社規模】○○人以上 【キーワード】 |
図表7 検索項目細分類
細分類 | |
業種 | ・食料品・繊維工業(除.衣料等)・衣料その他の繊維製品・木材/木製品・家具/装飾品・パルプ/紙/紙加工品・出版/印刷/同関連産業・化学工業石油製品/石炭製・プラスチックゴム製品・鉄鋼業・なめし革/同製品/毛皮・窯業/土石製品・非鉄金属・金属製品・一般機械器具・電気機械器具・輸送用機械器具・精密機械器具・その他 |
提供品 | ・製品・部品(各々の細分類は付表参照) |
素材 | ・銑鉄・鋳鉄・炭素鋼・真鍮・木/紙・ステンレス・その他の鉄・その他非鉄金属・繊維/皮革・銅・鉛・アルミニウム・ガラス・食料品・金・銀・白金・セラミック・ニッケル・亜鉛・チタン・プラスチック・その他 |
設備 | ・工作機械・産業用機械・流体機器/装置保安/環境保全機器・計測/測定装置情報処理/周辺装置・制御/監視装置・電子部品関係・その他 |
技術 | ・鋳造・鍛造・熱処理・板金・製缶・溶接 ・プレス・絞り・曲げ・切断・切削・研削・研磨・塗装・鍍金・プラスチック成形・プリント基盤・組立・配線・打鋲・カシメ・印刷・木工・縫製・原材料関係・金型・治工具・食品加工・その他 |
図表8 製品細分類
製品 | 鉄鋼・非鉄金属・一般機械機具・電気/電子製品、運輸/運搬機械・化学工業製品・住宅構成財/建材・生活用品・文化用品・その他の製品 |
図表9 部品細分類
部品 | 機械要素部品、電気・電子部品・金型・治具/工具 |
(4) コーディネーター、専門家検索機能
コーディネーター、ネットワーク化された専門家を選択する場合は図表10に示す項目を入力する。検索項目は必要な物を選択記入し、論理演算を実施すると候補一覧が表示され、これをクリックすると、コーディネーター、ネットワーク化された専門家の登録・更新情報が表示される。専門家選択後、E-mailの項をクリックると、相談したい事柄を記述するメール画面が表示される。
図表10 コーディネーター、専門家検索項目
【住所】東京都 【専 門 部 門】工業 【外国語能力 】○○語 日常会話レベル 【海外業務経験】米国 販売チャネル開拓 【業務地域】九州 【主とする業務内容】コンサルティング 【種類】経営活性化指導、事業転換指導 【指導部門 】経営部門 【指導テーマ 】開発指導 【業 種】製造業 【報 酬】無料 【キーワード 】 |
(5) オンラインヘルプ機能
通常のオンラインサービスのように、このサーキュレーターの特長、できる事、利用例、料金(有料の場合)を説明する。
画面遷移を図表11に示す。
図表11 オンラインヘルプ機能
1.概要 本サーキュレーターは、中小企業振興のための解決して欲しい事柄(ニーズ)、解決できる事柄(シーズ)を登録し、コーディネターが問題の解決を援助します。このサーキュレーターは製造業を対象としております。 2.コーディネイターサービス提供時間 曜日 サービス提供時間 (月) 〜 (土) 10:00 am 〜 5:00pm (祝)(日) お休み 3.ご利用料金(有料の場合) 本サービスは○○の追加料金が必要です。 4.利用例 実際の処理の内容を提示す。 |
2.3. エージェント機能のプロトタイプ画面
今まで整理したエージェント機能で必要な情報をもとに、実際のエージェント機能のプロトタイプ画面を作成してみる。各画面の遷移を図表12に示す。図表12で網掛してある部分は、画面として示す。
(1) 画面1:トップメニュー
サーキュレーターのホームページのトップメニューである。ここにサーキュレータの持つ機能の一覧が提示される。
<画面1>
(2) 画面2:ニーズ・シーズ検索画面
事業展開支援の中で、ニーズを解決してくれる企業を検索する画面である。各項目のキー値は、プルダウン方式で選択できる。
<画面2>
(3) 画面3:検索結果一覧表示画面
画面2で検索できた企業の一覧である。本プロトタイプでは提示していないが、検索企業が多数検出できた場合、その一覧から更に絞り込む機能が必要となる。
<画面3>
図表12 受発注、コーディネーターの機能に限定した画面遷移の例
(4) 画面4:検索結果個別企業表示画面
画面3で検出できた企業の一つを表示した。この画面はサーキュレータが提供する情報の一例であるが、検出企業が自前のホームページを提供している場合は、URLをリンクすることにより、その企業固有の情報が入手できる。
<画面4>
(5) 画面5:ニーズ・シーズ登録画面
エージェント機能で検索する際必要となるキーの値や、その他の企業情報を、画面5で登録する。
<画面5>
(6) 画面6:専門家検索画面
有機的にネットワーク化された外部の専門家を検索する画面である。ここでも、各項目のキー値は、プルダウン方式で選択できる。
<画面6>
(7) 画面7:検索結果一覧表示画面
画面6で検索できた企業の一覧である。本プロトタイプでは提示していないが、検索企業が多数検出できた場合、その一覧から更に絞り込む機能が必要となる。
<画面7>
(8) 画面8:検索結果個別専門家表示機能
画面7で検出できた専門家の一つを表示した。この画面はサーキュレータが提供する情報の一例であるが、その専門家が自前のホームページを提供している場合は、URLをリンクすることにより、その専門家固有の情報が入手できる。
<画面8>
(9) 画面9:専門家登録画面
サーキュレータと契約された専門家の情報をデータを、画面5で登録する。