郵政研究レビュー

(第8号 1998.7 発行)

『生命保険業の産業組織の再検討』

                         元客員研究官  岩本 康志

                         研究官     古家 潤子

 本稿では、わが国の生命保険業における、規模の経済と「護送船団行政」の存在を検証する。1979年から1994年度までの21社のパネルデータによる分析では、従来の研究よりも大きな規模の弾性値が確認された。従来の研究は、 保護行政による準地代を大会社の配当あるいは剰余から検出しようとしたが、 配当が横並びで決定されるならば、準地代は含み益に反映されると考えられる。そこで、含み益を説明する回帰を行ったところ、規模の正の効果が確認された。