3.料金指数の算出

 ここでは、1996年度のトラヒック量(時間)から算出したウェイトを使い、

3.1 加入電話発信の料金pfix

 加入電話発信の料金はpfix、着信電話の形態によって加入(fix)→加入(fix、加入(NTT)→携帯(mobに大別できる。また、加入(fix)→加入(fix)は発信電話の形態によってさらに加入(NTT)→加入(fix、加入(NCC)→加入(fix)料金に区分できる。加入電話の料金それぞれをpfixfixpNTTmobpNTTfixpNCCfixと表すと、MAiにおけるt年度の加入電話発信の料金pitfixは以下のようになる。

(1)

pitfixfix MAiにおけるt年度の加入電話発信加入電話着信の通話料金(円/秒)
pmtNTTmob 都道府県mにおけるt年度のNTT発信携帯電話着信の通話料金(円/秒)
rifixfixfixtel MAiにおける加入電話発信加入電話着信の加入電話発信全電話サービス着信における加重平均用比率
 さらに物価の違いによる地域格差をなくすために各都道府県(
m)の消費者物価指数(CPI)で除して算出する。

(2)

3.1.1 加入電話発信加入電話着信の平均通話料金pfix→fix

 求める平均通話料金pNTTfixpNCCfixpfixfixの関係は、次のように表すことができる

(3)

ここで、

(4)

(5)

pitNTTfix MAiにおけるt年度のNTT発信加入電話着信の通話料金(円/秒)
pitNCCfix MAiにおけるt年度のNCC発信加入電話着信の通話料金(円/秒)
cjktNTTfix t年度のNTT発信加入電話着信の距離段階j時間帯kの平均通話料金(円/秒)
cjkltNCCfix t年度のNCC事業者l発信加入電話着信の距離段階j時間帯kの平均通話料金(円/秒)
rijkNTTfix MAiにおけるNTTの距離段階j時間帯kの加重平均用比率
rijklNCCfix MAiにおけるNCC事業者lの距離段階j時間帯kの加重平均用比率
rilNCCfix MAiにおけるNCC事業者lNCC発信加入電話着信における加重平均用比率
riNTTfixfixfix MAiにおけるNTT発信加入電話着信の加入電話発信加入電話着信における加重平均用比率

3.1.2 加入電話発信携帯電話着信の平均通話料金pNTT→mob

(6)

ckmntNTTmob t年度の事業者nNTT発信携帯電話着信の時間帯kの平均通話料金(円/秒)
rkmnNTTmob 都道府県mにおけるNTT発信事業者nの携帯電話着信の時間帯kの加重平均用比率
rnNTTmob 携帯電話事業者nNTT発信携帯電話着信における加重平均用比率

3.2 携帯電話発信の料金pmob

 携帯電話発信の料金pmobは、着信電話の形態である携帯(mob)→加入(fix)、携帯(mob)→携帯(mob)によって料金が異なり、それぞれの料金をpmobfixpmobmobと表すと、都道府県mにおけるt年度の携帯電話発信の料金pmtmobは次のようになる。

(7)

pmtmob 都道府県mにおけるt年度の携帯電話発信の通話料金(円/秒)
pmtmobfix 都道府県mにおけるt年度の携帯電話発信加入電話着信の通話料金(円/秒)
pmtmobmob 都道府県mにおけるt年度の携帯電話発信携帯電話着信の通話料金(円/秒)
rmmobfixmobtel 都道府県mにおける携帯電話発信加入電話着信の携帯電話発信全電話サービス着信における加重平均用比率

 さらに、地域格差をなくすために各都道府県(m)の消費者物価指数(CPI)で除して算出する。

(8)

携帯電話発信加入電話着信の料金

(9)

cjkmntmobfix 都道府県mにおけるt年度の携帯電話事業者nの発信加入電話着信の距離段階j時間帯kの平均通話料金(円/秒)
rjkmnmobfix 都道府県mにおける事業者nの携帯電話発信加入電話の距離段階j時間帯kの加重平均用比率
rnmobfix 都道府県mにおける携帯電話事業者nの携帯発信加入電話着信における加重平均用比率

携帯電話発信携帯電話着信の料金

(10)

ckmntmobmob t年度の事業者nの携帯電話発信加入電話着信の時間帯kの平均通話料金(円/秒)
rkmnmobmob 都道府県mにおける事業者nの携帯電話発信携帯電話着信の時間帯kの加重平均用比率
rnmobmob 携帯電話事業者nの携帯電話発信携帯電話着信における加重平均用比率

3.3 ラスパイレス型価格指数

 電話サービスをめぐる環境が大きく変化している昨今、変動ウェイトを使うディビジア型指数で料金指数を算出することが望ましいが、前述したデータの制約により、毎年度のウェイトを求めることが難しいため、本稿では、ウェイトを基準年に固定したラスパイレス型の料金指数を作成した。

 基準年度をt0とすると加入電話発信の通話料のラスパイレス型指数P(L)fixは、

(11)

となる7。同様に携帯電話発信の通話料のラスパイレス型指数p(L)mobは、

(12)

となる。

 


fixとはNTTNCCを区別しない加入電話全体を意味する。

Return

現在のところ、NCCから携帯電話・PHSへの発信は不可能な事業者が多いため、加入(NCC)→携帯(mob)は考慮しない。

Return

加入(NTT)→ページャーについては加入(NTT)→加入(fix)の中に含まれている。

Return

riNTTfix,fixfixrilNCCfixを過去に遡って推計する場合、存在する事業者間のみで加重平均用比率を計算し、存在しない事業者を0とした。例えば、t≦86ではNTTのみしか存在しないため、riNTTfix,fixfix=1、rilNCCfix=0となる。

Return

一般には基準年度t0における総通話時間をQt0fix としてラスパイレス型の指数 p(L)fixとして計算するが、今回の算出に当たってはpfixを算出する課程においてQt0fix でウェイト付けしている。

Return