単行本

21世紀 放送の論点』

                        〔郵政研究所編:日刊工業新聞社〕

 放送はこれまで技術と密接なかかわりを持ちながら発展してきたが、デジタル技術やそれに伴う多チャンネル化は、これまで放送が直面したことのない、根本的な変化をもたらしつつある。しかし、その変化の先を明らかにするのは、決して容易なことではない。

 精緻な将来像を描くためには、放送の送り手側だけでなく受け手側の議論も交えた多様な視点からの考察、議論を踏まえなければならない。

 本書は、デジタル・多チャンネル時代における視聴者構造、マーケット構造を明らかにするために、放送の各方面の実務家、有識者が、それぞれの専門分野の視点から、放送事業展開や視聴者行動等に関して今後の課題・展望等について分析・考察を試みたものを、体系的・総合的に集約したものである。

 まず最初に、地上波、BS、CSデジタル、CATVの各放送事業者などがデジタル・多チャンネル化をどのように捉え、あるいは今後どのような事業展開を考えているかを中心に述べている。

 さらに、デジタル・多チャンネル化により視聴者行動がどのように変化し、またそれに伴いマーケット構造がどのように変化していくかを体系的に整理している。

 最後に、放送事業を取り巻く周辺産業としての制作事業者、広告代理店、放送機器メーカーなどの立場から、放送のデジタル・多チャンネル化をどう捉えているかを述べている。