NGO活動状況調査
毎年、賛助会員の方々を国際ボランティア貯金の寄附金配分事業が行われている開発途上国に派遣し、NGO活動状況調査を行っています。実際に現地を訪問し、NGOの活動内容・状況を確認し、NGO及び現地の人々との交流を通じて開発途上国の現状や、国際ボランティア貯金の果たしている役割り・重要性などを確かめていただき、帰国後に周知していただいています。
平成23年度NGO活動状況レポート
平成23年度は、平成24年2月12日から18日までの7日間、賛助会員等7名をカンボジア王国に派遣し、国際ボランティア貯金の寄附金配分を受けて活動している「社会福祉法人日本国際社会事業団」、「特定非営利活動法人ASACカンボジアに学校を贈る会」、「特定非営利活動法人幼い難民を考える会」の3団体の活動状況調査を実施しました。
「社会福祉法人日本国際社会事業団」は、プノンペンの東側を流れるトンレサップ川に面し、また国立博物館や王宮に近いウナロム寺院内にあるひろしまハウスの1階で「プテア・ニョニム(にこにこの家)」を開設し、貧困家庭子女に対する給食付き識字教育及び衛生教育プログラムとして、学校に行かずに働かなければならない子どもに給食を提供し、クメール語、加減乗除、英語などを教えるとともに、歯磨きや手洗い指導を行っています。お昼の給食には豚肉とゆで卵が入ったカレー風の食事が提供されていました。
また、ひろしまハウスと協同して図書館プログラムも平行して行っています。図書館には、寄附で集まった日本の絵本にクメール語訳を張り付け子ども達が読めるように工夫しており、その他にもコンピューター室を設置して子ども達へパソコンによる英語の勉強も行っています。
「特定非営利活動法人ASACカンボジアに学校を贈る会」は、プノンペンから北東80kmに位置するコンポンチャム州バティエイ郡バティエイ地区とトムノ地区の住民を対象に識字教育及び識字教師の育成を実施しています。
今回、訪問したトロペアンスノー村小学校、トムノ小中学校、トゥール村小学校のいずれも教室数が足りないため、学年ごとに午前・午後の2部制をとって勉強をしています。プロヨック村、トムノ村、トゥール村の4識字教室を訪問しました。2か所は高床式民家の床下を利用して、1か所は小学校の教室を利用して、もう1か所は高床式民家の部屋を利用して開催されました。平素は夜間(18:00〜20:00)に開催されるのですが、我々のために昼間開催してくれました。
受講生の多くは女性で、小さな子どもを連れたお母さん方も積極的に参加して、文字や計算を学んでいます。識字教室に参加している女性から「何もできなかったが、字が書けるようになり、計算もできるようになった」、「生活日誌を付け、収支がわかるようになった」、「商売をやりたい」など喜びの声が聞かれ、より良い生活を営めるよう努力していました。
また団体は、教師には現地の人を雇用し、何をどのように教えるかなど識字教室の先生になるための研修も実施していました。
「特定非営利活動法人幼い難民を考える会」はタケオ州等で就学前教育の充実と僻地への教材配布と研修を行っています。
今回は、団体が作成した教材を国の要望により配布している公立幼稚園と団体が就学前教育を行っている保育所、そして団体が運営している職業訓練のための織物センターを訪ねました。
幼稚園には団体が国際ボランティア貯金の寄附金で作成した子音表パズルや絵本が配布され、それらを活用して子ども達が遊びながら文字を覚えています。
給食付きの保育所では子音表パズルや絵本で遊ぶほか、読み聞かせや衛生教育を行い、幼稚園へ入る前に一通りの生活習慣を身に着けるようにしていました。お昼の給食には魚のブツ切りが入ったスープカレー風のものが提供されていました。
織物センターでは、草木染と伝統的な絣、絵絣の織物技術を学び、古くからカンボジアに伝わる織物の伝承に努め、習得した技術により地元に戻った生徒たちは自宅で織物を織っていました。また、一部の人は織物センターの実施する移動教室の先生となり、技術を伝えています。
いずれも保護者や行政等に活動が喜ばれ、地域住民との連携もうまく行われ、地域に根付いた活動が行われていることが良く分かりました。
参加者からは、「訪問した団体の活動は、国際ボランティア貯金の支援が有効に援用されており、今後も何らかの支援を継続していくことが必要であると思った。」、「NGO活動状況調査に参加して貴重な経験ができました。」、「普段日本で生活していると、想像もできない生活がカンボジアにはあり、自分達がいかに恵まれているか、改めて感じました。」等の感想が寄せられました。
また、団長として同行した当財団の朝日理事長からは、「カンボジアの村は都会と比べ貧しさが目立ちました。でも、人々は穏やかで明るく日々を送っていました。この穏やかさは、最低限の食料が得られる土地と川と気象条件によるものでしょうか。ただ、明日のカンボジアを担う子ども達の教育環境は劣悪で、今後とも社会の発展に応じた継続的な支援活動が必要なことを痛感しました。
今回、現地へ赴きNGOの方々の活動を直接拝見することで、国際ボランティア貯金の寄附金が有意義に使用されていることが再確認でき、参加者の皆様にもご理解いただくことができました。
現地の方たちのためにも、日本のNGOの活動のためにも国際ボランティア貯金の必要性を強く感じました。この制度が終了してしまうことはとても残念だと思っています。」とのコメントがありました。