第16号(日本評論社・1996.9.発行)
編者:*1 橘木 俊詔、*2 筒井 義郎 執筆:*1 橘木 俊詔、*2 筒井 義郎、*3 羽森 茂之 *4 徳永 俊史、*5 池田 新介、*6 福田 祐一 *7 コリン・マッケンジー、*8 谷川 寧彦 *9 小佐野 広、*10 行司 秀俊、*11 松浦 克己 *12 米澤 康博、*13 宮崎 政治、*14 広田 真一 *15 福田 充男、*16 藤原 賢哉、*17 小川 一夫 *18 本多 祐三、*19 鑞山 昌一本書はファイナンス・フォーラムによる二冊目の刊行物である。ファイナンス・フォーラムは関西在住の中堅・若手の金融の研究者を中心として1992年に結成され、毎月の例会と年一回の集中研究会を開催してきた。第一期の研究成果は、「金融業における市場原理と規制理論のせめぎあい」を主題とし、1994年に日本評論社から「日本の金融:市場と組織」として刊行された。ファイナンス・フォーラムの第二期(1994〜96)では、1980年代以降とみに重要性を増してきている資本市場に焦点をすえ、分析を加えることとした。周知のように、金融自由化の展開とともに、企業の資金調達手段は多様化し、各種の金融市場が新たに創設され、また、既存の市場に課せられていたいろいろな規制も緩和されていった。近年の日本の金融には一種の市場型化とでもいうべき現象が起きており、それにともなって、新たに解明されるべきさまざまな問題が発生している。そのような状況をふまえ、本書では、資本市場での価格形成や市場の特徴、市場における投資家の行動、そして企業の統治構造などを分析対象に取り上げている。