国際ボランティア支援

NGO活動状況調査

毎年、賛助会員の方々をNGO海外援助活動助成事業及び旧国際ボランティア貯金の寄附金配分事業が行われている開発途上国に派遣し、NGO活動状況調査を行っています。実際に現地を訪問し、NGOの活動内容・状況を確認し、NGO及び現地の人々との交流を通じて開発途上国の現状や、NGOの果たしている役割・重要性などを確かめていただき、帰国後に周知していただいています。

2018年度NGO活動状況調査

2018年度のNGO活動状況調査は、2018年11月25日(日)~12月2日(日)までの8日間、当財団役職員2名及び賛助会員企業の参加者6名をミャンマー連邦共和国に派遣し、NGO海外援助活動助成及び旧国際ボランティア貯金の寄附金配分を受けている「公益社団法人シャンティ国際ボランティア会」、「公益財団法人オイスカ」及び「特定非営利活動法人地球市民の会」の三つのNGOを対象に実施しました。

この場をお借りいたしまして、お忙しい中をご対応いただきました皆様に厚くお礼を申し上げます。

1 .「公益社団法人シャンティ国際ボランティア会」の活動地視察
(1)ヤンゴン事務所

2014年からミャンマーにおいて、学校建設事業及び図書事業を展開されています。教科書をそのまま暗記する軍事政権下の教育方針から脱却するため、想像力を豊かにし好奇心に応じて自分の考えを深めていけるよう、絵本の活用を重視しているそうです。2018年度は当財団の支援により、絵本や紙芝居など計4アイテムを自ら編集し、それぞれ6,000冊以上を印刷し、全国の図書館に配布したとのことでした。

当日は、この絵本を実際に作成された画家及び作家の方から、絵本作成の課題等について直接お話をお聞きすることができました。

(2)バゴー県立公共図書館

ヤンゴンから車で約1時間半移動し、バゴー県立図書館を見学しました。1階の一部が子ども用の読書室であり、シャンティ国際ボランティア会様作成の絵本が配備されていました。2階が一般図書の書架と閲覧室となっており、合わせて150平方メートル程度であり、それほど広いものではなく、書籍もやや古いものが多いとの印象でした。

(3)バゴー市ペヤドンスー小学校

バゴー市内の小学校に移動し、3年生に対する読み聞かせの授業を見学しました。まず今年シャンティ国際ボランティア会様が出版した「若いめすねずみの結婚相手」という絵本を教師が朗読し、同時に児童数名が寸劇を演じました。その後、昨年出版した「三つの季節」という紙芝居を教師が読み聞かせました。いずれの児童もとても真剣な眼差しで見つめていました。最後に、シャンティ国際ボランティア会様が提供している移動図書館の本を児童各自が取り、自由読書の時間となりました。キラキラした子どもたちの目がとても印象的でした。

2.「公益財団法人オイスカ」の活動地視察
(1)農村開発研修センター

飛行機遅延のために予定よりも遅れて中央乾燥地帯マグウェイ地域にあるセンターに到着し、早速研修内容を紹介していただきました。アルカリ性の非常に強い乾燥土壌を植林することで改良できるそうです。また、農薬などを使わない有機農業や現地に適合した稲作技術を全国から集まっている若者に指導しているそうです。

当財団の支援により今年度改修された子豚生産施設を案内していただき、子豚の出荷も軌道に乗っているとのことでした。

(2)近隣村の養豚農家

近隣3村にてそれぞれ養豚の状況を見学させていただきました。まだ小規模ではありますが、それぞれ裏庭などに豚舎を設けていました。日本円換算で1頭約4万円と比較的高額で出荷でき、飼料代を差し引いてもかなりの利益となるとのことでした。研修センターに病気のことなど電話でよく相談してくれるそうです。村長さんの椰子の幹や葉などで建てられた簡素なご自宅で茶菓のもてなしを受けるなど農村の生活も見せていただきました。

(3)パコック市内視察

オイスカ様の研修センターでは、日本風の菓子パンを製造し、販売されています。一部は、近隣の中都市パコックのいくつかのカフェにも納品されているとのことで、カフェでメニューとなっているパンを賞味させていただきました。あわせて市内の電気店と大型小売マーケットを案内していただきました。

3.特定非営利活動法人地球市民の会
(1)4村の貯水タンク

当財団の支援で建設された4村の貯水タンクを順次いたしました。いずれもシャン州パオ族の村で、州都のタウンジーから車で3時間かかる辺境な山中に所在しています。村民は頭に独特な色の布を巻いています。4村とも村民総出で今年の夏にそれぞれ約80klのタンクを建設し、屋根も付けたとのことです。これまで乾季には水の確保に苦労していたそうですが、これで何とか乾季を乗り切れると村民の皆さんは喜んでいました。最後の村では、茶菓の歓待を受けた上に、立派な籠とお茶・ミカンなどのお土産までいただきました。

(2)タンボジ農業畜産研修センター

有名なインレー湖近くに所在する研修センターを見せていただきました。この研修センターには貧しい家庭の高校生2学年14人が寄宿生活を送っているとのことでした。午前中はニャウンシュエの高校に通学し、午後はセンターの農園で農業研修を受け、夜は大学受験の勉強だそうです。農園では野菜や卵を有機農法で生産しており、一部はヤンゴンに出荷して、品質と安全に敏感な日本人駐在員などが購入しているそうです。まだ、現地の農業は農薬や化学肥料を大量に使ってしまうので、環境など問題が多いそうです。

(3)タウンジー事務所

タウンジー市内にある事務所を訪問しいろいろお話を伺いました。タンボジセンターは今後国境省に引き継ぐ計画であり、地球市民の会様の現地NGO法人が引き続きうまく関与できるように進めていきたいとのことでした。シャン州で活動を始めた経緯や国境省役人との対応などとても貴重なお話をお聞きすることができ、地域特有の環境の中で前向きに取り組まれていることが良く理解できました。

4.まとめ

ミャンマー国は、2011年の民主化以降経済発展中ですが、まだ東南アジアの中で一人当たりのGDPが最も低い国のひとつです。しかし、実際に訪問してみると、上座仏教徒が多いミャンマーは、功徳を積むことを重んじるおっとりとした国民性でした。また、米が主食で食べ物が美味しい国でもあり、街の中を日本の会社名をそのまま表示した中古輸入トラックなどが元気に走り回っていて、とても親しみの感じられる国でした。

本調査では、NGO3団体の活動先を往訪しました。各団体ともカウンターパートは現地の中央官庁出先期間であり、3年間程度の活動計画を示し、内容について了解をいただき、覚書を締結しないと活動できないようです。新しい覚書を結ぶためには、前回の活動よりも規模を拡大するなど貢献の程度を高めないと了解がもらえないなど苦労されているようでした。民主化してもまだ政府の役人の権限は大きく、外国人の活動に対する管理とか外国からの資金獲得に重きをおいて判断されるとのことでした。

ヤンゴンに比較的近いバゴー地域で活動されているシャンティ国際ボランティア会様は、他の東南アジアの諸国で長年培った教育分野でのノウハウを生かし、2014年から活動を展開されていました。軍事政権下の暗記型教育からの脱却を大きな目標にして活動されていました。

オイスカ様は、中央ミャンマー乾燥地域において、そこに適した農業・畜産の定着に取り組まれ、農村青年リーダー向けの研修センター運営を現地スタッフだけで自立できるまでに結実されました。昨年から中央乾燥地域の別な場所に新研修センターを開所されています。

地球市民の会様も、東部山岳部のシャン州において、少数民族の村での貯水タンクの建設や農村の貧しい高校生への寄宿舎提供を通じて、農村開発全般に取り組まれ成果をあげられていました。今後は、さらに貧しいチン州においても学校建設を含め、地域開発に注力しつつあるとのことです。

物流など隣国中国との結びつきも強いお国柄のようですが、いずれの団体も日本人の顔の見える活動を実践されており、日本ミャンマーの交流にも大きく貢献されていました。それぞれの団体が、次のステージに向け、それぞれ活動を強化されており、ますますのご発展を祈念申し上げます。当財団といたしましても、制約は多いものの、いずれかの機会にわずかながらでもご支援できることを祈りつつ帰国いたしました。

 

 

 

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