郵政研究所研究調査報告書



                                       1997年7月:調-97-VI-06

『条件不利地域における情報化推進に関する調査研究報告書』

                        通信経済研究部主任研究官  進藤 文夫
                                 研究官  大石 明夫
 情報通信は、デジタル化、大容量化、双方向化を基軸とする技術革新の進展によってマルチメディア時代に向けて大きく変化しつつある。このような変化の中で、現在、大都市のみならず中山間地などの条件不利地域(LessFavoredArea)の自治体においても地域間情報通信ネットワークを活用した試行的、先行的実験、実証が行われている。

 我が国の条件不利地域は、一般的には中山間地域や過疎地域と呼ばれている。例えば過疎地域特別措置法による「過疎地域」は、全市町村数3236のうち1199(平成6年4月現在)にのぼり市町村数では37.1%を占め、また面積では47.7%(平成5年国土地理院)にのぼるが、人口では6.5%(平成2年国勢調査)を占めるにすぎない。このような条件不利地域においては、地域の活性化を進める上で情報化の効果は大きいと考えられるが、利用効率が低い反面、整備面積は大きいため、ネットワークインフラの整備や公的アプリケーションの普及のための課題は大きなものとなっている。

 本調査研究は、情報通信の著しい高度化に伴い、社会・経済のあらゆる分野において、情報通信の基盤的な役割が高まってきている状況の中、条件不利地域で行われている情報化の推進状況を調査した。また、アンケート調査、現地調査等を通し、条件不利地域活性化のための地域情報化の条件と効果の分析及び検討を行った。

 なお、本報告書の主な内容は以下のとおりである。
1 条件不利地域の社会経済指標と情報化についての現況調査
2 都市側との連携や地域内の情報化の事例調査
3 条件不利地域活性化のための地域情報化の条件と効果の分析
4 地域情報化のための考え方と公的な施策について