1994年9月:統―94―IV―01

『情報メディアの利用実態に関する調査報告書(平成5年調査・概要編)』

                                     情報システム研究室
 私達の日常生活においては、あらゆる場面で「情報」と接し、これを取捨選択しつつ上手に活用していくことが否応なしに求められている。また、「情報」を手に入れる手段が多様化してきていることもあって、「情報」を上手に活用するためには、受け身ではなく主体的にこれと接していく工夫も必要となってきていると言える。そのためには、新聞やテレビなど生活の中に溶け込んだ情報メディアを活用することのみならず、多様な情報入手手段をいかに上手に利用していくかという工夫も必要となってきていると言うことができる。

 「情報」が氾濫していると言われる一方では、「情報格差」という言葉もしばしば使われている。それは、必要なときに必要な情報が入手できる環境にあるかということが問われているということでもあろう。そこでは、情報の入手手段としてのメディアの普及とともに、どのような情報が提供されているか、あるいは、どのような情報にはどのようなメディアが適しており、使い勝手はどうかといったことも併せて考慮されていなければならないと言えるのではないだろうか。

 今後も、私達を取り巻く情報の入手手段は多様化し、情報環境は変化を続け、「情報化」が進んでいくことは疑いのないところであろう。必要な情報を手に入れられるよう、的確な情報を提供するための方策は、行政を中心として種々試みられている。また、そのための様々な情報機器も開発されてきた。このような努力はこれからも続けられていくことであろうし、そうしていく必要がある。こうした施策をより的確に効果的に遂行していくためには、まず、現状を生活実態に即した形で正しく把握するとともに、情報というものに対する感覚的な受け止めかたといったものをも掴んでおくことが必要となるであろう。

 郵政研究所では、このような認識のもとに、メディアの利用による情報との接触の現状を把握するための調査を行ってきたところである。今回、平成5年11月に実施した調査では、最近普及してきたメディアの保有状況、個人での利用状況、メディアに対する使い勝手等の意識、不足していると感じられる情報の分野とその入手に適していると考えられるメディアなどを調査することにより、情報化の現状と環境に対する意識を把握しようとしたものである。また、同時に、郵便と電話という2つの主要なパーソナルメディアについて、その利用上の特徴を調べるため、どのような相手と通信しているかということについても調査している。

 本報告書ではその概要を紹介するとともに、平成6年2月に実施したテレビとケーブルテレビに関する視聴行動と放送番組に対する視聴者サイドからの意向についても概要を取りまとめている。「情報化」の現状を利用者の立場から把握する一助となれば幸いである。

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