1996年9月:No.1996―7

『「1994年家計における金融資産選択に関する調査」の評価』

                         客員研究官(英国エセックス大学)David W.Cambell
                           第二経営経済研究部研究官 渡部 和孝
 本稿は「1994年家計における金融資産選択に関する調査」のマイクロ・データが日本人の家計を統計的に偏
りなく抽出しているかを初めて体系的に評価したものである。当調査は日本人の家計の所得と資産に関する、
比較的新しい包括的な調査である。
 評価の結果、当調査では単身世帯数が過小であるものの、所得、金融資産、実物資産の分配は他の同様な調
査に比較しても適切であることが確認された。近い将来、当調査は日本における家計の所得と資産に関する代
表的な調査として一般的に認知されることになろう。