貯蓄経済研究

季刊 個人金融 2023年春号

発行年月 2023年4月

特集 

若年期の経済的不安 -貧困、雇用、金融トラブル、金融教育-

我が国において急速に進む少子高齢化という環境の下、年金給付水準の引下げ、介護費用、社会保障費の現役世代への負担増など、若年期から資産継承期に至る各ライフステージにおいて、家計は様々な特有の経済的な不安やリスクにさらされ、それらに対処するため、適切な金融行動が求められています。

厚生労働省の調査によると、近年、高齢期の貧困率が下がっている一方で、男女とも若者の貧困率は上昇しており、大きな社会問題と認識されています。 若者に関しては、スマートフォンの普及などと相まって、投資への関心が高まっている一方、金融知識の不足からトラブルに巻きもまれるケースも多く見られます。「貯蓄から投資へ」の流れを加速させる意味からも、正しい金融知識を身につけるための金融教育が求められています。今号では、人生のステージのうち、「若年期」の経済的な不安に焦点をあて、貧困、雇用、金融トラブル、金融教育など近年大きな課題となっているテーマについて考えます。

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目次

特集

若年層の格差をめぐる連鎖の構図
~経済格差/教育格差/体験格差/意欲格差/関係格差~

筑波大学人文社会系教授 土井 隆義

子どもの貧困対策としての子どもの居場所とフードパントリー

県立広島大学保険福祉学部教授 田中 聡子

非正規雇用が生む経済格差と家族形成格差

㈱ニッセイ基礎研究所生活研究部上席研究員 久我 尚子

若年層の経済的不安と出産選択 -男女比較・日米比較の視点から-

日本女子大学人間社会学部教授 周 燕飛

学校教育における金融経済教育の可能性

横浜国立大学名誉教授 西村 隆男

大学生・若者の金融リテラシーと効果的な金融教育を考える

LEC会計大学院客員教授 島 義夫

若者のお金に関するトラブルの現状と消費者教育・金融経済教育の課題

サステナビリティ消費者会議主任研究員 三原 文乃

FPからみた「若年層投資ビギナーに潜むリスク」と金融事業者の在り方

黒田尚子FPオフィス代表 黒田 尚子

支援活動フロントライン

「公教育と連携したお金の教育実践事例」

特定非営利活動法人お金で学ぶさんすう® 代表理事 住山 志津枝
                     代表理事 仲田 毅

ゆうちょ財団トピックス

諸外国のリテール金融における最近のトピックス

一般財団法人ゆうちょ財団貯蓄経済研究部総括研究員 細谷 正人
                    

書評

清水 順子 著 『悪い円安 良い円安―なぜ日本経済は通貨安におびえるのか』

武蔵大学経済学部教授 大野 早苗

山重 慎二 編著 『日本の社会保障システムの持続可能性-データに基づく現状分析と政策提案』

立教大学経済学部准教授 安藤 道人

 

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一般財団法人ゆうちょ財団 貯蓄経済研究部

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