補論1 アンケート結果の世帯属性


アンケートを通じて有効回答に示された世帯属性の一次集計の結果は次のとおりである。

表 1
 第一回アンケート調査
(1997.1)
第二回アンケート調査
(1998.2)
合計(%)
世帯の所得(税引前)
0-199万円
200-399万円
400-599万円
600-799万円
800-999万円
1,000-1,199万円
1,200-1,399万円
1,400-1,599万円
1,600-1,799万円
1,800-1,999万円
2,000万円以上

24世帯
56世帯
179世帯
219世帯
211世帯
197世帯
163世帯
139世帯
72世帯
50世帯
111世帯

20世帯
94世帯
131世帯
144世帯
148世帯
113世帯
46世帯
39世帯
9世帯
10世帯
38世帯

44世帯(2.0%)
150世帯(6.8%)
310世帯(14.0%)
363世帯(16.4%)
359世帯(16.2%)
310世帯(14.0%)
209世帯(9.4%)
178世帯(8.0%)
81世帯(3.7%)
60世帯(2.7%)
149世帯(6.7%)
構成員数
うち男性
うち女性
4,789人
2,572人
2,217人
3,168人
1,597人
1,571人
7,957人
4,169人(52.4%)
3,788人(47.6%)
世帯主年齢層
20代
30代
40代
50代
60代以上
不明

143世帯
192世帯
312世帯
462世帯
317世帯
39世帯

69世帯
168世帯
216世帯
233世帯
253世帯
67世帯

212世帯(8.6%)
360世帯(14.6%)
528世帯(21.4%)
695世帯(28.1%)
570世帯(23.1%)
106世帯(4.3%)
世帯構成員年齢
10代未満
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上

349人
567人
1,020人
537人
691人
943人
684人

328人
384人
522人
432人
452人
472人
527人

677人(8.6%)
951人(12.0%)
1,542人(19.5%)
969人(12.3%)
1,143人(14.5%)
1,415人(17.9%)
1,211人(15.3%)
世帯構成員職業
自営業
会社員・公務員
小学生以下
中学生
高校生
大学生以上
アルバイト
無職(学生以外)

395人
1,938人
471人
174人
183人
282人
223人
1,108人

254人
1,096人
425人
114人
103人
141人
161人
773人

649人(8.3%)
3,034人(38.7%)
896人(11.4%)
288人(3.7%)
286人(3.6%)
423人(5.4%)
384人(4.9%)
1,881人(24.0%)




補論2 推定に用いられたAI需要体系


本稿における通話需要関数の推定に具体的に使用したAI需要体系は次のとおりである。
まず、NTTの加入電話サービスに係る価格指数をPNTT、NCCの電話サービスに係る価格体系をPNCC、携帯電話事業者の電話サービスの価格指数をPMOBとする。ここで、世帯の所得をY、電話サービスに対する世帯支出の合計をEとし、Eに対応する集計価格指数をPとする。
 さて、NTT、NCC、及び携帯電話事業者の三種の電話サービスを利用している世帯の場合(加入パターン1)、AI需要体系(AIDS)では、支出関数が以下のPIGLOG型支出関数に特定化される。

     (1)

Shephardの補題より、

     (2)

     (3)

     (4)

(2)、(3)、(4)式を用いれば、

     (5)

同様に、

  (6)        (7)

(5)、(6)、(7)の関係を(1)式に適用すれば、

     (8)

     (9)

    (10)

ここで、三種のサービスの集計価格指数Pを以下のように定義する。

       (11)

間接効用関数は、支出関数に(11)式を用いることで以下が得られる。

     (12)

得られた(12)式を(8)(9)(10)式にそれぞれ代入すれば、

     (13)

     (14)

     (15)

AI需要体系は、(13)(14(15)式により与えられることになる。
さらに、ここに加法性の制約( )及び同次性の制約( )を加えると1 、このケースにおいては結局、(11)式及び以下に示す(16)(17)式を推定すれば良いことになる。

     (16)

     (17)

この場合、消費支出弾力性、自己価格弾力性、及び、交差価格弾力性についてはそれぞれ以下の(18)〜(26)式によって導かれる。

 (18)    (19)    (20)

     (21)

     (22)

     (23)

     (24)

     (25)

     (26)

 次に、NTTとNCC、あるいはNTTと携帯電話という二種類の電話サービスを利用している世帯の場合(加入パターン2、あるいは加入パターン3)、AI需要体系は以下のようになる。(以下の算出過程は加入パターン2の場合を示す。)
まず、支出関数は以下の形に特定化される。

     (27)

Shepherdの補題[1970]を用いれば、

     (28)

     (29)

を得、上記と同様の変形により、目的とする支出弾力性・価格弾力性の推計値を得ることができる。




補論3 AI需要体系の構築に用いられる各種変数に係る統計情報


加入パターン1
変数標本数平均値標準偏差最小値最大値
税引き前世帯所得
NTT通話料金
NCC通話料金
携帯電話通話料金
総通話支出
NTTへの支出シェア
NCCへの支出シェア
携帯電話への支出シェア
337
375
375
375
375
374
374
374
1160.653
9.5970
19.6365
36.6177
16962.12
0.4626
0.2129
0.3246
680.3949
0.6421
1.9157
3.0428
15032.61
0.2261
0.1936
0.2441

8.4342
15.8580
32.3656
0
0
0
0

11.3445
22.7500
39.6253
102822.3
1
1
1



加入パターン2
変数標本数平均値標準偏差最小値最大値
税引き前世帯所得
NTT通話料金
NCC通話料金
総通話支出
NTTへの支出シェア
NCCへの支出シェア
488
533
533
533
528
528
1049.344
9.6460
19.9988
6700.639
0.6375
0.3626
590.0214
0.6315
1.9007
5439.612
0.2616
0.2616

8.4342
15.8580
0
0
0

11.3445
24.4436
38403.5
1
1


加入パターン3
変数標本数平均値標準偏差最小値最大値
税引き前世帯所得
NTT通話料金
携帯電話通話料金
総通話支出
NTTへの支出シェア
携帯電話への支出シェア
283
283
312
312
312
311
311
1065.371
9.5926
36.8170
17314.22
0.6302
0.3698
663.2128
0.5734
2.9006
35944.15
0.2423
0.2423

8.4342
32.3656
0
0
0

11.1031
39.6253
605505.7
1
1



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